〇 ハイブリッドワークに役立つ厳選クラウド、ストレージやチャットツールを一気に紹介。
オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークでは、オフィスで働く人とオフィス以外で働く人との間でのデータのやりとりや連絡、進捗管理などに苦労する。そうした課題を解消するのが、インターネット環境があれば利用できるクラウドサービスだ。今回は、ハイブリッドワークに役立つ、厳選したクラウドサービスを紹介する。
さまざまな端末でアクセスできるクラウドストレージ。
仕事で扱うデータをクラウドストレージに保存しておけば、別の場所にあるほかのパソコンやスマートフォン、タブレットからそのデータを読み書きできる。パソコンを持ち歩いていないプライベートな時間に急な仕事の対応を迫られても、クラウドストレージから必要なファイルを開けばすぐに対応しやすい。
クラウドストレージでは、手元に保存しているデータをインターネット上にあるクラウドサーバーに自動でアップロードし、手元のファイルと常に同期する。ほかのパソコンでファイルを開いて編集しても、手元のファイルも最新の状態に自動更新される。
米Microsoft(マイクロソフト)の「OneDrive」のようにOSに組み込まれたクラウドストレージもあり、データの扱い方や使い勝手はローカルファイルと変わらない。また、Webブラウザーからデータを読み書きできるのも強みだ。
クラウドストレージの利用にはインターネット環境が必要になるが、データを手元に重複して保存する設定にしておけば、オフラインでもクラウドストレージのファイルを扱える。その場合、次にインターネット接続したときにオフラインで更新したファイルを自動で同期する。
クラウドストレージに保存したデータを読み書きするには、そのサービスのアカウントが必要になる。パスワードを外部に知られない限り、第三者に読み書きされる心配はない。また、常にサーバーにアップロードしているため、手元のパソコンでデータを読み出せなくなってもクラウドにあるデータから復元できる。クラウドストレージによってはファイルの更新履歴を保存し復元できる機能もあり、バックアップを兼ねる。誤ってファイルを削除や更新しても、履歴からたどれば元の状態に戻すこともできる。
クラウドストレージはOneDriveのほかに、米Google(グーグル)の「Google Drive」や米Amazon Web Services(アマゾン・ ウェブ・ サービス、AWS)の「Amazon Cloud Drive」、米Dropbox(ドロップボックス)の「Dropbox」など各社がサービスを提供している。その多くが無料で利用できる。OneDriveは無料で5GBまで利用できる。また、マイクロソフトの「Microsoft 365」に契約していれば1TBの大容量を利用可能だ。
ファイル共有にも使える。
クラウドストレージには、ファイル公開機能もある。この機能を使えば、メールでの添付が難しい大容量ファイルの転送が簡単にしやすい。OneDriveの場合、エクスプローラーで送信したいファイルやフォルダーをOneDriveのフォルダーにコピーし、コピーしたファイルやフォルダーを右クリックし、メニューから「OneDrive」の「共有」を開く。そこで、送信先のメールアドレスを指定するか、「リンクのコピー」からファイルのURLを取得する。そのURLを、SMSやメールなどに貼り付ければよい。共有では、ファイルの編集の可否やパスワードの設定も可能だ。
OneDriveはMicrosoft 365の契約者であれば1TBの大容量を利用できるが、それ以外のユーザーは5GBまでしか使えない。クラウドストレージにデータを容量いっぱいに保存しているときは、空き容量が不足し大容量ファイルを送るために必要な容量を確保できないこともあるだろう。
それならファイル共有に特化したクラウドサービスを活用しよう。米Box(ボックス)のクラウドストレージ「Box」は1ファイル当たり最大250MB、最大10GBを無料で利用できる。有料で容量無制限に拡張も可能だ。
相手にファイルやフォルダーを送信するには、1度送信したいファイルやフォルダーをBoxのサーバーにアップロードし、それの共有リンクを作成して相手に伝えればよい。
ファイルのアップロードは、WebブラウザーやWebアプリだけでなく、メールやFTPでの送信にも対応している。パソコン以外の機器からでも送信しやすい。
仕事の連絡を取り合うならチャットツール。
仕事中に簡単な連絡を取り合うなら、電話やメールよりテキストチャットだと素早くできる。米Slack Technologies(スラック・テクノロジーズ)の「Slack」は、ビジネス用途に特化したチャットツール。WindowsやMac、iOS、Androidなど各種OS用のアプリが提供されており、Webブラウザー上でも利用できる。
テキストチャットはチャンネルごとに区切られているため、複数のプロジェクトを同時進行しやすい。テキストチャットだけでなく、ファイルの共有やプレビュー機能の備えるため、複数人でアイデアをすぐさま共有しやすい。チャットの対話が難しいと判断したら、音声やビデオに通話よる通話機能もある。外部ツールとの連携機能も豊富だ。
Slackを利用するにはユーザーそれぞれでメールアドレスの登録が必要になる。また、無料ではメッセージやファイルの表示や保持は90日間、登録できるアプリは10個までという制限がある。
複数人で作業進度を管理するのであれば、ヌーラボの「BackLog」が便利。有料がメインのサービスだが、参加人数は10人までなら一部の機能を制限されるが無料で利用できる。フリープランを使うには、Webページを開き、「プランと料金」ページの一覧に記載されている「フリープランはこちら」というリンクを開けばよい。フリープランはタスクを時系列に並べるガンチャートなどが利用できない。
「スペース」と呼ぶ空間にプロジェクトごとにタスクや関連ファイルなどを仕切ることができ、タスクの担当者や期限、対応状況、達成頻度など仕事全体の状況を把握しやすい。課題は「カンバンボード」と呼ぶカードごとに区切って管理し、ワークフローを可視化できる。また、情報共有のWikiを備え、ソースコードのバージョン管理ができるなど機能も多い。