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よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

メアリと魔女の花

2017-07-17 00:42:58 | 映画

先日、仕事帰りに映画を観てきた。

アニメ映画、“メアリと魔女の花”だ。

原作はイギリスの作家、メアリー・スチュアートの児童文学、“小さな魔法のほうき”。

監督はジブリアニメ、“借り暮らしのアリエッティ”,“思い出のマーニー”の米林宏昌氏。

スタジオジブリを退社し、スタジオポノックとしての第一作品。

キャッチコピーは、“魔女、ふたたび。”

 

 

映画館で特報の映像を観たのは、もうずいぶん前。

昨年末頃からチラシも置かれ、予告編も観られるようになり、

ジブリの最新作か~。

まーた魔女モノかよ!

魔女好きだなジブリは!

なんてふうに思ってスルーしていたが、なんだかちょっと面白そう?

これは久しぶりに当たりジブリか!?

 

しかし、公開直前になってジブリ作品でないと気付く。

なんでもジブリを退社した人の、第一作だとか。

アニメ業界の事情に明るくないので、この米林監督のことは知らなかったし、

スタジオジブリ内で数年前にあった、経営のゴタゴタとかも知らなかった。

 

ジブリアニメは嫌いじゃない。

ナウシカ~千と千尋あたりまでは面白かった。

劇場まで足を運んで観たのは、高畑勲監督の、かぐや姫の物語のみ。

ハウルの動く城から、宮崎アニメはつまんなくなって、

ポニョが決定打になり、まるっきり興味もなくなった。

宮崎駿長編作品ラストと謳った風立ちぬも観なかったし、

宮崎監督じゃないが、ゲド戦機や借り暮らし,コクリコ坂,マーニー,レッドタートルもスルー。

 

 

そんなジブリを去った方が作った、このメアリと魔女の花。

リストラされたのか?

宮崎・高畑両氏と袂を別ったのか?

ジブリそのものに嫌気がさしたのか?

真相は知らないけれど、そんな方の作った作品なので俄然興味がわいてきた。

いや、そんな裏事情は置いといて、予告編だけで単純に面白そうだ。

そんなわけで、公開されてすぐに鑑賞してきた。

 

 

赤い館村の大叔母(大竹しのぶ)の家に越して来た少女、メアリ(杉咲花)。

好奇心旺盛で天真爛漫、明るい少女だが、不器用で空回りして失敗ばかり。

それに、赤毛のクセっ毛にそばかすと、自身の容姿にコンプレックスも抱いていた。

数日後に新学期を迎え、この村で転校生として新たなスタートを迎える。

だが、まだ友達も居らず、仕事の都合で両親も越してきておらず、

大叔母や家政婦のバンクス(渡辺えり)に家事の手伝いを請うが、断られるばかり。

引越の片付けもままならないまま、ひとり退屈な毎日を過ごしていた。

 

 

そんなある日、黒猫に導かれるようにして森へと入るメアリ。

森の奥で青く光る、美しく珍しい花をみつける。

その花を摘んで持ち帰り、庭師のゼベディ(遠藤憲一)に見せる。

花の名前は、“夜間飛行”。

七年に一度しか花を咲かせないという幻の花。

長年庭師をやっているゼベディも、実物を見たのは初めてだという。

 

その花は、“魔女の花”とも呼ばれる禁断の花。

かつて魔法の国から盗まれた幻の花。

その夜間飛行の力と、同じ場所で見つかった古びたほうきによって、

メアリは魔法の世界へと迷い込んでしまう。

 

 

メアリが迷い込んだのは、魔法使いを養成するエンドア大学。

夜間飛行の力によって、自覚してはいないが、高い魔力を身に付けたメアリ。

そんなメアリを歓迎する、大学の学長、マダム・マンブルチューク(天海祐希)と、

魔法科学を研究する、ドクター・デイ(小日向文世)のふたり。

魔力の高さもさることながら、赤い巻き毛の容姿は最高の魔女の証であると、

メアリがこれまでコンプレックスに感じていた容姿が、褒めちぎられ称えられる。

メアリはマンブルチュークから大学の入学申込書を手渡され、そのまま帰宅する。

  

 

その夜、村の少年、ピーター(神木隆之介)が行方不明だと騒ぎになる。

ピーターの自転車だけが、森の入口で見つかったという。

霧の深かったこの日、森へ入ってはいけないとされていた。

初対面でピーターから、赤毛をからかわれていたメアリ。

そんなピーターと日中出会って口論となり、メアリは森へ入っていった。

その後を追って森へ入ってしまったのか?

 

自分のせい・・・そう思ってピーターの身を案じるメアリ。

そのとき、マンブルチュークがホログラム?になって現れる。

既にメアリが魔女ではなく、魔女の花によって魔力を得ていたのだと気付いていた。

ピーターは人質としてマンブルチュークがさらっていた。

返して欲しくば、手に入れた魔女の花、夜間飛行を持ってこいと言う。

 

メアリは意を決して、ピーター救出に向かう。

マンブルチュークとドクター・デイは、魔女の花を使って、

長年の研究が結実する、悲願が達成できると興奮していた。

彼女たちは世界の平和と人々の幸福になると信じ込んでいたが、

その実態は、恐ろしくおぞましいものだった。

魔女の花を使って、最後の実験が行われる。

その実験台は・・・!

 

夜間飛行の力で、一日だけ魔女の力を手に入れたメアリ。

そんな恐ろしい計画を知らないまま、ピーターを助けるため、

マンブルチュークに言われたとおり、夜間飛行を用意してエンドア大学へと急ぐ――。

 

 

うーん・・・継ぎ接ぎだらけのジブリ作品だった。

面白くないわけじゃないけれど、とくにひねりもなく感動もなく。

ナウシカ,ラピュタ,たぬき合戦,耳をすませば,もののけ姫,千と千尋,ポニョ,それとやっぱり魔女の宅急便。

これまでのジブリ作品を思い起こさせる場面が多々あって、

ジブリに長年居た監督が、純粋に敬意を表してか?

オマージュとして意図して作中にそんなシーンを入れたのだろうが、これが多すぎてあざといくらい。

もし無意識でこんなんなってんだったら、この監督オリジナリティが弱いのかもしれない。

 

原作がどんなだか知らないので、

脚本でどこまでストーリーが変わっているのか判らないが、

物語の流れ自体は、まあまあ面白い。

たが、ストーリーのテンポや展開に難があって、イマイチ入り込めない。

魅力的なキャラクターに、魔法大学での面白い描写の数々。

にも関わらず、ワクワクもドキドキもない。

これは単純に子ども向け作品ってことなのかもしれない。

 

 

主人公のメアリが純粋にかわいくて健気で好感が持てた。

今作のマスコットキャラ、二匹の猫ティブとギブもかわいい。

魔法大学の二人も、ラピュタのムスカのような、純然たる悪ってわけじゃなく、どこか憎めない。

なんだかんだで、決してつまんないわけじゃない。

子どもと観るぶんには、じゅうぶんだろう。

大人ひとりで観るようなものじゃあないな。

 

声優の一部がいただけない。

ジブリの悪しき慣習をそのまま継いでいるのか?

それともジブリに限らず、昨今のアニメ映画の当たり前になってしまったのか?

今回もメインキャラクターに、本職の声優さんではなく、俳優をあてがっている。

メアリ役の杉咲花や、ピーター役の神木隆之介には文句ない。

マダム・マンブルチューク役の天海祐希も良かった。

最悪だったのが、ゼベディ役の遠藤憲一。

老人キャラの容姿に全く合わない低くて若過ぎる声。

さらに感情のない強弱のない棒読みときた。

ドクター・デイ役の小日向文世も違和感。

こちらもやはり、老人キャラには合わない声。

この二人だけはミスキャストとしか思えない。 

 

 

俳優が声優に向かないとは一概には言えない。

もののけ姫のエボシ役の田中裕子,ジコ坊役の小林薫や、

千と千尋の湯婆婆役の夏木マリ,釜爺役の菅原文太,

かぐや姫の翁役の地井武男など、すばらしくフィットしたものもあった。

俳優さんだから、その多くは声優もできると思う。

だが、向き不向きとは別に、どうしても理解に苦しむキャスティングがあるのも事実。

オファーではなく、しっかりオーディションして決めてもらいたい。

 

公開されてまだ間もない。

これから夏休み、楽しみにしている子ども達も多かろう。

子どもと楽しむぶんには問題ないので、親子鑑賞にはオススメ。

良くも悪くも、安定した往年のジブリ作品であることは間違いない。

ただ、アニメファンだったり、ジブリファンだったりする方には難ありかもしれない。

自分のような、にわかジブリファンでさえ、新鮮味のなさが気になったくらいなので、

アニメに詳しい方が観ると、もっと辛口評価になると思う。

 

メアリと魔女の花のコラボパッケージのリプトンティー。

販売元の森永乳業はスポンサーらしい。

同社のアイスクリーム、パルムのテレビCMでも、メアリと魔女の花のキャラクターが登場していた。

パルムといえば寺尾聡だったのに・・・。

 

 

 



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (けい)
2017-07-18 12:22:37
武さん、こんにちは

このアニメ、ジブリ作品だと思ってましたが、
ジブリじゃないんですね~
絵柄とかまんまだしジブリ作品だと思ってる人多そうですね。

自分もラピュタとかルパン三世とか
昔のジブリ作品は好きですが、
最近のは……
最後に映画館で見たのは紅豚だったかな?

やっぱり声優を使わないのは許せないですね……
昔の作品では普通に声優さん起用してたのに……
有名人起用するのは客寄せ?
声優はアニメ知らない人にとってはその辺弱いのですかね……
演技のできる人なら問題ないですが、
「棒読み」の人は頂けないです……
最近のジブリは棒読みのイメージしか……

あと宣伝に力入れすぎ?
悪いとは言えないですが、
「ぽにょ」の時のマインドコントロールかよ?!
と思わせるCM攻勢でジブリ作品に嫌気が……
返信する
フィオよりジーナ派なんだけど、なかのひとがバアさんなのが・・・ ()
2017-07-18 22:42:53
Keiさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
 
大人の事情でジブリアニメではないというだけで、
どっからどう見ても、完全にジブリアニメでした。
この監督さん、20年もジブリに居て、
宮崎・高畑両氏の元で制作していたそうで、
骨の髄までジブリがしみ込んでしまったようです。
ご本人もインタビューで、そんなことをおっしゃっていました。
「ジブリの呪い」とまで表現していて笑いました。
 
別の映画のインタビューだったと思いますが、
「宮崎氏の元では人が育たない」と、
エヴァンゲリオンの庵野氏が語っていたのを覚えています。
これはいい意味で言った発言だったと思いますが、
別の捉え方をしても、あながち間違いではないなと、
このメアリと魔女の花を観て思いました。
長年ジブリに居たことで、
この監督自身が持っていたであろう、アイデンティティが消されたんじゃないかと。
まあアニメ素人の自分の率直な意見なんで、的外れでしょうけどね。
 
声優に関してですが、ジャニタレやらアイドル,
お笑い芸人とかを起用するのは、大方は客寄せでしょうね。
あとはスポンサー側の意向もあると思われます。
それ以外で旬の俳優さんなんかを起用するのは、
話題作りもあるでしょうが、本当に期待してオファーしてるんじゃないかなと思っています。
さすがに台無しにされる恐れもあるんだから、
ジブリ(ジブリじゃないけど)クラスのアニメ制作陣が、
安易に客引きだけでオファーするとも思えないんですよね。
ただ、キャラクターの声のイメージが、
観客の抱くものと、
制作側の抱くものとが乖離しているとしか思えませんけどね・・・。
 
紅の豚ですか、当時高校生で、間違えて“虹の豚”って覚えてました。
友人から観に行こうと誘われたんですが、
「なんだよ“虹の豚”って、つまんなさそうじゃん!」って断った記憶が・・・。
大人になってから観たのですが、あれは傑作のひとつですね。
森山周一郎さんの声のシブさがたまりません。
 

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