映画と渓流釣り

神様のカルテ

 原作は続編も含めて本屋大賞BEST10にランクインしてますので、物語は誰しもが感動できるつくりなのだと思います。医療モノは警察(刑事)モノや学園モノと同じくらい題材にしやすいのは周知の如く。それだけに出色でないと陳腐になってしまいますし、わざわざ映画にする必要性の説得力を見出せなくなるという事です。

 さて、本作は果たして映画にする意味があったのでしょうか?
わたくしにはTVドラマで充分としか感じられませんでした。と、言いますか、連続TVドラマの方が良かったのではないかとさえ思うのです。信州の美しい風景を描写するのも中途半端でしたし、そのスケール感を伝えられてもいませんでした。大画面で魅せる仕掛けは出来ていないのですから、小さなモニターでも何の不足はありませんよね。
 物語りも散漫でした。
若いひとりの地方医療に携わる医師の心の成長を描くのが本題であります。医の根幹として大学病院と一般病院のどちらを選ぶべきか?そこでそれぞれに活躍する医療従事者の奮闘。死を見つめながら最期を迎える人々の幸せとは何か?カメラマンの妻との夫婦関係や不思議な同居者との交流も、この主人公の成長には大事なファクターであるはずです。製作者の意図するところは十分分かるのですが、これまた中途半端なのです。冗舌なのですが伝わってこないのです。脚本演出演技どれも今ひとつ。60点のギリギリセーフといったところでした。加賀まりこは美しさと品格を感じさせて流石の一言。榎本明や宮崎あおいの存在感は安定してます。宮崎あおい、何時の間に奥さん役がピッタリになったのでしょう。可愛らしい少女だったのに・・・
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