〇 Androidスマホの「容量が足りない」問題、データ削除とクラウド活用を進めよう。
多くのスマホのストレージ容量は、64GBか128GB。使い続けるうち、空き容量がだんだん少なくなってしまうのが悩みのタネだ(図1)。
図1、アプリやゲーム、写真・動画などをどんどん保存していると、本体容量が残り少なくなる。容量の大きなもの、使わないものを見つけて削除する。アプリが作成するキャッシュやユーザーデータも容量を圧迫するので、それらもまとめて消す。写真や動画はGoogleフォトにアップし、本体から消せば一気に容量が空く。
まず現在の使用状況と、「アプリ」「ゲーム」「システム」「画像」など、分野別の占有状況を確認しよう(図2)。「システム」はOSが使用する領域なので減らすことはできないが、「アプリ」や「ゲーム」、「画像」などは打つ手がある。
Θ まずはストレージの使用状況を確認する。
図2、「設定」を開いて「ストレージ」をタップ(1)。使用済み容量と空き容量が表示される。アプリや画像、ゲームなどがそれぞれ何GBを占めているかもわかる。「アプリ」をタップすると、容量が大きい順に並ぶ(2)(3)。
例えば「アプリ」を開いて「Google」アプリをタップすると「容量を管理」と「キャッシュを削除」が表示される。キャッシュは削除して問題ない(図3)。一方、「容量を管理」から削除できる内容はアプリにより異なる。Googleアプリの場合は検索履歴などが中心。削除しても困らない(図4)。「フォト」アプリの場合はログインデータまで消えてしまうので消去しないほうがよい(図5)。
Θ アプリのデータを削除。
図3、「キャッシュを削除」を押してアプリが作成したキャッシュデータを削除する(1)。左側に「容量を管理」と表示されている場合は、これをタップする(2)。
図4 検索履歴などは消しても問題ないので「GOOGLE検索データを消去」をタップしてデータを削除する。
図5、図2画面のアプリ一覧で「フォト」を選び「容量を管理」をタップした場合。ログインしたアカウントや設定が消えてしまうので削除しないほうがよい。
図2でLINEなどのアプリをタップすると、「ストレージを消去」と「キャッシュを削除」の2つが表示される(図6)。キャッシュは削除してもかまわないが、「ストレージを消去」は実行してはならない。ただ、キャッシュを削除した程度では大して空き容量が増えない。アプリ容量が巨大化する原因はユーザーデータにあるからだ。LINEの場合は、送られてきた写真を開くと、そのデータが端末内に保存される。これがたまると、ユーザーデータだけで1GBを超えることも珍しくない。ユーザーデータはアプリ側から削除する(図7〜図9)。
Θ ユーザーデータはアプリ側から削除。
図6、LINEアプリを選んだ場合。キャッシュは削除しても問題ない。左側に「ストレージを消去」とある場合、実行するとログインアカウントなども消えるので実行しないこと。キャッシュを消しても巨大なユーザーデータが残るので、アプリ側から操作する。
図7、LINEアプリを起動して「ホーム」画面右上の歯車ボタンをタップ(1)(2)。
図8、「一般」欄にある「トーク」をタップ(1)。画面を下までスクロールして「データの削除」を押す(2)。
図9、図6で消したキャッシュは、LINEアプリ側からも消せる(1)。「写真」や「動画」で「削除」を押してユーザーデータを消す(2)。実行後は、以前受信した写真や動画のサムネイルをタップしても表示できなくなる(3)(4)。大事な写真や動画は端末にダウンロードしてクラウドに保存したり(図14参照)、パソコンに移しておく。
「Files by Google」アプリを使うと、不要ファイルや失敗写真などをまとめて見つけて削除できる(図10)。使っていないアプリもまとめて消せる(図11)。
Θ 不要なファイルを見つけてくれる。
図10、図2で「空き容量を増やす」をタップすると、「Files」アプリが起動する。アプリ一覧からFilesを開いてもよい。「ジャンクファイル」は「クリーンアップ」を実行(1)。ピンボケなどの写真も見つけてくれる(2)。写真を確認して不要なものは削除する(3)(4)。
Θ 使わないアプリをまとめてアンインストール。
図11、使っていないアプリがあれば「使用していないアプリの削除」も表示される。容量と最後に使った日付が表示されるので、不要なものを選択(1)(2)。「アンインストール」を実行する(3)。ダウンロード済みファイルも不要なものがあれば削除しよう。
写真や動画もストレージを圧迫する大きな要因だ。Googleフォトにアップしたうえで端末から消せば、一気に容量を空けられる。無料で使えるのはGmailなどほかのサービスと合わせて15GBまでなので、有料の容量を購入するのがお勧めだ。有料と聞くとためらいがちだが、ひと月にコーヒー1杯分の料金で大容量ストレージを入手できる(図12)。
Θ 写真と動画はGoogleフォトへ退避。
図12、Googleフォトに写真や動画をアップして、スマホ本体からは消す。無料で使える容量は15GBまでなので、有料の容量を契約するのがオススメ。月250円で100GBも利用できる。
スマホが壊れたり紛失した場合、端末内の写真は失われてしまうが、クラウドに自動保存しておけば写真を失わずに済むので、イザというときにも安心だ。フォトアプリから容量を購入し、クラウドへの自動バックアップをオンにしておこう(図13〜図16)。
図13、フォト」アプリを開いて右上の自分のアイコンをタップし、「保存容量を取得」を押す(1)(2)。有料の容量画面「Google One」が開く。月単位か年単位かを選ぶ(3)。100GB(または200GBなど)をタップして購入手続きをする(4)。元の画面で「バックアップをオンにする」をタップしておく(5)。
図14、図13のメニューから「フォトの設定」を開いたら、「バックアップと同期」をタップ(1)。「アップロードサイズ」で、撮影したままの状態でアップするか、画像と動画の画質を自動で下げる「保存容量の節約画質」かを選ぶ(2)。「デバイスのフォルダのバックアップ」をタップ(3)。
図15、初期設定では標準カメラ以外のフォルダーはバックアップ対象にならない。LINEで保存した写真・動画やレタッチアプリで修正した画像なども自動アップロードしたいならオンにする。
図16、右上のアイコンボタンをタップしてメニューを開き(1)、「空き容量を増やす」を実行する(2)。
最近では4K動画に対応するスマホが増えている。しかし、その動画を活用できる機会はかなり少ないのに対してファイル容量は飛躍的に増える。無駄に高画質で撮らない設定にしておくほうがよいだろう(図17)。
Θ 4K動画で撮影しないよう設定変更。
図17、4K画質での動画撮影に対応する機種が増えているが容量がかなり大きい。必要ないならカメラアプリを開いて設定を変更する。画面はPixel 7の動画設定画面。通常は「フルHD」で十分。フレームレート(1秒当たりの枚数)も30フレームでよい。