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今晩は。

2008-08-05 23:00:00 | 日記
今晩は、 遅くからの日記を投稿します

近況報告から、 

カニさんは全部で9匹です、今も砂利と水を新しいのに入れ替えしながら、

我 カニとたわむる    *(ニヤ)*



      今日の何の日は休みです。

昔話は*(困る)**(困る)**(困る)*

ページが余るから載せますネ、

福娘童話集より


ネズミの名作



 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。

 このきっちょむさんの村の庄屋さんときたら、大がつくほどの骨董ずきです。

 古くてめずらしいものは、どんなものでも集めて、人がくると見せてはじまんしていました。

 ある日の夕方。


 きっちょむさんが、庄屋さんの家へくると、

「おう、きっちょむさんか。よいところへきてくれた。おまえに見せたいものがある」

「また、骨董ですか?」

「まあ、そんな顔をせんと、とにかく見てくれ。なにぶんにも、天下に二つとない、りっぱな品じゃ」


 そういって、庄屋さんは床の間から、いかにもとくいそうに、黒光りのする小さなほりものを持ってきました。

「庄屋さん。これはネズミのほりもんですね」

「さよう。生きておって、いまにもそこらを走りそうじゃろう。みごとなもんじゃ、左甚五郎はだしといわにゃなるまい。こんな名作を持っておるもんは、日本広しといえど、わしひとりじゃろう。

ワッハハハハ」


 庄屋さんが、あんまりじまんするので、きっちょむさんは、つい、

「庄屋さん。じつは、こんなネズミのほりもんなら、わたしの家にも名人のほったもんがあります。そのほうが、ずっとようできております」

と、いいました。

 庄屋さんは、じまんの鼻をへしおられたので、すっかりきげんをわるくして、
「おまえなんぞの家に、そんなりっぱなものがあってたまるかい!」


「いいえ、ありますとも。ちゃんとあります」


 きっちょむさんも、こうなったら負けてはいません。

「わたしのは先祖代々の宝で、天下の名作です。庄屋さんのこんなネズミなんか、話になりません」

「なんじゃと! おまえの家などに、そんなものがあってたまるか! もしあるなら、わしに見せてみい。ここヘ持ってきて、見せてみい!」

「はい、あす持ってきますよ」

「きっとだぞ!」

「ええ、きっと持ってきますとも」

 きっちょむさんは家に帰りましたが、きっちょむさんの家には、そんなネズミのほりものなどありません。


「これは、ちょいとこまったな。えーと、どうしようか。・・・待てよ。うん、そうそう。これはうまくいきそうだ」

 ニヤリと笑ったきっちょむさんは、おくの部屋に入ると、障子をしめきって、なにかを、コツコツきざみはじめました。

 じつは、じぶんでネズミの名作を作ろうというのです。

 夜どおしかかって、朝日が部屋に差し込んできたころ、ようやく完成しました。

「できた。これで、庄屋さんを負かすことができるぞ」

 きっちょむさんは、きざみあげたネズミを風呂敷につつむと、庄屋さんの家まで走っていきました。

「おはようございます、庄屋さん。これがきのう話した、わたしの家の宝ものです。名作です」

と、風呂敷から、いかにもだいじそうに、ほりものをとりだして、


「どうです。このネズミこそ、ほんものそっくりでしょう」

と、ひと晩かかってほりあげたネズミを、庄屋さんのまえにさしだしました。



「・・・? ぶぶぶーっ!」


 庄屋さんは、思わずふきだしました。

「なにを笑いなさる。このネズミにくらベたら、庄屋さんのネズミなんぞは、はずかしゅうてそばヘもよれません。はよう持ってきて、くらベてごらんなされ」

「なんじゃと!」

 庄屋さんは、さっそくじぶんのネズミを持ってきました。

 くらベてみるまでもありません。

 きっちょむさんのネズミは、しろうとの一夜づくり。

 庄屋さんのネズミは、名人の作品です。

 それでもきっちょむさんは、じぶんのネズミのほうがすばらしいと、ほめちぎりました。

「えーい。おまえといくらいいあっても、話にならん。和尚さんにでも、たちあってもらおう」

と、いうので、きっちょむさんは、

「よろしい。たちあってもらいましょう。だけど、ちょっと待ってくださいよ。ネズミを見わけるのなら、寺までいかずとも、ほれ、そこにおるネコのほうがよろしかろう」

「ネコ・・・。なるほど。では、ネコのとびついたほうが勝ちじゃ」

「はい。では、もしわたしのほうにとびついたら、庄屋さんのネズミは、いただきますよ」


「おお、いいとも、いいとも」

と、いうわけで、ふたりのネズミを床の間にならベて、ネコをつれてくると、これはビックリ。

 ネコはいちもくさんに、きっちょむさんのネズミにとびつきます。

「あっ!」

 庄屋さんが、ビックリするひまもありません。

 ネコはネズミをくわえたまま、すばやく庭へとびおりて、どこかへいってしまいました。

「きっちょむの勝ちじゃ! 庄屋さん、やくそくどおり、このネズミはいただきますよ」

 きっちょむさんは、床の間にのこった庄屋さんのネズミをつかむと、家ヘ帰りました。

 そして、庄屋さんのネズミをつくづくとながめて、

「なるほど。こりゃ、りっぱなほりものじゃ。おかげで、家にも宝ものができたわい」

 じつは、きっちょむさんがひと晩かかって作ったネズミは、ネコの大好物のカツオブシでつくったネズミだったのです。

       *(びっくり2)* おしまい *(びっくり2)*