べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

太陽が絵をえがけとぼくを脅迫する|わきあがる感情とむきあう

2009年11月16日 | 社会
 写真は、フィンセント・ファン・ゴッホの自画像(じがぞう)。1889年、36歳のときの作品。ゴッホのうしろには、日本の浮世絵(うきよえ)がかざられています。

 ゴッホは、1853年オランダの牧師(ぼくし・キリスト教伝道の責任者)の家に生まれます。1853年は「一夜ゴミだらけペリー来航(らいこう)」で、江戸時代末から明治時代のころです。

 美術商のおじさんのところで働き、牧師として貧しい人々のなかでも働きますが、うまくいきませんでした。1885年には「じゃがいもを食べる人々」など農家の生活をえがき、そこに受け入れられたいという願いがあらわれています。

 ゴッホにとって絵をかくことは、美しい売れる絵をかくことではなく、自分のわきあがる感情をかたちにすることでした。

 1888年には南フランスのアルルで画家のゴーギャンと共同生活をし、太陽の黄色もあざやかな「ひまわり」「アルルのはね橋」「ゴッホの寝室」などをかきあげますが、ゴーギャンとはけんか別れしてしまいます。やはりうまくいかない。

 写真の自画像はそのころの作品です。美しいものや立派な人物ではない、うまくいかず失意(しつい)の自分自身をかいたのです。
 
 こんな作品は売れない。売れないけれど、おなじ境遇(きょうぐう)にあるだれかの感情をゆさぶります。宮沢賢治もおなじように作品は売れませんでした。

real[りーぁる]本当の、本物の、現実の(形容詞)

 だれかの感情をゆさぶる「リアル」とは、特別な体験や能力からではなく、自分自身とむきあうことでも生まれます。

 続きます。(塾長) 


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