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映画と渓流釣り

親友との別れ方「マイ・ブロークン・マリコ」

昨日まで、ついさっきまで一緒にいた友人を嘘のように事故で亡くした事がある
小学四年生の時幼馴染を川で、高校二年生の時はバスケ部のチームメイトを山で
ふたりとも一人きりで誰にも知れずこの世から消えてしまった

突然放り出されたその感情を結局整理できないまま大人になって、人が死ぬことがよく分からず近しい人を見送るこの歳になってしまった
わたくしの場合、ふたりとも自然の中で抗えない事故死だったから空虚な喪失感の中にもなんとなく納得できる気持ちもあったけど、この映画のように友人が自死を選んでしまったらどこに気持ちを置けば良いのだろう

情緒不安定な若い女性の自死なんて、よっぽどの尾鰭がつかなけりゃニュースにさえならないこの時勢だけど、その死を選択するまでの生き様は短いからこそ家庭環境(大人の都合)に左右されているはずだ
この映画は子供の時から一緒に大人になった友人シイちゃんからの目線を通して、壊れてしまったマリコの呆気ない人生を俯瞰する。見送るために北の海に辿り着くくだりは凡庸だけど、オヤジしかいない漁師町の居酒屋で突如叫び出すシイちゃんの感情はしっくりと受け止められた

生きていく事を難しく考えなくても良い人(シイちゃん)は、腹が減れば列車が動き出す前に口一杯に飯を掻き込むし、陰膳の牛丼だってコメ一粒残さず平らげる。明日も生きて行くことに疑問がないから
それ故に自ら死を選ぶ人(マリコ)が抱える心を汲み取ることは簡単じゃない
わたくしにはそんな貴方たちを救い出すことはできそうもないので、神様へは周りにその様な人を配置しないで欲しいとそう願う

マリコが手紙に残していった言の葉は明らかにされなかったけど、シイちゃんが嬉しそうに読んでいるその姿に安堵した
どんな別れ方であれ、最期までマリコは親友を忘れることはなかったんだ


ホントのこと言えば、女流監督の狭い世界観で描かれる作品が苦手で、永野芽郁と奈緒の共演じゃなきゃ観なかったと思う。若手女優陣の中でも常に注目しているふたりだったから楽しみだった
芽郁ちゃんはデビュー当時から可愛がってきたからなんだか複雑な喜びだよ。そりゃ大人になっていくんだよね
奈緒の演技力は充分評価していたけど、顔中に痣をこさえて空虚を彷徨う目には寒気を覚えた




こんなオマケ貰ったけど、誰が行くんだろう?
寂しい海岸だったからチョット逆効果になりはしないかと、そんな心配をしてみる



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