せいけん【政権】
政策(せいさく)を実行し、その組織(そしき)を動かす権力。「—をにぎる」
わたしたちの「日本国政府」も、日本史の天皇を中心とする「朝廷(ちょうてい)」や将軍が中心の「幕府(ばくふ)」も、それぞれ政権組織です。
政権に重要なのは、税を徴収(ちょうしゅう)する権利とその仕組みです。これは現代でも変わりありません。どんなに武力が強くともおカネがなければ、できることってあまりありませんからね。支配地域がせまかったり、一時的な革命や反乱や政変には欠(か)けるチカラです。
また税を徴収するため、農業などに使う土地をだれが管理するのか、その「制度」も重要になります。
りつりょう【律令】
朝廷の法律と命令の制度
しょうえん【荘園】
朝廷がみとめた土地制度
ほうけんせい【封建制】
日本では、土地をなかだちにした将軍と御家人(ごけにん)の仕組み。「ご恩」と「奉公(ほうこう)」
朝廷が任命する国司(こくし)・郡司(ぐんじ)そして幕府が任命する守護(しゅご)・地頭(じとう)は、徴税(ちょうぜい)や警察や裁判をになう政権の役職です。政権に最も重要なのは、税を徴収する権利とその仕組みなのです。
[政権による時代分け]
古代→中世→近世→近代→現代
古代:
[大和朝廷→奈良時代→平安時代]
天皇と貴族の中央政権。「律令制★」「荘園制★」、朝廷が任命する「国司☆」「郡司☆」
中世:
[鎌倉時代→室町時代]
朝廷と幕府の二重支配。律令制と荘園制は続き朝廷の国司と郡司に、封建制幕府の「守護☆」「地頭☆」が並立
近世:
[安土桃山時代→江戸時代]
将軍と御家人中心の武士による中央政権へ。「織田信長★」「豊臣秀吉★」から江戸幕府へ。朝廷の権力は幕府に制限される
[中世ってつまんない]
歴史雑誌や歴史番組で人気といえば戦国時代と江戸時代おわりの幕末(ばくまつ)ですね。さまざまなヒーローが活躍し、なにより『倒すべき相手』が存在します。戦国なら『室町幕府』幕末なら『江戸幕府』、それぞれ政権とその仕組みです。これまでの巨大な権力に立ち向かう、これからの時代のヒーローたち。ものがたりとして燃ゆるじゃなかですか!
その点「中世」はつまんない。日本の中世はおおまかに「鎌倉時代」と「室町時代」。鎌倉幕府と室町幕府のパッとしない将軍たち。ぐだぐだでつまんない。
[世はまさに大海賊時代!]
中世は朝廷と幕府の二重支配の時代。どちらにどうついていくのか、支配される側も自由な「自力救済(きゅうさい)」の世界なのです。
「悪党」「下剋上(げこくじょう)」「惣村(そうそん)」「寄合(よりあい)」「町衆」「土一揆(どいっき)」「国一揆」…
『農業』とそこで余分にとれた生産物を売る『商業』が発達するのも「中世」です。住民が村や町のことを自分たちで決めまとめていく『自治(じち)』も進みます。農器具と肥料の新しい農業技術。貨幣(かへい)経済が広がり金融(きんゆう)が発達。村や町にさまざまな芸能や宗教も生まれます。←ここ!ポイント!★
自力救済。鎌倉室町の「中世」って支配される側のほうがアツイ時代なのかもしれません。
自力救済は私的な暴力や犯罪も絶(た)えません。強い者が勝ち弱い者は泣く。国全体を安定させたい政権は、自力救済をおさえるため警察や裁判の仕組みを集中しと整え(ととの)えていきます。これが「中央集権」です。安土桃山や江戸時代、近世そして近現代へと政権と仕組みがふたたび集中していきます。
続きます。(塾長)
心眼で見えぬのなら教えてやる(1)|歴史はながれで見えてくる
歴史学習のながれをつかめ!|明治維新のまとめかた(1)
政策(せいさく)を実行し、その組織(そしき)を動かす権力。「—をにぎる」
わたしたちの「日本国政府」も、日本史の天皇を中心とする「朝廷(ちょうてい)」や将軍が中心の「幕府(ばくふ)」も、それぞれ政権組織です。
政権に重要なのは、税を徴収(ちょうしゅう)する権利とその仕組みです。これは現代でも変わりありません。どんなに武力が強くともおカネがなければ、できることってあまりありませんからね。支配地域がせまかったり、一時的な革命や反乱や政変には欠(か)けるチカラです。
また税を徴収するため、農業などに使う土地をだれが管理するのか、その「制度」も重要になります。
りつりょう【律令】
朝廷の法律と命令の制度
しょうえん【荘園】
朝廷がみとめた土地制度
ほうけんせい【封建制】
日本では、土地をなかだちにした将軍と御家人(ごけにん)の仕組み。「ご恩」と「奉公(ほうこう)」
朝廷が任命する国司(こくし)・郡司(ぐんじ)そして幕府が任命する守護(しゅご)・地頭(じとう)は、徴税(ちょうぜい)や警察や裁判をになう政権の役職です。政権に最も重要なのは、税を徴収する権利とその仕組みなのです。
[政権による時代分け]
古代→中世→近世→近代→現代
古代:
[大和朝廷→奈良時代→平安時代]
天皇と貴族の中央政権。「律令制★」「荘園制★」、朝廷が任命する「国司☆」「郡司☆」
中世:
[鎌倉時代→室町時代]
朝廷と幕府の二重支配。律令制と荘園制は続き朝廷の国司と郡司に、封建制幕府の「守護☆」「地頭☆」が並立
近世:
[安土桃山時代→江戸時代]
将軍と御家人中心の武士による中央政権へ。「織田信長★」「豊臣秀吉★」から江戸幕府へ。朝廷の権力は幕府に制限される
[中世ってつまんない]
歴史雑誌や歴史番組で人気といえば戦国時代と江戸時代おわりの幕末(ばくまつ)ですね。さまざまなヒーローが活躍し、なにより『倒すべき相手』が存在します。戦国なら『室町幕府』幕末なら『江戸幕府』、それぞれ政権とその仕組みです。これまでの巨大な権力に立ち向かう、これからの時代のヒーローたち。ものがたりとして燃ゆるじゃなかですか!
その点「中世」はつまんない。日本の中世はおおまかに「鎌倉時代」と「室町時代」。鎌倉幕府と室町幕府のパッとしない将軍たち。ぐだぐだでつまんない。
[世はまさに大海賊時代!]
中世は朝廷と幕府の二重支配の時代。どちらにどうついていくのか、支配される側も自由な「自力救済(きゅうさい)」の世界なのです。
「悪党」「下剋上(げこくじょう)」「惣村(そうそん)」「寄合(よりあい)」「町衆」「土一揆(どいっき)」「国一揆」…
『農業』とそこで余分にとれた生産物を売る『商業』が発達するのも「中世」です。住民が村や町のことを自分たちで決めまとめていく『自治(じち)』も進みます。農器具と肥料の新しい農業技術。貨幣(かへい)経済が広がり金融(きんゆう)が発達。村や町にさまざまな芸能や宗教も生まれます。←ここ!ポイント!★
自力救済。鎌倉室町の「中世」って支配される側のほうがアツイ時代なのかもしれません。
自力救済は私的な暴力や犯罪も絶(た)えません。強い者が勝ち弱い者は泣く。国全体を安定させたい政権は、自力救済をおさえるため警察や裁判の仕組みを集中しと整え(ととの)えていきます。これが「中央集権」です。安土桃山や江戸時代、近世そして近現代へと政権と仕組みがふたたび集中していきます。
続きます。(塾長)
心眼で見えぬのなら教えてやる(1)|歴史はながれで見えてくる
歴史学習のながれをつかめ!|明治維新のまとめかた(1)