昨年から県内で話題になっている、ご当地ソフトクリームを紹介したい。
その名も、“石炭ソフトクリーム”!
すぐ近所に昨年オープンした、道の駅いとだ(おじゅごんち市場)で販売されているのだが、
なかなか食べる機会がなかった。
かつて産炭地として栄えた福岡・筑豊。
なかでも飯塚・田川・直方の三都市は、筑豊三都と呼ばれ
財閥の参入によって無数の炭坑が開発されて、最盛期には日本一の採掘量を誇った。
小倉の八幡製鉄所と共に、近代産業を支える要となった。
全ての炭坑が閉山して40年近く経つ今でも、
ボタ山はじめ、煙突、櫓、専用の線路や架橋跡など、
筑豊のあちこちに、その産業遺跡を見ることができる。
昨年はまた、元坑夫だった、飯塚市出身の山本作兵衛氏が、
炭坑での作業風景や、炭坑に生きる者たちの生活を、
詳細な説明文入りで描いたイラストが、ユネスコの世界記憶遺産に登録された。
その作品の多くを所蔵している田川市はじめ、
筑豊地区はその日本初の快挙に沸いている。
そんななか、よりいっそう注目を浴びだしたのが、
この“石炭ソフト”なのである。
昨年のデビューからその存在は知っていたものの、
今回、ようやっと食べることができた。
店の前のパネルや、ポスターなどで確認できていたから、
真っ黒だというのは判っていた。
が、きれいなおねえさんに手渡されたソフトクリームの実物は、
さらに漆黒でテラテラと黒光りしているのだ。
知っていたとはいえ、その黒さに少し驚いてしまう。
食べてみると、ふつうのビターチョコテイストで、けっこう美味しい。
ただ、舌触りは気にならないが、歯触りがちょっとザラつく感じ。
ラムネなどに含まれる、デンプン程度のものだが。
これはソフトクリームに練り込まれた、竹炭のせいだろう。
この黒色、チョコでもなければイカスミでもない。
竹炭によって、真っ黒にされている。
竹炭に、どんな効果があるのか知らないのだが、美容と健康にいいらしい。
食べ終わると、口のへりと唇が黒ずんでしまうので、女性は注意が必要。
お歯黒にはならないので、ご安心を。
ドラキュラアイスみたく、舌が真っ黒に染まることもない。
衣類を汚しかねない小さい子どもには、はじめから与えない方が吉。
まあこれは、石炭ソフトに限ったことではないが。
道の駅の物産販売所では、石炭ソフト以外にも、
産炭地・田川をイメージして、黒色の商品がたくさん販売されていた。
石炭ソフトを売っているお店では、これまた真っ黒な、“石炭たこ焼き”も売っていた。
いくつか購入したので、載せてみる。
食パン
ウインナー
うどん麺
クッキーやドーナツ、スコーンなど、お菓子系は充実していた。
どれも竹炭配合で黒色にされてあり、
地元 田川市郡や飯塚市などの業者が製造している。
炭坑閉山後、ヤクザと生活保護不正受給者ばかりが増長し、
犯罪ばかりで悪いイメージしかない地域。
そんなうす汚れた筑豊に嫌気がさして、故郷を離れた十数年前。
大人になって地元へ戻ってきても、相変わらずな筑豊。
作兵衛フィーバーがいつまで続くか判らない。
だが、これを機に、ドス黒く腐敗しきった筑豊が、
鮮やかに輝く黒色で、少しでも“まとも”になって活気づいて欲しい。
まあ・・・ムリなんだろうが。
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