やっと出会えた。
ファミリーマートの和風ツナマヨおにぎり。
あの騒動以来、ファミマに立ち寄る機会があれば おにぎりの棚を見る。
しかし、いつ見ても置いていない。
だが、騒動から一か月半、ようやく見つけた。
あの騒動。
元日に放送されたテレビのバラエティーの特番。
自分はふだん視聴していない番組だが、
企業が商品を用意し、その道のプロに審査してもらうという企画。
このときの企画はコンビニエンスストア各社が、
自社のおにぎりをプロの料理人に食べてもらい、
ジャッジしてもらうという企画だったらしい。
その際、ファミリーマートが用意したのが、
この自分が探していた、和風ツナマヨおにぎり。
審査員のひとりのイタリアンシェフ。
そのシェフが、見た目が気に食わないと、このおにぎりの試食を拒否し、
食べてすらもらえないと、ファミリーマートの開発担当者が涙する一場面があったと。
シェフの態度に不快感を抱いた視聴者が、このシェフに猛抗議。
SNS等で大規模な誹謗・中傷攻撃をしたうえに、グルメ情報サイトのレビューまで荒らす始末。
元旦早々大炎上してしまったイタリアンシェフ。
北京冬季五輪開幕で世間の関心が移行するまでの間、
およそ一ヶ月にも渡って騒動の話題が続いていた。
実際に番組を観ていないので、なんともいえないのが本当のところであるのだが、
個人サイトやyoutube等で概要をまとめた動画を観る限りは、
たしかにあのシェフの態度や発言は高圧的かつ尊大に見えて、すこぶる印象が悪い。
ただでさえ強面の顔で仏頂面でそれをやられると、印象の悪さは増大だ。
それに対し、同時に映る、涙するファミマの女性開発スタッフに感情移入したくもなる。
ああ・・・こりゃ確かに攻撃食らって炎上してしまうのも、やむなしだな・・・と思った。
強面のビジュアルで損していると思う。
言葉遣いはそれほど悪いようには思えなかった。
行き過ぎた抗議行動、シェフのSNSを荒らしたうえに、
レビューサイトでシェフの運営するレストランの評価点を意図的に下げる行為にまで及び、
このシェフの運営するレストランのサイトまで閉鎖に追いやられた。
あっという間の出来事だったようだ。
SNS社会の恐ろしさを物語っている。
ネチケットなんてワードを目にしなくなって久しい。
もはや死語かもしれない。
インターネット黎明期のマナーやモラルなど、SNSには通用しないようだ。
いや、むしろそういうのに縛られずに自由にやるのがSNSなのかもしれない。
だが、その枠を超えてしまって、SNSの個人攻撃や過激なバッシング、
やりたい放題が、ふつうのサイトや実生活にまで影響を与えるのはいかがなものか?
それほどまでにSNSに依存してしまった社会の方も問題なのかもしれない。
もっとよく番組のことを調べてみる。
見た目が気に入らず食べるのを拒否したシェフ。
だが、涙ながらに訴えるファミマ担当者や番組スタッフに懇願され、
しぶしぶひと口だけ食べたのち、ちゃんとジャッジして、
おにぎりの見た目を改善するためのアドバイスを送っていたという。
その際、涙したファミマの担当者に「ごめんなさいね。」と謝意も伝えてはいる。
番組の企画として成立しているし、
シェフは審査員として、しっかり責務は果たしている。
食べもせずにジャッジしようとしたのは個人的にはどうかと思う部分もある。
それにしてもこのシェフ、本場イタリアで修業。
ミシュラン三ツ星レストランで総料理長まで務めたような方。
あの伝説の料理番組、“料理の鉄人”で挑戦者として出演し、
中華の達人、陳健一を倒し、“イタリアンの鬼才”と称され一躍有名になった方だという。
小汚いプレハブみたいな店、汚らしい手ぬぐいを首にかけた大将、
欠けたどんぶり、加えてブサイクな見た目の料理だって、とびきり美味い店もある。
こじゃれた店構え,立派な器,料理の見てくれは良くても、
値段ばかりで たいして美味しくない料理もある。
だが、このシェフは「料理は味よりもまず見た目」主義なようで、
料理人も十人十色、こんな審査意見があってもなんら悪いわけではない。
ミシュランに認めらるようなレストランで腕を磨いたシェフなんだから、
そりゃ、コンビニのおにぎりを買うような一般市民とは
料理への考え方が かけ離れているであろうことは普通に考えれば分かる。
軽井沢のレストラン。
一日一組限定、4万円~のコース料理のみ。
コース料理は5時間近くに渡ってまったり供される。
メニューは全てイタリア語の筆記体表記。
ワインは料理に併せてセッティングされ、予め決められている。
予約は3年待ち。
もうね・・・住む世界が違うんですよ。
コンビニおにぎりやカップ麺食ってるようなわしらが、
ギャーギャー外野から何言っても仕方がないんですよ。
サッポロ一番みそラーメン食って、「ああ・・うめぇ!」って言ってるわしらが、
うまかっちゃんに、味玉と叉焼乗せて贅沢を感じるわしらが、
ブラックモンブランの袋に残った、クランキーを口に流し込むわしらが、
こういうシェフの態度や言うことに対して、目くじら立てることじゃないんですよ。
「ふ~ん、三ツ星シェフは着眼点が違うわ・・・。」
「コンビニおにぎりに、そんなコストかけられるかよ!」
「このひとの料理はさぞかしシズル感すげえんだろうな・・・。」
浮世離れした人の感性、世間離れした価値観、
一般庶民は そんなふうに、ボケーっと笑いながら観りゃいいんだよ。
そもそもの企画自体が破綻しているようにも思えなくもない番組。
真剣に観てもしょうがないだろうに・・・。
そんなふうに思いながら、
ようやくゲットできたファミマの和風ツナマヨおにぎりを食べる。
あの騒動がきっかけで品薄状態が続いていたのなら、
シェフに厳しく言われたものの、ファミリーマート側は良い宣伝になったってわけだ。
見た目は・・マットな煮しめ色のご飯に、しおしおの海苔。
・・・うーん確かにシズル感は低めかもしれない。
シェフが指摘していたように、コメのツヤやふっくら感がない。
ここらでよく売られているかしわおにぎりも、
ご飯がツヤツヤの方が美味そうに見えるのは確か。
味だよ味!
・・・ふつうかな。
ツナマヨおにぎりとしては、あまり好みでない味だった。
なんというか、ツナマヨが少ないうえに水っぽく感じた。
和風に味付けされたご飯との相性も微妙に感じた。
・・・だが、こんなものなのかも。
食べたとき、シェフが指摘したとおり、
シズル感低っ!って思ったが、こうして見たら そうでもないかも。
具のツナマヨは好みじゃなかった。
もっとしっかりツナツナしていて欲しい。
“和風”だからなのか、味にパンチもなかった。
コンビニおにぎり、昼飯を食う時間がないときによく利用する。
だが、運転しながらピッとセロファン剥して、
バクバクと3~4口で食べきる。
おにぎりをまじまじ眺めることもなければ、
ゆっくり味わって食べることもない。
自分のなかでコンビニおにぎりってそういう商品なんだよな。
なので、炎上シェフみたいに多くは求めないし、
コンビニ側が目指そうとしている改良や品質向上も求めていない。
シェフに過度に攻撃している連中のように、ムキになったりもしない。
なのでこの騒動が、あほらしく感じられるのかもしれない。
まあ、わしは安くて美味けりゃなんでもいいや。
ドラゴンクエストⅩに登場するモンスター、クラウンヘッド。
渦中の炎上シェフに似てるな~と思う。
見れば見るほど似てる・・・自分だけかもしれんけど。
このシェフ登場前は、クラウンヘッドはテコンドー協会の元会長に似てると思っていた。
つまり強面で仏頂面のひとはクラウンヘッド顔。
コンビニおにぎりは時間がないとき、パパっと食べるような存在。
売る側も買う側も、そこまで求めるような商品じゃないと思うんだけどな。
「ジョブチューン」の炎上シェフはどうすればよかったのか?本当の評判とは?
https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/entertainment/dailyshincho-813045
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