傷物語 西尾維新 講談社BOX
吸血鬼モノに併せライトノベルにおけるハーレム設定まで踏み込んだ(両方ともだけど逆かなぁ)ナイスな意欲作に違いはないのだが、それより翼と暦の遣り取りがアレコレ語ろうなんて読み方を吹き飛ばしてくれるくらい読み応えある内容。
「いや、特に考えてないけどーーそういう非日常に期待しちゃう年頃なんだよね。吸血鬼と会って、ちょっとおしゃべりしてみたいかなってーー」
「ざけんなよ!」
そして思わず。
そんな風に、怒鳴ってしまった。
あ、と思う。
失敗してしまった。
状況・事態を受け入れているつもりが羽川の言葉一つで動揺する暦は携帯のアドレス帳から羽川さんの名前・番号・メールアドレスを本人の前で消去して、ドラマツルギーとの決戦に向かう。
といっても、本音を思わず見せてしまっては賢い羽川さんを欺くことなど(それこそ幸いにも)叶わない。愚直で単純、誠実なドラマツルギーを再生能力の差で圧倒すると体育倉庫からずっと離れたグラウンドを挟んだ向こう側になる校舎の陰に十歩ほど寄り、校門を乗り越えてきた羽川を確認。
「気付くのが遅れて、ごめん」
と言葉を続ける羽川の強さに謝り・お願いするため頭を下げ、
「僕と友達になってください」
事情を理解した翼さんは直ぐに使える新品の下着や学園異能バトルのコミックをお年玉で立替えてくれたり、廃墟の部屋の掃除もかって出て、暦が捨てたはずのものをキスショットが拾ってて見てしまったり。対エピソードにおいては霧の性質を利用したアドバイスをしたり、負傷しても吸血鬼の血の治療効果により救われたり(不意に意識を取り戻すとおなかを愛おしく頬ずりされてたり)。いつも制服なので裏切り者と呼ばれたり、聖人並に怖いと表現されたりしてしまった結果、自虐的な言葉を使い暦に気を遣いながら自重しようとする。と暦から
「いや、お前にできることはある」
しっかり見つめて、
「待っててくれ」
「・・・・・・・・・・・・」
「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」
上手く行く保証などないのにおかしいかもしれないけど待ってて欲しいと告げる暦は
「またお前とおしゃべりできることを、僕は心から楽しみにしている」
「・・・・・・おおっと」
一歩下がって、でも楽しそうな目をして
「ピピピ、 ピピピ、 ピピピ」(ときめいた音:本人談)
この後も楽しい翼と暦の名場面はいろいろあるのだけれど、ここまでで羽川さんが予感を確信に捉えなおし、ゆっくり育むだろうを想像する状況に至った説明に十分であろうかと。だから、あの電光石火という表現に納得し、電灯下の立ち位置を変えさせた(羽川翼の)強さにこの上なく改めて感動してしまう。
ということで掘り尽くされた鉱脈と表現する作者の吸血鬼ジャンル(だけではなくライトノベルに、しばし見受けられる設定)への挑戦ついての感想などは機会があれば(ですが挑戦を確認するだけでも読む意義があると書きたくなる出来の良い果敢なチャレンジが横たわってますので皆様自身の目で確かめて頂いた方が早いでしょう)。
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傷物語 (講談社BOX) | |
西尾維新 | |
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吸血鬼モノに併せライトノベルにおけるハーレム設定まで踏み込んだ(両方ともだけど逆かなぁ)ナイスな意欲作に違いはないのだが、それより翼と暦の遣り取りがアレコレ語ろうなんて読み方を吹き飛ばしてくれるくらい読み応えある内容。
「いや、特に考えてないけどーーそういう非日常に期待しちゃう年頃なんだよね。吸血鬼と会って、ちょっとおしゃべりしてみたいかなってーー」
「ざけんなよ!」
そして思わず。
そんな風に、怒鳴ってしまった。
あ、と思う。
失敗してしまった。
状況・事態を受け入れているつもりが羽川の言葉一つで動揺する暦は携帯のアドレス帳から羽川さんの名前・番号・メールアドレスを本人の前で消去して、ドラマツルギーとの決戦に向かう。
といっても、本音を思わず見せてしまっては賢い羽川さんを欺くことなど(それこそ幸いにも)叶わない。愚直で単純、誠実なドラマツルギーを再生能力の差で圧倒すると体育倉庫からずっと離れたグラウンドを挟んだ向こう側になる校舎の陰に十歩ほど寄り、校門を乗り越えてきた羽川を確認。
「気付くのが遅れて、ごめん」
と言葉を続ける羽川の強さに謝り・お願いするため頭を下げ、
「僕と友達になってください」
事情を理解した翼さんは直ぐに使える新品の下着や学園異能バトルのコミックをお年玉で立替えてくれたり、廃墟の部屋の掃除もかって出て、暦が捨てたはずのものをキスショットが拾ってて見てしまったり。対エピソードにおいては霧の性質を利用したアドバイスをしたり、負傷しても吸血鬼の血の治療効果により救われたり(不意に意識を取り戻すとおなかを愛おしく頬ずりされてたり)。いつも制服なので裏切り者と呼ばれたり、聖人並に怖いと表現されたりしてしまった結果、自虐的な言葉を使い暦に気を遣いながら自重しようとする。と暦から
「いや、お前にできることはある」
しっかり見つめて、
「待っててくれ」
「・・・・・・・・・・・・」
「新学期、あの学校で。僕のことを待っててくれ」
上手く行く保証などないのにおかしいかもしれないけど待ってて欲しいと告げる暦は
「またお前とおしゃべりできることを、僕は心から楽しみにしている」
「・・・・・・おおっと」
一歩下がって、でも楽しそうな目をして
「ピピピ、 ピピピ、 ピピピ」(ときめいた音:本人談)
この後も楽しい翼と暦の名場面はいろいろあるのだけれど、ここまでで羽川さんが予感を確信に捉えなおし、ゆっくり育むだろうを想像する状況に至った説明に十分であろうかと。だから、あの電光石火という表現に納得し、電灯下の立ち位置を変えさせた(羽川翼の)強さにこの上なく改めて感動してしまう。
ということで掘り尽くされた鉱脈と表現する作者の吸血鬼ジャンル(だけではなくライトノベルに、しばし見受けられる設定)への挑戦ついての感想などは機会があれば(ですが挑戦を確認するだけでも読む意義があると書きたくなる出来の良い果敢なチャレンジが横たわってますので皆様自身の目で確かめて頂いた方が早いでしょう)。
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