とりたてて何もない日々のらくがきノート

からだに関することや昭和の懐古、たまに俳句など

『北斎漫画』・江戸期の川柳

2025-02-03 06:28:49 | 日記

(城山公園 涼櫓)

ずいぶん昔の映画で一度観たいと思っていたが、何となく観ないで
やり過ごしてしまったのがあって、最近配信サイトで観てみたのが
『北斎漫画』(緒形拳、田中裕子、樋口可南子、西田敏行)である。
田中裕子も樋口可南子も若くてきれいだったが、後半の緒形拳や
西田敏行の老けメイクがすごくて少し引いてしまった(笑)

それでおばあさんと言える年齢になった田中裕子のセリフで、近頃
は役人が往来で女の着物を巻くってハデな下着でないかを検査したり
化粧をするなとかうるさく言ってくる、というようなのがあった。

これは年代的に天保の改革の頃だったので、庶民にも倹約令が出され
華美な着物や贅沢品が禁止された背景があるので、こうしたセリフも
出て来たのだろうと思う。他にも出稼ぎに来ている農民を農村に戻し
たり、同業者の組合(株仲間)を解散させたりという事も行われた
らしい。

そして享保や寛政の改革でも倹約令は出されたが、この時はもっと
厳しいものになり寄席や歌舞伎などの娯楽も規制されたため、庶民
の怨嗟が著しいものになったようだ。

西田敏行演じる曲亭馬琴の著作で『南総里見八犬伝』があるが、
中学生の頃にテレビで人形劇になっていたと思う。その時は熱心に
観ていたが内容はもうほとんど忘れてしまった(笑)
これまで馬琴の本を読んでみた事はないが、このごろ江戸期の川柳
(古川柳)をちょっとだけ調べてみたりしていて、時代背景とかを
わかっていないので理解のむつかしい句もあるが、その中にとても
粋で色気がある(助平!)と感じるのを見つけてしまった(笑)

かんざしは 受け取る時も 髪を出し

当時の女性にとってかんざしは恋の道具のひとつで、相手の男性
から「頭がかゆいので、お前さんのかんざしを貸しておくれ」と
言われた時に、自分で抜いて「はいはい」と手渡すとあまりにも
色気がない。そこでそう言われると自分の頭をきゅっと出して
男性に抜いてもらい、返してもらう時も同じように頭を差し出し
て、かんざしを受け取る、という句だそうである。

こういうのは今では見ることの出来ない仕草であり、昔ならでは
の艶っぽい雰囲気が出ていて感動してしまった。
映画の話から知らない間に川柳の事になってしまったが、今日から
暦の上では春ということなので、少しぐらい乱れるのも許される
かなと勝手に判断して、これでおしまいにする。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おあずけ)
2025-02-07 09:59:30
観れていなかった役所広司さんの映画『八犬伝』がアマプラで観られるようになり先日拝見しました
曲亭馬琴と葛飾北斎が同居するくらいに親密だったとは知りませんでしたねぇ…(驚)
(*゚▽゚)
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Unknown (taiji-asano)
2025-02-08 07:20:43
おあずけさん、おはようございます。

コメントありがとうございます。

『八犬伝』は去年秋に公開の最新映画のようですね。
年寄りなので情報に疎いのか、恥ずかしながら
知りませんでした。早速観てみたいと思いましたが
U-NEXTにはまだなくて残念。春ごろにはDVDが出るよう
なのでそれまで楽しみに待つことにします。

馬琴と北斎は『北斎漫画』を観る限りでは、ごく若い
頃から親密であったようです。私もこれほど近しい
関係だったのは初めて知りました。

おあずけさんは映画の知識も豊富なようで、また色々
教えて下さ~い(・∀・)
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