映画と渓流釣り

氷の花火 山口小夜子は何者?

今、逢ってみたい日本の美


最初に断っておきますが、この作品の監督松本貴子は子供の頃から一緒に8mmフィルムで映画もどきを作って遊んでいた仲間です。
だからと言って口あたりの良い感想を書くつもりはありません。ダメな物はダメと評価して置かないと、映画を観る審美眼が曇ってしまいますもの。それだから信じて欲しいのですが、一言「良い映画でした」と皆さんにお勧めしたいのです。
山口小夜子という人物にどれ程寄り添えるかが、ドキュメンタリーにしようと考えた松本監督の力量なんだと思いました。そしてそれは観ている我々にもしっかり伝わってきました。監督と名古屋の初日上映後酒を呑みながら色々話したのですが、作品の中でも語られていたお話しで印象的なのは、小夜子さんは無類の長電話の人だったというエピソード。やっぱり松本監督も例外では無く、そのお相手をしてたみたいです。夜の8時頃から始まった電話は明け方まで続くのだそうです。ある日、電話の呼び出しがあったのだけど、どうしても外せない用事があり早々にお断りをしたのだそうですが、その事があってから幾ばくもないうちに小夜子さんは逝ってしまったと、それが今でも心残りだと言ってました。表では山口小夜子を演じなければならなかった人が、自宅で一人でいる時には素の山口小夜子になれたのでしょう。だから饒舌に飾らない自分をアピールできる唯一の時間だったのかもしれません。本当はパッチリした大きな目を、切れ長に見せる事で創り出した山口小夜子の違う側面をわたくし達は知る事ができました。
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