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映画と渓流釣り

色々な家族の中には浅田家も


中野量太監督の新作家族映画。
「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」と良質な家族映画を観せてくれていたので、大変期待していた。今回もやっぱりドップリ家族が描かれるんだけど、今までと違うのは主軸の浅田家ばかりじゃなくて色々な家族が記念写真と共に語られたことだ。それはそれで感動的なエピソードも多く(脳腫瘍の子供を抱えた虹の家族、津波でお父さんを亡くした少女の家族とか)その都度涙もんだけど、その分浅田家の家族愛が薄まってしまうように思えた。

後半部分は東北の震災で泥まみれになった写真の復元に尽力する姿が描かれ、あの時そんな風に自衛隊や消防警察の捜索隊が写真(アルバム)を扱ってくれていたんだと改めて感謝し、あんな風に被害者へ寄り添うボランティアもいたのかと思い知らされた。ただそれが映画作品としてどうかと言えば、否定的な評価になってしまう。
浅田家の家族物語と、震災による写真復元のお話は別々にした方が主題がはっきりして、もっといい映画になったと思う。そこの部分が残念だった。

菅田将暉スゲーと思ったのが、ひ弱そうなボランティア青年を演じる彼が本当に近所の影薄い青年にしか見えなかったところ。二宮和也は確かに味ある役者の素質はあると思うけど、やっぱりスーパーアイドルのニノから抜け出せない。写真復元のボランティアもただの良い人になっちゃって、前半のいい加減な他人たらしとしてのキャラが死んでしまっている。やっぱり、本物の役者は違うのだ。
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