奥の客

　　　　　「もしかしたら・・・あるかも？？」

 

 

そんな情報を耳にし、俺は中野にライブの衣装探しに行った。

中野の街を、ブ～ラブラブ～ラブラ・・・

 

すると・・・

俺を立ち止まらせる程の「GOOD」な香りが、俺の鼻をピクピクさせた

ラ～メン屋のスープの香りだった

中を覗くと、お客さんは一人・・・

 

　　　　　「まっ！いいか・・・」

 

俺は自分の鼻を信じ、暖簾をくぐり言った・・・「ジャマするで～」

すると中から聞こえた・・・「ジャマするなら帰って～～！」

俺は言った・・・「はいよ～～！」

 

 

・・・って、そんな会話は一切なかったが

　　　（このフリをその内に、１回やってみたいのだが・・・）

 

とにかく中に入って俺は言った・・・「塩ら～めん下さい」

人のよさそうな５５歳くらいのおばちゃんが柔らかく答えた・・・「売り切れ～～！！」

 

・・・って、コラコラッ

そんな関西ノリ人間は居ませんから

ちゃんと優しく、「ありがとうございま～す！」と答えましたよ

 

奥に座ってる男性客は、マイペースでズルズルと「ら～めん」をすすっていた。

 

しばらくして・・・「塩ら～めん」が出来あがった。

 

コレです

 

　　　　　えっ？？

 

一瞬、スープの濃さに驚く俺・・・。。。

・・・でも美味そう

 

で・・・・・食べた。

 

 

 

　　　　　超・・・・・マズッ

 

　　　　　

 

　　　　　超しょっぱいし・・・

　　　　

 

「TSPとんこつ塩ら～めん」に品名変更だろ

　　　※TSP＝超しょっぱ

 

とてもじゃないが、食べきれん

身体を壊す勢いだった

で、店を出ようとした時だ・・・

奥に座ってたお客さんが・・・

 

　　　　　客　「ありがとうございました～！！」

 

　　　　　俺　「・・って、おまえ店の人間かよ」

 

と、心の中で完全一人ツッコミを入れた

奥に座って、ズルズルやってたお客さんらしかった人は、実は「店主」だったのだ

ったく、最初に、「いらっしゃいませ～」くらい言わんかいっちゅうねん

 

 

結局、衣装探しも調子が狂ってしまい中途半端で帰ってきてしまった

 

　　　【気をつけよう　　　塩ら～めんと　　　奥の客】

 

 

ほいたら