田舎びと歳時記

花鳥風月、演歌と津軽に一筆啓上

どうしよう? 夏、津軽!

2008-07-18 11:40:30 | 私の歳時記
毎年毎年、7月も半ばを過ぎると出てくるのです。『どうしよう病?』 アア―ッ、どうしよう? 今年は行こうか行くまいか? 夏の津軽、ねぶた祭り。
海外旅行などまったく眼中にありません。国内もろくに知らぬくせに、外国などへ行ってどうするの? ひがみ心ではありません! 津軽一筋なのです。
バスツアーに参加しようか、それとも夜行の寝台特急で行こうか? 時間短縮を考えるなら、東北新幹線で八戸まで行き、八戸からは『特急つがる』、まずは弘前まで行って…。
飛行機は大の苦手だから、これは不採用。ガソリン代高騰の折でもあり、また肉体的にも自動車はキツイ!
今年は、往きは夜行寝台でと考えているのですが、家の者の話では、ガタン、コトン、ガタン…とうるさくて眠れないよとのことですが。

青森ねぶた祭り開幕は8月2日ですから、出発は8月1日。午後11時20分高崎駅発の寝台特急あけぼので。この列車まさに上野発の夜行列車なのです。津軽海峡冬景色の歌詞の世界に浸りながら一路津軽へ。翌朝9時18分には弘前駅着。 嗚呼! どうしよう?
優柔不断で決断力のない私、『エイッ、ヤ~』とばかりに決行してしまえばいいのに。
それが出来ずに同じことを何度も何度も考えて、挙句の果てに、やっぱりやめた! に至るお粗末さ。

実際に津軽に行った場合のことをあれこれ想像してみると、やっぱり行こうとなるかも知れません。頭の中を津軽だらけにしてしまうのです。

夜行列車のデッキを眠気眼をこすりながら弘前駅に降り立つ。津軽藩の城下町弘前市。久しぶり~ッ 4年前は弘前で下車しませんでしたから、弘前駅の改札を通るのはなんと11年ぶり。弘前城址公園まで徒歩で、弘前の街並をじっくり味わいながら行きましょう。着いたら早速、弘前城天主辺りより『岩木山』を拝ませて頂きます。『南無帰命頂礼…』

次に、公園東にある『津軽ねぶた村』を散策。ここは要するに観光おみやげ村ということになるのでしょうか。津軽三味線が無料で聴けるコーナーがあったはずです。まずは津軽の音色を堪能しましょう。その夜は弘前市内に一泊。駅近くにある有名な民謡酒場でまたまた津軽三味線を! 私、何が一番好きかと聴かれれば、本場の津軽三味線を生で聴きながら、一杯やること、コレデス。
夢にまで見る、遠くはるかな津軽の地に居り、三味の音を聴きながら一杯……頭から腹の底まで響き渡る、この音いつか昔聴いたようで、郷愁と津軽への愛が募り、お酒も一段と酔わせてくれるのです。

弘前で一日を過ごすには時間が充分ありますから、五所川原まで行って、そこから津軽鉄道で金木駅まで。限りなく続く緑の田の中を、1両か2両の列車が走ります。
故郷にでも向かってるかのような気分で列車に揺られています。
金木町に着いたら、もうどこへ行くでもなく、ただぼんやりしていたい。夕陽が一面の水田の彼方に沈んでいくのを眺めていたい。
陽が沈んで少し薄暗くなった頃に、金木駅を後にして再び津軽鉄道で五所川原まで。車中からの夕暮れ時の眺めは格別でしょう。車内の様子はと言えば、津軽こけし人形のようなおかっぱ頭の少女と祖母らしき老人の姿、しきりに話し合っている高校生達、それに混じって幾人かの観光客の姿。すべてがゆったりしています。

弘前で一泊した次の朝一番で、今度は青森市へ。この日の午後には津軽の地を後にする予定。青森駅発13時45分の特急で帰路に。あの青森駅を去る時の寂しさ悲しさと言ったら、まるで恋人と別れるような? 思いがするのですが。
長い長いプラットホームには私を見送っている人はいないはずなのに、何故か後ろ髪を引かれるような気持ちになるのです。今度はいつ来れるかな~ 毎回そう思います。

青森駅、実際の表示は『あおもり駅』とひらがな書きですが、この駅に降り立つと『津軽海峡冬景色』の歌詞が浮かんできます。『上野発の夜行列車 降りたときから 青森駅は雪の中…』 私は冬の青森駅にはまだ来たことがありませんが、青森駅には行きかう人達の様々な思いが、立ち籠んでいるようで、何故か感傷的になってしまいます。

青森市滞在は、午前中一杯になりますので、観光物産館アスパム内で過ごしたり、ラッセランドで色鮮やかな昼間のねぶたを見物するのもよいでしょう。夜のねぶたもいいですが、昼のねぶたは近くに寄ってじっくり眺められます。これは、お勧めです。

青い海公園に佇んで青森港に打ち寄せる波を眺めつつ、津軽の地との別れを惜しんでいます。

ここまで思い描いてみました。光景が手に取るように見えるようになれば、今年の津軽行きは決定です。まだまだ足りないカナ?

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迷い墜ちた子鳥

2008-07-07 17:58:12 | 私の歳時記
先日母が体験した子鳥のお話

母が家に一人で居た時のこと、開いたままの玄関の中へ何を間違えたのか子鳥が迷い込んで来たというのです。迷い込んだと言うよりも迷い墜ちたという方が正確だそうです。親子連れで飛んでいたところ、一羽のその子鳥がまだ飛ぶのも覚束なかったのでしょう、我が家の玄関内に墜ちてしばらくの間じっとしていたそうです。

外では親鳥らしきものがその子鳥を呼んでいたのでしょう、電線の上でしきりに鳴いていたそうです。 早くこっちへおいで! 何してんの?
ところが、子鳥の方は打ちどころでも悪かったのかそれとも家の中にいた年老いた母が珍しかったのか外へ出て行く気配がなく、ひんやりとしたコンクリートの上に横たわったままの状態が3分程続いたそうです。

そんな様子をじっと見ていた母も心配になって、その子鳥をそっと外に出してやろうとしたところ、その子鳥の兄弟なのでしょう、同じ位の小さな子鳥が玄関の外に舞い降りて来て、しきりに呼んでいたというのです。 おい! どうしたんだ、早く来いよ~

親鳥でなくて、小さな子鳥が迎えに来たことに母は大感激!想像するに、さぞかわいらしい情景であったことでしょう。
兄弟が来てくれて元気が出たのでしょうか、その墜ちた子鳥は玄関の外にいた子鳥と連れだって低く飛び去って行ったとのことです。

日本昔ばなしの一節が出てきそうです。
むかし、むかし… おばあさんがいました…そこへ一羽の子鳥が迷い込んできました…

あの子鳥さん! またいつでも迷い込んでおいで!


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