和紙を作る家に嫁いだ嫁のブログ

今どきの和紙事情。

先日、新しい楮畑の有害鳥獣除けの柵が完成しました。




柵が完成するまで何度も畑に通い、その度、紙漉き作業をストップさせなくてはならない事に、

やりきれない気持ちになる事もありました。


『原料の栽培から製品作りに至るまで』

一貫した和紙作りにこだわるあまり、

楮畑の整備や楮の世話に、時間や手が取られ、
 
紙漉きや製品作りの為の時間がじゅうぶん取れない…

私たちここまでして、楮の栽培にこだわる必要があるのだろうか?…と悩み、壁にぶちあたる事も多くありました。


しかし、昨日、原料問屋さんからの一本の電話で、今、和紙業界で起こっている原料事情を知り、

自分たちが、今、行っている和紙作りには間違いがない事を確信しました。


原料問屋さんの話は、次のような事でした。

国内産の楮は、原料不足が続いていて、

近年、問屋さんにさえ入らなくなっている。

その原因のひとつは、農家さんの高齢化で作り手が減っていること。

そして、もうひとつの大きな原因は、問屋さんを通さず、直接農家に買い付けに行ったり、行政を使って、独占的に楮を買い占めている産地が有るから


との事でした。

その結果、国内産の楮がほとんど出回らなくなり、

国内産の楮が手に入らない漉き元さんは、外国産の楮を使うしかなくなってきているそうです。


このまま行くと、限られた漉き元でしか、国産楮で和紙を作ることが出来なくなります。


私たちは、原料の楮を代々栽培してきたお陰で、

質、量とも心配する事なく、純粋な和紙を作り続ける事が出来ます。


うちの和紙を待って頂いているお客様には、いつも遅れ遅れで大変申し訳ないのですが、

純粋な和紙をお届けする為に、欠く事の出来ない栽培作業にも、誠心誠意取り組み、

皆さんに喜んで頂ける和紙をこれからも作り続けたいと思います。

やっぱり私たち、間違っていないですよ、ね?
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