時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

求めているのは賢い野党だ。

2021年12月01日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の13)」
求めているのは賢い野党だ。(野党第一党の代表選挙)

昨日(11月30日)投開票が行われた、
野党第一党・立憲民主党のトップを決める代表選挙で、
候補者4名のなかでは、共産党との連携に最も遠いとされる候補者が選ばれた。

ここらあたりが、この政党の方向性がいまいちハッキリしないところだと思うが、
前代表の下で政調会長を務めており、共産党との連携にも深く関与していることから、
方向性をがらり一変させるのは・・・ 難しいのではなかろうか?

政権選択を賭けた政界秋の陣(総選挙)で、野党共闘で政権交代という甘い夢に酔い痴れ、
共産党の票を強請(ねだ)って、禁断の果実を口にした結果、
躍進すると云われていた事前予想に反して、野党第一党は議席を減らしてしまい、
窮地に立たされてしまったトップが・・・ 引責辞任に追い込まれている。

その戦いは、勝者なき戦いだったとも評されていたが、
敗者が存在しなかったのかといえば・・・ それは違うだろうと言わざる得ない。

だれが見ても分るとおり、この国は保守的な考えを持つ人々が、
老若男女を問わず、過半数以上を占めている。

右か左の選択で、どちらかに迷ったら、右に行く有権者が多い国民性で、
是々非々を強調する第三局が表れたら、投票先を迷っている者の代弁者として捉えられ、
そこに票が流れるのは・・・ 自明の理である。

その結果は、スキャンダルと揚げ足取りは、メディアと週刊誌に任せることになり、
政策の推進においては・・・ 見直しを経て前に進むことになるので、
まさに結果オーライであり、国民にとって悪いことではない。

9月に行われた自民党総裁選では、コロナ対策、経済対策、外交・安全保障、モリカケ再調査、
さらには憲法改正など・・・ かなり突っ込んだ論戦が展開されたため、メディアも注目したが、
野党第一党の代表選では、この国をどうしたい的な激論は、殆ど見当たらなかった。

候補者の全員が・・・ 具体性を欠いた精神論に終始し
大変申し訳ないが「いまごろそれを言う?」的なことの繰り返しばかりで、
喋る人が入れ変わっても、喋ってる内容が変わらないんだから、
正直なところ、有権者にとって興味のないものになってしまった。

コロナ対策や、身近な生活に対する政策は、国民にも分かり易いが、
経済対策、外交・安全保障、憲法改正などの難しい政策については理解しがたい部分があり、
それを議論をとおして分かり易く述べ合ったのが自民党総裁選挙で、勉強になっったが、
野党第一党は、そこんところを殆どすっ飛ばしているのだから、申し訳ないが違いが分らなかった。

まさにそこんところが・・・ 政権選択の総選挙でも、肝の部分だったと思うが、
野党第一党のトップは、70年代から80年代の労働組合の幹部が、
集会で感情あらわに訴えていたのと同じ口調で、響きの良い精神的な言葉を並べただけで、
ただただ悲壮感を漂わせながら、支持を訴えるだけだった。

その結果は、共産党というタニマチや、パトロンの支援があったにも拘わらず、
総選挙で議席を減らしているのに、
今回の代表選挙では・・・ 政策論で丁々発止の論戦を繰り広げることなく、
皆が微妙に言葉を変えた精神論が中心だから、よほど話すことがないのだろうと思う。

国民が最も聞きたかったのは・・・ 先の総選挙で立憲共産党と揶揄されたことへの対応であって、
これからも、共産党と協力関係であり続けるのか否か?

まずは、そこからスタートしなきゃ、次なる方向性が見えてこないのに、
候補者4名は、極めて歯切れが悪いコメントを、ダラダラ繰り返すばかりで、
まさに・・・ 言語明瞭で意味不明である。(かつて、そのように揶揄された総理もいた。)

保守的な考えを持つ候補者は、
なぜ「共産との選挙協力はやめよう。」と訴えないのか?

また・・・ 共産との連携に熱心な候補者は、
なぜ「共産との閣外協力の何が悪い。」と開き直らないのか?

前代表が辞任する引き金になったはずの・・・ 大きな大きな宿題について、
なぜ、それをハッキリと答えを出さなかったのだろうか?

「庇を貸して母屋を乗っ取られる。」っていう方に向かって行くことは、

容易に想像がついていたはずなのに・・・ 新代表を含む、野党第一党の幹部は躊躇することなく、
禁断の果実を口にしてしまった。

そして・・・ 共産党から貰った票で、小選挙区を接戦を勝ち上がった議員たちは
もう元には戻れなくなってしまっている。

普通に考えて、一緒に選挙を戦った政党だったら、選挙に勝ったら政権に入るだろう。
「限定的な閣外からの協力」と云っても・・・ いったい、だれがそんな言葉を信用するだろうか?
一緒に戦ったが、政権には入れないなんて、大変申し訳ないが・・・ あり得ないし、
選挙協力と政権は別物といった詭弁が通用するほど・・・ 相手(共産党)はやわじゃない。


その証拠に・・・ 共産党幹部は代表選挙の前日に記者会見し、
代表選挙を牽制しながら、総選挙での協力関係について、

「国民に対する公約だ。」
「選挙区で立候補を取り下げる決断をした。」
「私たちは引き続き両党間の合意を誠実に遵守していく。」
「立憲民主党にも、そのことを強く求めたい。」と総選挙での貸しを念押している。

また、中国外務省の報道官は、11月25日の記者会見で、
人権問題で北京冬季オリンピックの外交的ボイコットを求める声が、我が国にあることについて、
「中国は既に、日本の東京オリンピックの開催を全力で支持した。」
「日本は基本的な信義を持つべきだ。」とカメラを睨み付けながら、恫喝とも取れる発言をした。

これが野党第一党の中で、レフトスタンドに陣取る方々が大好きな・・・ 共産党である。
平たく言えば「俺たちの言うことを聞け!」ではなかろうか?
もし、言うことを聞かなければ・・・ いったいどうなるのか?
お隣の大陸が、いまなにをしようとしているのか・・・ それをみれば分るだろう。

私は共産主義という考え方や、思想があることまで否定するつもりはないし、
大陸の方々や半島北部の方々が、その方が良くて不満がないなら、
それはそれで致し方ないし、外からとやかく言うことではないと思っている。
(もちろん、拉致問題を解決してからのことだが・・・ )


この国では、いかなる思想信条であっても法に触れなければ、活動も発言も自由である。
よって、共産党を支持する方々の一票によって・・・ 国会に議席を持ち、発言することも、
さまざまな意見に耳を傾けるといった視点では、とっても大事なことであり、
まずは聞くと行った姿勢を示すべきだとも思っている。

とはいえ・・・ 私は同党を支持するつもりは全く持ってなく、一票を投じることもないし、
同党が政権の一翼を担うなんて恐ろしいことは・・・ 考えたくもない。
よって、共産党と手を結んで政権を担おうとする政党は、
支持するに値しない政党であると思っている。(あくまでも個人的な思い。)

成熟した議論が出来る、野党第一党であってほしいと願うが・・・ この先どうなるのだろうか?
民主党政権時代に、辺野古問題で社民党が離れ、消費税で旧自由党が離れ、
民進党に看板を掛け替えてからは、小池都知事の人気を頼って、三度目の看板変更を目論んだが、
憲法や安全保障で選別(排除)され・・・ 真っ二つに分裂してしまったんだから、
今後も政策の違いなどで分裂を繰り返すことは、必然の流れかもしれない。

昨日の代表選をライブ中継したのはNHKだけだった。
民放はライブ中継をすることなく・・・ 結果の速報のみだから、
残念ながら、国民にとって注目すべき必須の代表戦でなかったことは確かだ。

新たな代表には期待し、頑張ってもらいたいと思うが、
まず、真っ先にやってほしいことがあるとすれば、

同党の幹部や元総理が、SNSを使って繰り返し発信し続けている、
おバカなつぶやきに、
ブレーキをかけることだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

上から目線で、まるで他人事のような、ブーメラン必至のつぶやきが、
どれほど政治の劣化に、影響を及ぼしているのか、
それが分っているのであれば、
まずはそこから着手することをお勧めしたい。

また、党内のレフトスタンドに陣取った勢力が言う「話せばわかる。」は、
確かに理想だと思うが・・・ この国の周辺のどこに、お花畑があると言うのだろうか?
外交や安全保障に見識のない方々に、この国の舵取りを任せられる訳がない。

タラタラと・・・ 愚痴っぽいことばかり書いてしまったが、
強い野党なんて、要らないのである。
賢い野党を求めているのである。

天下国家の運営に、成熟した考えを持ち、
外交や安全保障に見識を持った・・・ 賢い野党を求めているのだ。

さて、どうなる野党第一党
期待は薄いが・・・ しばらくは、見守るしかないのだろう。

追伸
思うままに、一気に書き殴ってしまったので、文中に不愉快な表現があったとしたら、
大変申し訳ないが・・・ 年寄りの戯言として、ご容赦願いたい。


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