田舎びと歳時記

花鳥風月、演歌と津軽に一筆啓上

迷い墜ちた子鳥

2008-07-07 17:58:12 | 私の歳時記
先日母が体験した子鳥のお話

母が家に一人で居た時のこと、開いたままの玄関の中へ何を間違えたのか子鳥が迷い込んで来たというのです。迷い込んだと言うよりも迷い墜ちたという方が正確だそうです。親子連れで飛んでいたところ、一羽のその子鳥がまだ飛ぶのも覚束なかったのでしょう、我が家の玄関内に墜ちてしばらくの間じっとしていたそうです。

外では親鳥らしきものがその子鳥を呼んでいたのでしょう、電線の上でしきりに鳴いていたそうです。 早くこっちへおいで! 何してんの?
ところが、子鳥の方は打ちどころでも悪かったのかそれとも家の中にいた年老いた母が珍しかったのか外へ出て行く気配がなく、ひんやりとしたコンクリートの上に横たわったままの状態が3分程続いたそうです。

そんな様子をじっと見ていた母も心配になって、その子鳥をそっと外に出してやろうとしたところ、その子鳥の兄弟なのでしょう、同じ位の小さな子鳥が玄関の外に舞い降りて来て、しきりに呼んでいたというのです。 おい! どうしたんだ、早く来いよ~

親鳥でなくて、小さな子鳥が迎えに来たことに母は大感激!想像するに、さぞかわいらしい情景であったことでしょう。
兄弟が来てくれて元気が出たのでしょうか、その墜ちた子鳥は玄関の外にいた子鳥と連れだって低く飛び去って行ったとのことです。

日本昔ばなしの一節が出てきそうです。
むかし、むかし… おばあさんがいました…そこへ一羽の子鳥が迷い込んできました…

あの子鳥さん! またいつでも迷い込んでおいで!


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