今晩は、 遅くからの日記を投稿します
近況報告から、
カニさんは全部で9匹です、今も砂利と水を新しいのに入れ替えしながら、
我 カニとたわむる *(ニヤ)*
今日の何の日は休みです。
昔話は*(困る)**(困る)**(困る)*
ページが余るから載せますネ、
福娘童話集より
ネズミの名作
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
このきっちょむさんの村の庄屋さんときたら、大がつくほどの骨董ずきです。
古くてめずらしいものは、どんなものでも集めて、人がくると見せてはじまんしていました。
ある日の夕方。
きっちょむさんが、庄屋さんの家へくると、
「おう、きっちょむさんか。よいところへきてくれた。おまえに見せたいものがある」
「また、骨董ですか?」
「まあ、そんな顔をせんと、とにかく見てくれ。なにぶんにも、天下に二つとない、りっぱな品じゃ」
そういって、庄屋さんは床の間から、いかにもとくいそうに、黒光りのする小さなほりものを持ってきました。
「庄屋さん。これはネズミのほりもんですね」
「さよう。生きておって、いまにもそこらを走りそうじゃろう。みごとなもんじゃ、左甚五郎はだしといわにゃなるまい。こんな名作を持っておるもんは、日本広しといえど、わしひとりじゃろう。
ワッハハハハ」
庄屋さんが、あんまりじまんするので、きっちょむさんは、つい、
「庄屋さん。じつは、こんなネズミのほりもんなら、わたしの家にも名人のほったもんがあります。そのほうが、ずっとようできております」
と、いいました。
庄屋さんは、じまんの鼻をへしおられたので、すっかりきげんをわるくして、
「おまえなんぞの家に、そんなりっぱなものがあってたまるかい!」
「いいえ、ありますとも。ちゃんとあります」
きっちょむさんも、こうなったら負けてはいません。
「わたしのは先祖代々の宝で、天下の名作です。庄屋さんのこんなネズミなんか、話になりません」
「なんじゃと! おまえの家などに、そんなものがあってたまるか! もしあるなら、わしに見せてみい。ここヘ持ってきて、見せてみい!」
「はい、あす持ってきますよ」
「きっとだぞ!」
「ええ、きっと持ってきますとも」
きっちょむさんは家に帰りましたが、きっちょむさんの家には、そんなネズミのほりものなどありません。
「これは、ちょいとこまったな。えーと、どうしようか。・・・待てよ。うん、そうそう。これはうまくいきそうだ」
ニヤリと笑ったきっちょむさんは、おくの部屋に入ると、障子をしめきって、なにかを、コツコツきざみはじめました。
じつは、じぶんでネズミの名作を作ろうというのです。
夜どおしかかって、朝日が部屋に差し込んできたころ、ようやく完成しました。
「できた。これで、庄屋さんを負かすことができるぞ」
きっちょむさんは、きざみあげたネズミを風呂敷につつむと、庄屋さんの家まで走っていきました。
「おはようございます、庄屋さん。これがきのう話した、わたしの家の宝ものです。名作です」
と、風呂敷から、いかにもだいじそうに、ほりものをとりだして、
「どうです。このネズミこそ、ほんものそっくりでしょう」
と、ひと晩かかってほりあげたネズミを、庄屋さんのまえにさしだしました。
「・・・? ぶぶぶーっ!」
庄屋さんは、思わずふきだしました。
「なにを笑いなさる。このネズミにくらベたら、庄屋さんのネズミなんぞは、はずかしゅうてそばヘもよれません。はよう持ってきて、くらベてごらんなされ」
「なんじゃと!」
庄屋さんは、さっそくじぶんのネズミを持ってきました。
くらベてみるまでもありません。
きっちょむさんのネズミは、しろうとの一夜づくり。
庄屋さんのネズミは、名人の作品です。
それでもきっちょむさんは、じぶんのネズミのほうがすばらしいと、ほめちぎりました。
「えーい。おまえといくらいいあっても、話にならん。和尚さんにでも、たちあってもらおう」
と、いうので、きっちょむさんは、
「よろしい。たちあってもらいましょう。だけど、ちょっと待ってくださいよ。ネズミを見わけるのなら、寺までいかずとも、ほれ、そこにおるネコのほうがよろしかろう」
「ネコ・・・。なるほど。では、ネコのとびついたほうが勝ちじゃ」
「はい。では、もしわたしのほうにとびついたら、庄屋さんのネズミは、いただきますよ」
「おお、いいとも、いいとも」
と、いうわけで、ふたりのネズミを床の間にならベて、ネコをつれてくると、これはビックリ。
ネコはいちもくさんに、きっちょむさんのネズミにとびつきます。
「あっ!」
庄屋さんが、ビックリするひまもありません。
ネコはネズミをくわえたまま、すばやく庭へとびおりて、どこかへいってしまいました。
「きっちょむの勝ちじゃ! 庄屋さん、やくそくどおり、このネズミはいただきますよ」
きっちょむさんは、床の間にのこった庄屋さんのネズミをつかむと、家ヘ帰りました。
そして、庄屋さんのネズミをつくづくとながめて、
「なるほど。こりゃ、りっぱなほりものじゃ。おかげで、家にも宝ものができたわい」
じつは、きっちょむさんがひと晩かかって作ったネズミは、ネコの大好物のカツオブシでつくったネズミだったのです。
*(びっくり2)* おしまい *(びっくり2)*
近況報告から、
カニさんは全部で9匹です、今も砂利と水を新しいのに入れ替えしながら、
我 カニとたわむる *(ニヤ)*
今日の何の日は休みです。
昔話は*(困る)**(困る)**(困る)*
ページが余るから載せますネ、
福娘童話集より
ネズミの名作
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
このきっちょむさんの村の庄屋さんときたら、大がつくほどの骨董ずきです。
古くてめずらしいものは、どんなものでも集めて、人がくると見せてはじまんしていました。
ある日の夕方。
きっちょむさんが、庄屋さんの家へくると、
「おう、きっちょむさんか。よいところへきてくれた。おまえに見せたいものがある」
「また、骨董ですか?」
「まあ、そんな顔をせんと、とにかく見てくれ。なにぶんにも、天下に二つとない、りっぱな品じゃ」
そういって、庄屋さんは床の間から、いかにもとくいそうに、黒光りのする小さなほりものを持ってきました。
「庄屋さん。これはネズミのほりもんですね」
「さよう。生きておって、いまにもそこらを走りそうじゃろう。みごとなもんじゃ、左甚五郎はだしといわにゃなるまい。こんな名作を持っておるもんは、日本広しといえど、わしひとりじゃろう。
ワッハハハハ」
庄屋さんが、あんまりじまんするので、きっちょむさんは、つい、
「庄屋さん。じつは、こんなネズミのほりもんなら、わたしの家にも名人のほったもんがあります。そのほうが、ずっとようできております」
と、いいました。
庄屋さんは、じまんの鼻をへしおられたので、すっかりきげんをわるくして、
「おまえなんぞの家に、そんなりっぱなものがあってたまるかい!」
「いいえ、ありますとも。ちゃんとあります」
きっちょむさんも、こうなったら負けてはいません。
「わたしのは先祖代々の宝で、天下の名作です。庄屋さんのこんなネズミなんか、話になりません」
「なんじゃと! おまえの家などに、そんなものがあってたまるか! もしあるなら、わしに見せてみい。ここヘ持ってきて、見せてみい!」
「はい、あす持ってきますよ」
「きっとだぞ!」
「ええ、きっと持ってきますとも」
きっちょむさんは家に帰りましたが、きっちょむさんの家には、そんなネズミのほりものなどありません。
「これは、ちょいとこまったな。えーと、どうしようか。・・・待てよ。うん、そうそう。これはうまくいきそうだ」
ニヤリと笑ったきっちょむさんは、おくの部屋に入ると、障子をしめきって、なにかを、コツコツきざみはじめました。
じつは、じぶんでネズミの名作を作ろうというのです。
夜どおしかかって、朝日が部屋に差し込んできたころ、ようやく完成しました。
「できた。これで、庄屋さんを負かすことができるぞ」
きっちょむさんは、きざみあげたネズミを風呂敷につつむと、庄屋さんの家まで走っていきました。
「おはようございます、庄屋さん。これがきのう話した、わたしの家の宝ものです。名作です」
と、風呂敷から、いかにもだいじそうに、ほりものをとりだして、
「どうです。このネズミこそ、ほんものそっくりでしょう」
と、ひと晩かかってほりあげたネズミを、庄屋さんのまえにさしだしました。
「・・・? ぶぶぶーっ!」
庄屋さんは、思わずふきだしました。
「なにを笑いなさる。このネズミにくらベたら、庄屋さんのネズミなんぞは、はずかしゅうてそばヘもよれません。はよう持ってきて、くらベてごらんなされ」
「なんじゃと!」
庄屋さんは、さっそくじぶんのネズミを持ってきました。
くらベてみるまでもありません。
きっちょむさんのネズミは、しろうとの一夜づくり。
庄屋さんのネズミは、名人の作品です。
それでもきっちょむさんは、じぶんのネズミのほうがすばらしいと、ほめちぎりました。
「えーい。おまえといくらいいあっても、話にならん。和尚さんにでも、たちあってもらおう」
と、いうので、きっちょむさんは、
「よろしい。たちあってもらいましょう。だけど、ちょっと待ってくださいよ。ネズミを見わけるのなら、寺までいかずとも、ほれ、そこにおるネコのほうがよろしかろう」
「ネコ・・・。なるほど。では、ネコのとびついたほうが勝ちじゃ」
「はい。では、もしわたしのほうにとびついたら、庄屋さんのネズミは、いただきますよ」
「おお、いいとも、いいとも」
と、いうわけで、ふたりのネズミを床の間にならベて、ネコをつれてくると、これはビックリ。
ネコはいちもくさんに、きっちょむさんのネズミにとびつきます。
「あっ!」
庄屋さんが、ビックリするひまもありません。
ネコはネズミをくわえたまま、すばやく庭へとびおりて、どこかへいってしまいました。
「きっちょむの勝ちじゃ! 庄屋さん、やくそくどおり、このネズミはいただきますよ」
きっちょむさんは、床の間にのこった庄屋さんのネズミをつかむと、家ヘ帰りました。
そして、庄屋さんのネズミをつくづくとながめて、
「なるほど。こりゃ、りっぱなほりものじゃ。おかげで、家にも宝ものができたわい」
じつは、きっちょむさんがひと晩かかって作ったネズミは、ネコの大好物のカツオブシでつくったネズミだったのです。
*(びっくり2)* おしまい *(びっくり2)*