→♂♀←_no.8_2012:実習海賊船

実習海賊船_コスプレ見習海賊（第五章）笹本祐一　朝日新聞出版

	ミニスカ宇宙海賊3 コスプレ見習海賊 (朝日ノベルズ)
	朝日新聞出版

プリンセス・アプリコット号の襲撃営業を無事済ませた白凰女学院ヨット部構成海賊に現部長から前部長連れ出しの依頼が。モーレツ(アニメ)の原作を読み始めるあたり、一番楽しみにしていたエピソードである。

ドリトル運輸が最初の乗っ取りをしているだけあって、ジェニー前部長の宇宙大学の入学試験パスを祝うだけ祝って、運輸会社を支配するドリトル一族はジェニーの進学を認めず、既定の縁談話を進める。とりあえずは治外法権が保障されている大学星系内に彼女を連れて行き、宇宙大学の学生になれば、当面の時間稼ぎができるという方針の基、ヨット部員の総意でアドリブ仕事が実施されるという展開です。おもしろそうでしょう！。

チアキちゃんが心配係をしてくれるおかげで、思いっ切り良い係を担当できる茉莉香がチアキちゃんにはちょっとお腹が痛いっと言ったり。ハロルド・ロイド保険組合のショウさんと茉莉香の真剣な勝負な遣り取り、だからこそ、一見その遣り取りを無意味にするかのジェニーの脱出劇は実は契約を結ぶ重みをより読者に伝える効果をもたらしたり。そこに、最新鋭の偵察機・サイレント・ウィスパーの登記関係の書類を当たり前のように渡す依頼主がいたり。そんなしたたかな癖に、ジェニーとリンは再会の喜びを素直に表したり。茉莉香なりに、しっかりした負けの定義にそれほど分が悪くないという判断を下しながら、油断しないよう勤めたり。ジェニーの勝ちの条件の一つがジャバウォッキーの参戦であったり。ヤヨイやアイちゃんの頑張りで高笑いに成功したり。グリューエルが交渉のコツを伝授したり。それぞれの役割を懸命に果たさんとする姿勢や明確な目的や望みに対する態度は読んでいて心地よいです。
だから、
「だったら、こっちも堂々と跳んでいきましょう。もし方針変更するなら、ジェニー先輩にこの宇宙船に乗り込んでもらって話を聞いてからでも充分間に合います（p234）」
という場面はかなりお気に入りです。

というより、宇宙大学絡みのストーリイを期待・希望！。

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