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映画と渓流釣り

ヴェンダース 木漏れ陽の日々をエッセイに


東京の下町に住む男性を観察しながら、ヴェンダースが東京という街のエッセイを綴った作品


夜明けとともに起きて、公共トイレの清掃を仕事とする彼の毎日は、側から見れば同じ事の繰り返しでしかない平凡さだ

でも、彼にとっての毎日は、大木の下に芽吹いた若芽との出会いがあり、誰とも知れない置手紙の主との文通もある

休日にはコインランドリーで洗濯をして、文庫本を選び小料理屋の女将の手料理と歌を味わいに行く

若い仕事仲間の想い人からキスされたり、家出してきた姪っ子との束の間の生活や、女将の元旦那との影踏み

彼の一日は完璧な物語で日々綴られていく







わたくしの毎日も似たようなことの繰り返しの中で、微妙に今日だけの特別を生きている


東京都心にある木々から漏れる陽の光を慈しむようなこの映画は、ヴェンダースの日本人に対する愛に溢れていた

今年最後になるだろう映画鑑賞がこんなにも優しい作品だったことに感謝



おまけ
全編通じて懐メロ洋楽が流れるんだけど、居酒屋女将(石川さゆり)歌う朝日のあたる家は絶品
今度の紅白で歌ってほしい





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