よろず戯言

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アイの歌声を聴かせて

2021-11-07 00:07:25 | 映画

 

またまたアニメ映画を観に行った。

吉浦康裕 監督のミュージカル・アニメ作品、アイの歌声を聴かせて。

吉浦監督の長編アニメ映画オリジナル作品。

キャッチコピーは、“ポンコツAI、約束のうたを届けます。”

 

 

予告編で観て、面白そうだと思い公開されてすぐ観に行った。

正直言うと、ちょっと絵柄に抵抗があった。

なんというか、40半ばのおっさんが観るアニメ絵ではない。

女子高生が主人公というのもある。

映画オリジナルの長編アニメって、ジブリとかディズニーの作品を除いたら、

8割くらい女子高生が主人公のような気がしないでもない・・・。

 

ジブリアニメの宮崎絵とか、ディズニーとかの洋モノ絵だと、

大人でも抵抗なく観れる雰囲気なのだが、

こう昨今のアニメキャラデザはなんだか抵抗がある。

庵野秀明監督とか細田守監督とか、新海誠監督とか、あの辺でギリ。

アニメをまったく観ないひとからすりゃ、どれも一緒だろ?

って思われるかもしれないが、いや違うのよこれが。

そこまでアニメおたくじゃないから明確に説明できないけれど違うのよ。

 

多少の抵抗はあったものの、ストーリーが面白そうなので観ると決めた。

人型ロボットに搭載されたAIが、実際に高校生活を送り、

そこでクラスメイトを巻き込んで大騒動を起こす・・・そんなあらすじだったかな。

だが、それに気づいた友達が、人間じゃなくAIだと知りつつも、

いつしか心通わせ友情が生まれ・・・悪いやつから守る・・・?

短い予告編ではそんなイメージだった。

 

 

最先端のAI技術を研究・開発する大企業、星間エレクトロニクス。

その星間の研究所もある景部市は、

市と星間が提携し、AIの実験都市として、

市民の生活のさまざまな場面にAIを駆使した、最先端技術が取り入れられていた。

 

景部高校に通うサトミ(福原遥)は、母親と二人暮らし。

帰宅の遅い母に代わって家事をこなす。

食事はもちろん、母のスケジュールを確認しながら、

帰宅時間やそのときの天気や気温に合わせて、

家じゅうの家電や設備のAIに指示してゆく。

 

 

母の美津子(大原さやか)は、星間のエンジニア。

シングルマザーでありながら、実はAIチームのリーダーを務めている。

美津子の研究は世界でも高い評価を受けており、今のポジションを手に入れた。

さらに世界を驚かせるような研究を続け、極秘裏に計画を実行する。 

その計画とは、AIを人型ロボットに搭載し、

そのまま人間としてバレないようにふるまわせるという実験。

少女型のロボットにそのAIを搭載し景部高校に編入させ、

教諭や学生らにバレることなく学校生活をさせるというもの。

プロジェクトの期間は5日間。

この間バレずに通せたら実験は成功。

 

しかしAI規制法という法違反ギリギリの実験。

もし途中でバレたり、トラブルが発生した場合、

それ相応の処罰は免れない。

チームメンバーや上司がそれを憂うなか、

美津子は「全責任は私が負う!」と断言して実験を開始する。

 

実験開始前夜。

サトミは母のスケジュールを確認する。

そのなかに、AI実験のプロジェクトが表示され、

ひとりの少女の写真が映し出される。

AIを搭載した実験ロボットだった。

 

 

翌日、サトミのクラスに転校生がやってくる。

前日の夜、母のスケジュールにあった、あの少女だった。

少女の名前は、芦森詩音(土屋太鳳)。

担任の紹介も終わらないうちに、サトミの姿を見るや教壇から飛び出し、

サトミの席の前に立ち、いきなり問う。

「サトミ、今、幸せ?」

 

 

あっけにとられるサトミとクラスメイトたち。

サトミが幸せでないと悟ると、突如歌いはじめる詩音。

天真爛漫な性格の詩音。

ことあるごとにサトミに絡んでは、「幸せ?」と訊いてくる。

詩音の正体を知りつつも、その意図が判らないサトミは詩音を遠ざけようとする。

だが、母のプロジェクトを失敗させたくはない。

学校で何をしでかすか判らない詩音から目が離せなくなってしまう。

 

 

サトミは学校に友達が一人もいない嫌われ者だった。

付けられたあだ名は、“告げ口姫”。

屋上で喫煙していた生徒を告げ口したのがきっかけで付けられた あだ名だ。

その件以来、多数の生徒から嫌われのけ者扱いされていた。

それを知ってか知らずか、詩音はサトミに引っ付いてくる。

 

そうして、詩音が引き寄せたかのように、

サトミをもっとも嫌っていた、派手なクラスメイトのアヤ(小松未可子)や、

その彼氏(アヤと喧嘩中)で、クラスいちの人気者のイケメン、ゴッちゃん(興津和幸)、

ゴッちゃんの友人でもある、柔道ひと筋の熱血男子、サンダー(日野聡)。

そして、サトミと同じく友人の少ない陰キャラのAIおたく、トウマ(工藤阿須加)。

 

 

サトミ,アヤ,ゴッちゃん,サンダー、そしてトウマ。

詩音は、とある“命令”に愚直な性格から、突拍子もない行動ばかり。

この5人を巻き込みながら、大騒動を巻き起こしてゆく。

そして星間のなかには、サトミの母、美津子の出世をよく思っていない者が居て、

実験を成功させまいと、詩音を狙う―。

 

 

面白かった。

というか、ミュージカルアニメだとは知らなかった。

タイトルがそんなだったけれど、それだけでミュージカルだとは思わない。

ただ、ミュージカルといえど、ディズニーのそれとは異なり、

あくまでも歌うのはAIロボットの詩音のみ。

 

 

いちおう他の主要キャラも歌うには歌うのだが、

詩音に引っ張られて歌う、或いは仕方なく歌うような恰好で後半のワンシーンのみ。

本気で熱唱するのは、詩音と劇中劇アニメのキャラクターのみ。

町ゆく人や教室のモブキャラも参加して、みんな突然 歌い踊り出すなんてことはない。

その役を担っていたのが、AIが搭載されていたのであろう、

お掃除ロボットや、照明器具、防犯センサーやカメラ、発電機、自動車etc・・・。

詩音の歌に合わせて、これらが動き、光、音を出し、イルミネーションまで灯す。

 

それすら、詩音が操作、或いは個々のAIに指示しているような描写。 

なので、ミュージカルというには不完全というか、中途半端。

だが、これもミュージカルだからといって、突然キャラが歌いだすのを、

日本のアニメファンが受け容れないのを解かっていての演出なのだそう。

詩音がAIで、空気が読めないから歌いだすのも、それなら納得できるし、

そのAIがまた、なぜよく歌をうたうのかもラストに明かされ、

しっかりと伏線が回収され、いろいろと整合性が合う。

そう思うと、なるほどよくできた作品なんだと唸ってしまった。

 

 

ストーリー全体で観ると、どこかで観た読んだ感が否めない。

よくある青春群像劇。

古くは宮沢りえ主演の実写映画、ぼくらの七日間戦争。

最近だと、それこそついこないだ観たばかりの、竜とそばかすの姫

性格も雰囲気も異なる学生たちが、一致団結して戦うという構図がそれっぽい。

 

それとちょっとネタバレになるけれど、少しだけドラえもんも連想してしまった。

未来のひ孫(だったっけ?)が、のび太の人生を変えるために送り込んだお手伝いロボット。

今回のAIもなんとなくそんなところがあった、

本来 陰キャラでクラスのマドンナ、しずかちゃんなんかと結ばれるはずもないのに、

ドラえもんのチート道具でそうさせてしまう・・・。

かたや、クラスの嫌われ者とはいえ、頭脳明晰で容姿端麗なサトミ。

そのサトミと・・・だからね。

いくら幼馴染とはいえ、あんなストーカー野郎・・・どうも納得いかない。

キャラデザがもっと当たり障りなければよかったのだろうが、

露骨に根暗で不潔っぽいから・・・。

 

 

とはいえ、面白い作品だった。

子どもでも小学校高学年以上ならば観て理解できるはず。

中高生くらいがジャストかな?

悪いやつはあからさまに人相もしゃべり方も悪い。

登場したときから、紛うことなく悪人だと判るレベル。

FFⅦの宝条を思い出した。

そしてそのイメージを裏切らない。

ひねりや意外性がないから逆に楽しめた。

 

 

大人はアニメファン以外は、劇場まで足を運ぶほどじゃないかもしれないが、

地上波で放送されるとも思えないので、気になるひとは観ておくべし。

美少女アニメっぽいけれど、実写のSF映画好きでも観て楽しめると思う。

 

ちょっとした戦闘シーンもあり、登場するメカニックがそこそこかっこいい。

それもそのはず、メカニックデザインは明貴美加氏。

最後のスタッフロールでその名前が出たとき驚いた。

ガノタならピンとくる名前のはず。

安彦良和さんと同じく、どっちが姓でどっちが名前だか判らないひと。

ドーベン・ウルフ,ゲーマルク,クィンマンサは傑作デザインだと思う。

劇中に登場する星間製の一輪バイク、

ドラクエⅩのドルボードプリズムに、これに そっくりなのあったな・・・。

 

ただ、あくまでもミュージカル・アニメなので、それを前提として観るべし。

じゃないと、イルミネーションとか花火やらの演出とかに面食らってしまうだろう。

 

タイトルが“アイの歌を聴かせて”なのに、

うたうロボットの名前は詩音(しおん)。

まあ、みんなそう思うだろうが、

AIのローマ字読みと「愛」とをかけているんだろう。

「聴かせて」の部分は終盤に判る。

 

 

今回も主要キャラの声優に、何人か俳優さんが充てられていたが、

自分は特に気にならなかった。

最初は美少女アニメっぽいなあと抵抗があったが、

観てよかった。

詩音はかわいい。

サトミもかわいい。

アヤは・・・かわいいけれど性格がちょっと。

実はサンダーがお気に入り。

あんな大門五郎みたいな実直な学生、今どきいないだろうな。

 

 

芦森って苗字は、たぶんアシモから来たな・・・?

ふつうに田植え機使った方が効率良いだろう?

クボタ,ヰセキ,ヤンマー、ナメんな。 

・・・と、田植えロボットにツッコむのはナシで。

水着に着替えるとき、腹部の継目どうしたん?

・・・ってツッコミもナシで。

 

そういや、ディズニーだかのポンコツロボットのアニメも公開されているな。

ベイマックスというか、ウォーリーというか、二番三番煎じ感が否めない。

ポンコツロボットと少年のハートフルストーリーみたいだ。

こっちは、小さい子と一緒なら観てもいいかなって映画。

おっさんひとりでは さすがにね。

 

ゲームにもロボット少女はたくさん登場する。

思いつくもので、ロックマンシリーズのロールちゃん。

64の隠れた名作、ワンダープロジェクトJ2のジョゼット。

FFⅣのカルコ・ブリーナのブリーナ・・・はロボットじゃなくて人形だったっけ。

あとは、スマブラで知った、ゼノブレイド2のハナ。

 

ホムラ/ヒカリのステージ、アルストの雲海の背景に、主人であるトラとともにランダムで登場。

手足バタバタさせてよく解らない動きをするが、これがいちいち かわいらしい。

JCモードだけはないのね。

 

 

 



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