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 先日行われたプロ野球の日本シリーズは第7戦までもつれ込みましたが、最後はホークスがドラゴンズを3-0で下し、日本一に輝きました。いやー、今年のホークスは投打ともに充実していて、とにかく強かった。そのホークスに最後まで食い下がったドラゴンズも、シーズン同様のしぶとい戦いぶりで、とても面白いシリーズになったと思います。
 カープもこういう戦いに参加して欲しいなーという思いはあるものの、長らくAクラスにすら入れない体たらくでは、なかなか厳しいものがあります。でも栗原と広瀬がFA宣言せずに残留することを表明してくれましたし、後は黒田が復帰して、大竹(と、横山(と、できれば永川))が完全復活してくれれば、とりあえず今年より悪くはならないかなー、なんて皮算用しております。
 いずれにしろ来シーズンの開幕までまだ4ヶ月くらいあります。そこでいつものように、現実の仇をゲームで晴らすべく、PCエンジンの野球ゲーム「ザ・プロ野球」をプレイしました。





迫真の映像で優勝を目指せ!

“ザ・プロ野球”は、本物のプロ12球団で活躍している12人の監督、300人の選手が実データ、リアルな似顔絵で登場する究極の野球ゲームです。試合が行われる球場も全部で11ヶ所、自由に選べ臨場感も本格的です。
野球ゲームの新しい常識 “ザ・プロ野球”で、プロフェッショナルなプレイをお楽しみください。


「ザ・プロ野球」マニュアルより











 ゲームを起動すると、1989年の日本シリーズの優勝決定の様子がムービーで流れます。この年はジャイアンツとバファローズが激突し、バファローズ3連勝の後、ジャイアンツが4連勝して劇的な逆転日本一を果たした年ですね。
 このことからもわかるように、本作は1989年の成績を基にして、ルーキーや新外国人選手を加えた1990年版となっています。

 ゲームモードとして、40試合、あるいは130試合を戦うペナント、コンピュータと1試合だけ戦うオープン戦、対人対戦のVSモードの3種類があります。また、自分で選手を操作するアクションモード、選手の操作は全てコンピュータに任せて采配に専念するシミュレーションモード、全てコンピュータに任せて見ているだけのオートモードの3つのプレイモードがあります。
 さすがにペナントレースはやってられないので、とりあえず1試合だけ、アクションモードでプレイしてみます。



 当然、僕らのカープを選択。懐かしい名前がぞろぞろといますね。89年のデータを利用した90年版なので、野村はまだスイッチヒッターですし、江藤も捕手登録です。

 このゲームの最大のウリは、選手の実名を使用しているだけでなく、顔写真の画像取り込みによるリアルな似顔絵を使用している点でしょうか。実際には写真そのままではなく、ちょっといじってある人も多いですけどね。人によって修正の加減が異なるので、ちょっと違和感も覚えます。



 能力値をにらみながらオーダーを決定。こんなもんですかねー。本当は長嶋も使いたかったんですけど、チーム一の長打力を持つヤングは外せませんね。
 守備に関する能力値は肩や足といったものだけで、ポジションは特に設定されていないようです。これはちょっとつまらないですね。内外野守れるユーティリティプレイヤー、好きなんだけどなぁ。
 ただし、キャッチャーだけは厳密で、野手を捕手として起用することも、捕手を野手として起用することもできません。ついでに言えば、捕手を代打や代走に出すこともできません。せっかく打撃力があるのに、江藤をフル活用できないのが残念です。



 用意された球場は、各球団の本拠地である11球場。旧広島市民球場をはじめ、藤井寺球場やナゴヤ球場、川崎スタジアム、西宮球場、平和台球場など、今は使用されていない球場も多く登場しますね。
 球場には実在の企業の広告なども表示されているのですが、これが当時のものと同一なのかどうかは、さすがに確かめる術がありませんでした。



 というわけでプレイボール。
 キャラクターはリアルな感じですが、ゲームは割とオーソドックスなファミスタ系のスタイルです。テンポも良く、サクサクとゲームは進んでいきます。

 ただ、バッティングはちょっと難しいですね。ボタンを押してスイングをするわけですが、スイングを開始してからバットがミートポイントに移動するまでちょっと時間がかかるので、ある程度早めにスイングを開始しなくてはならず、タイミングを取るのが難しいんですよね。緩急を使われると、スイングを開始しなくてはならない位置も変わってくるので、ますます訳がわからなくなってきます。
  また、ストライクゾーンが狭いため、ボールとストライクの見極めも難しいです。そのため、ボール球にも多く手を出すことになり、空振りが多発してしまいます。やや3Dっぽい表示になっているので、ボールの位置を把握しにくいことも、難易度を上げる一因となっているでしょうか。
 結局、半分勘でスイングして、三振の山を築きながら、ヒットになったらラッキー、みたいなプレイになってしまいました。うーん、慣れてきたらまた違うのかもしれませんが、これはちと辛いですね。

 投球の方は、なんとなく投げて、なんとなく抑えるといった感じ。エース級のピッチャーがクロスファイヤー気味に投げると、大体空振りしてくれますからね。しかも先発完投型の投手はやたら体力があって、9回になっても150km/h以上の球を投げられるので、ペナントモードならともかく、オープン戦なら継投はあんまり考えなくてよさそうです。

 打球が速いので、守備はちょっとコツが必要ですね。打球が速い分、野手の足もそれだけ速めなのですが、その結果、打球を処理するまでの時間が短くなり、操作ミスが頻発します。割と多いのが、捕球するために移動したら、つい行き過ぎてしまうことです。あ、と思ったら、ボールは既に後ろを通り抜けていってしまい、なかなかミスをリカバーすることができません。
 これは他の野球ゲームにもよくあることですが、内野手を操作するときに、プレイヤーが操作している選手と、自動でベースカバーに入る選手を間違えてしまうことも多いです。特に嫌らしいのが、打った瞬間に少しだけ打球を追いかけてからベースカバーに入るという変な動きをするケースがあることで、これをやられると完全にお手上げです。
 幸いなことに、このゲームでは打球の方向・角度などにあまりバリエーションが無く、同じような打球ばかり飛んできます。ですので、打った瞬間に、どの選手でどう処理するかを瞬時に判断できれば、大体は対処できるんじゃないかと思います。まあその点は、野球ゲームとしては明らかにマイナスポイントなんですけど。

 あと、コンピュータの走塁がメチャクチャ消極的なので助かるという部分もあります。塁間の半分くらいまで進んで完全に次の塁が狙えるのに、返球されてくるとなぜか引き返してしまうことが多いです。人間によるハメ対策(ファミスタなんかでは、野手がわざともたついてランナーを走らせて、すかさず送球してアウトにする、なんて技が使えたりしました)として安全側に設定しているのかもしれませんね。
 また、内野ライナー→ランナーが戻れずゲッツー、というシーンも多発します。一方で、内野ゴロゲッツーは、打者走者をアウトにできなくて成立しないという場合が多いです。このあたりの、打球の速さ、野手の足の速さ、肩の強さ、走者の足の速さなどのバランスは、コンピュータのアルゴリズムとも相俟って、あまり良くないなぁという印象ですね。



 先発大野はそこそこ抑えるものの、守備のミスなどもあってある程度失点。打線はたまにヒットが出るもののまったくつながらず、無得点。完敗でした。
 ちなみに、結果の画面はこれだけで、キャスターのお姉さんが単にまばたきするだけで終わってしまいます。安打数や三振・四死球、盗塁数など、もう少し情報を載せてもいいんじゃないの? いくらなんでもシンプルすぎですね。



 とにかく1勝しようと、いろんなチームで挑戦してみます。
 まずは、個人的に大好きな、ブルーサンダー打線。松永、ブーマー、石嶺、藤井に、ホークスからやって来た門田が加入した打線は破壊力抜群ですよ! 派手なだけではなくて、福良とか小川とか、渋い選手が脇を固めているのも好印象ですね。



 でも負けたけどねー。先発に郷土の英雄・今井 雄太郎を起用したら、ボコボコに打たれてしまいました。
 打線が強かったので一応点は取れましたけど、やっぱり、なかなか連打するのは難しいですね。これだけ強打者が揃いながら、ホームランも打てませんでしたしね。

 その後も、チームをとっかえひっかえしながら何試合も挑戦しましたが、なかなか勝てず。
 いろんなチームを見てみましたけど、カープ打線は最低クラスですなぁ。投手力と機動力はありますけどね。オープン戦の場合、ピッチャーはエースが一人いれば足りちゃうので、打線の強いチームの方が有利ですね。



 やっと勝ったー!
 さすがに黄金時代の西武は強かった。っていうか、何とか少ない点でもいいからもぎ取って、投手が必死こいて守りぬくという勝ち方しか、今の私にはできないんですけどねー。

 あまりにも打てないので、自分で操作するアクションモードではなく、コンピュータに操作してもらうシミュレーションモードでもプレイしてみましたが、1球1球きちんとプレイしていくので、こちらはちょっと何もすることが無い時間が長すぎて、ちょっとやってられませんでした。監督ゲームなら、さらにテンポ良くしてもらわないと辛いですね。



 ゲーム自体は割とテンポ良く進みサクサクプレイできます。ただちょっと、操作性がイマイチでしたね。慣れてくればまた違うのかもしれませんが、特にバッティング面で思うようにプレイできませんでした。守備も大雑把で緻密さはあまりありません。
 あと、地味に困るのが、試合中に選手の能力値がわからないことですね。打席に立ったときに表示されるのは昨年(89年)の成績だけなので、ある程度の判断材料にはなりますけど、実際のところどうなのかはよくわからないんですよね。ルーキーや新外国人選手に至っては、それすら表示されませんしね。
 控え選手を起用するときには能力値が表示されますが、出場中の選手は表示されないので、ちょっと困ったことになります。自チームの選手は試合開始前に見られるのでまだ良いのですが、相手チームの選手はちんぷんかんぷんです。

 野球ゲームとしてはイマイチかなぁと思いますが、なつかしの選手が実名かつ顔写真つきで出てくるというのは、オールドファンにはうれしいところです。野茂や村田兆治など、特殊なフォームの選手もよく再現されていますしね。ゲームとしてよりも、資料的な側面で嬉しいソフトかもしれません。




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