
女教師+レッスンと聞いてすぐ♥️の方を想像してしまうのは、AV男子の悪い癖。こちらはブルガリアの若き女流監督さんによる、“お金”にまつわる真面目な“レッスン”のお話です。なんだ、やっぱそっち系なんでしょ?だから違うっていうてるやろ💢小学校の教室である生徒の財布が盗まれてしまいます。「今名のりでれば許してあげる」と生徒たちに自供を促しますが、誰も手を上げるものはいません。ナデ先生は激怒してこう生徒たちに向かって叫びます。「窃盗は犯罪よ、絶対に許しません!」
そんな堅物英語教師のナデが、お金に振り回されだ挙げ句窃盗犯を許すまでを描いたダークコメディなのですが、ナデが追い込まれていく様子をサスペンスフルに描いたこの女流監督さんの演出がなかなかさえてわたっているのです。出てくる俳優さんが皆さん地味めでほとんど華がないのですが、お金の工面のためあせりまくるナデをとらえたショットがとにかく秀逸なのです。「あれ?俺あいつに借りた金返してたっけ?」と、つい見ているこちらも脇汗がじんわり滲んできてしまう作品なのです。
なぜか一人娘のテオにだけは好かれているダメダメ亭主が使い込んだ滞納金の穴埋めのため、ついたちの悪いサラ金に手をつけてしまうナデ。家の競売はギリギリ免れたものの、頼みにしていた副業の翻訳料金も会社が倒産してパー、もともと折り合いが悪かった金持ち父さんへの無心も教師にあるまじき悪戯?をしたせいで、逆に父さんを怒らせてしまいます。ついには(中川家弟に似た)サラ金オヤジに◯◯◯◯◯♥️をせがまれてしまいます。ほらーっ!が、しかし👿がここでナデに手を差し伸べます。なんで?👼じゃなくて👿なの。
最後のダークなオチは是非実際映画を見て確認していただくとして、個人的にはサラ金から借りた金を銀行に振り込みにいくまでのハラハラドキドキが最高にチャクラ?だった作品です。ナデに次から次へとふりかかる災難のたたみかけ方が、なんともサディスティック。あのダルデンヌ兄弟を思わせるドキュメンタリー風のカメラから察するに、この監督さんの幼少期にナデのような感じの悪い先生に実際ぶち当たってしまったのかもしれませんね。誰でもぶっ殺したいと思っている教師の一人や二人がいるって話ですから。
ザレッスン/女教師の返済
監督 クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ(2014年)
オススメ度[


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