先週、生徒さんのパソコンのトラブルで2件の出張サポートをさせていただきました。
パソコンを拝見して、経緯をお伺いしたところ、2件とも明らかにパソコントラブルを
装う偽広告をクリックさせ金銭を要求するいわゆる「サポート詐欺」のようでした。
幸い、金銭的な被害に至る前であることも分かりました。
1件は初めに画面右下にポップアップ画面(小画面)が出てきて、
「システムアラート ウイルスを削除するにはここをクリックしてください」
とのメッセージをクリックしてしまい、(本人さんは押したかどうか覚えていない
とのことでしたが、「新しい通知」画面にそのメッセージが残っていたため、
間違いなくクリックしていると思われる)、画面に何重にも警告画面が次々に出て
きてパニックになり、そこに書いてある電話番号に電話してしまったとのことでした。
電話に出てきた相手は、明らかに外国人で、向こうの指示に従い、パソコンの
リモート通信アプリ(カメラも作動)を起動させられたようですが、幸い犯人の
指示の日本語が分かりにくく、途中で「パソコンの先生に聞くからもういい!」と
言って電話とパソコンを切ったとのことでした。
もう一件も、Chromeの閲覧履歴を調べてみると、「セキュリティセンター」という
サイトの閲覧があったようで、閲覧中のサイトの広告をクリックしてこのサポート
詐欺サイトに誘導されたものと思われます。
この方の場合は、パソコンから大きなビープ音が鳴りだしたため、慌てて記載されて
いた電話番号に電話をかけたのですが、幸いにも繋がらなかったため、私の方へお電話
いただいたということでした。
いずれの方のパソコンにも、不正なアプリがインストールされた形跡はなく、ウィルスも
検出されなかったので、PCの再起動のみで詐欺サイトのメッセージを消すことができました。
ただ、電話がつながった場合、相手に電話番号を知られてしまっているので、
「今後ほかの形で詐欺電話がかかってくる可能性もあるのでご注意ください」と
お伝えしました。
いずれにしても、もしサポート詐欺画面等が出てきた場合には、以下の手順で対処してください。
①パソコンの不調を装う広告メッセージは絶対にクリックしない
②もしクリックして(意識せずに)、ビープ音や警告画面が出て来ても
絶対にそこに記載してある電話番号に電話しない!
※連絡先にはWindowsやMicrosoftと書かれているが当然偽物です。
③ビープ音や警告画面が出てきた場合は、ブラウザ(ChromeまたはEdge)またはそのタブを閉じる
ことができれば閉じる
④それができない場合は、Ctrl+Alt+Deleteでタスクマネージャーを起動し、
ブラウザ(ChromeまたはEdge)を選択して「タスクを終了」をクリックする
⑤それでもダメな場合は、パソコンをシャットダウンする。シャットダウンできない場合は
電源ボタン長押し(6秒以上)で強制終了する。
⑥その状態で専門家に相談する
またChromeの通知をオンにしておくと、Chromeを開かなくても画面右下にニュースや
広告のポップアップ画面が出てきて、その中には質の悪い広告も含まれることがあります。
よって、以下の手順に従いChromeの通知はオフにしておきましょう。
◆Chromeの通知をオフにする方法
<Windows10の場合>
設定→システム→「通知とアクション」でChromeの通知を「オフ」にする
<Windows11の場合>
設定→システム→「通知」でChromeの通知を「オフ」にする
最後に、国民生活センターの「サポート詐欺」被害対策を啓発するサイトを載せておきます。
具体的な事例がYouTubeビデオでも見られるので、次回の教室で一緒に確認しましょう。
◆国民生活センターの「サポート詐欺」被害対策を啓発するサイト
そのセキュリティ警告画面・警告音は偽物です!「サポート詐欺」にご注意!!
-電話をかけない!電子マネーやクレジットカードで料金を支払わない!-
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220224_2.html