てんくんのお気楽日記

気が向いたら書く健忘日記

新潮100冊 半分

2011-06-21 | 読書

米澤 穂信

ボトルネック

題材は凄く面白い

パラレルワールドに迷い込んだ主人公

自分の生まれなかった世界へ迷い込んだ

しかも自分の代わりに、自分の世界では

生まれなかった姉がいる世界へ迷い込む

主人公の立場が切なくてチョット

後味が・・・

森見 登英彦

きつねのはなし

不思議なお話

うすら寒気がするような話(笑)

短篇だけど京都の骨董品屋が、どの話にも

リンクしてる

きつねなのか?憑依なのか?

謎は深まる~

安部 公房

砂の女

これまた不思議な世界

昆虫採集に出かけた主人公が、ある寒村で

砂に囲まれた家へ閉じ込められる・・・

蟻地獄を想像させる

マジで地獄だけど(笑)

在り得ないんだけど、何故か想像が出来て

嫌な気分になる

井伏 鱒二

黒い雨

映画にもなった広島の原爆小説

主人公の被爆日記を中心に物語が進む

凄惨な描写に心が痛くなる

悲しいと一言では済まされない

戦争とはいえ、人間が人間にここまで

酷いことが出来るのかと思うと、今更ながら

憤りを感じる

しかも未だに核を保有してる国が数多くある

人はいつになったら愚かな行為をやめる

つもりなのか

武者小路 実篤

友情

友情と愛情の話

読み始めて直ぐに話の展開が読めるが

わりとサクっと読める

友情なのか疑問が残る主人公と友人の関係

所詮、人は男女の情の方を取るのが

自然なんだなぁ~

と改めて実感した小説(笑)

壺井 栄

二十四の瞳

これも映画化された有名な小説

瀬戸内海の小さな島の生徒と、新米先生との

心温まる話

純粋な子供達が微笑ましく、楽しく読み進める

子供達が大人になり、小さな島にも戦争の

影が覆い・・・

時代を感じさせる小説だった

田辺 聖子

孤独な夜のココア

短編集

淡々とした恋愛小説

泥沼になりそうな話も、何故か淡々と

描いてる感じ

リアルではない

お洒落に読むって感じかな~

乃南 アサ

凍える牙

ファミレスで突如炎上した被害者

誰が?どんな風に?

次々起こる殺人事件を女の刑事と中年の

刑事が相棒になり追う

普通と違う殺人事件に、女性蔑視の刑事との

絡みが相まって、イライラしながらも入り込む

なかなか面白かった

ディーン・クーンツ

ヴェロシティ」上・下

大好きな作家の一人クーンツの小説

彼の小説っぽい、不条理の話

主人公ビリーはある日突然、二択を迫られる

どちらも選べない二択なのに、選ばないことが

選んだことになると云う一番嫌な二択

犯人の目的は?何故自分なのか?

不条理過ぎて、イライラする

(年なのかイライラが多い

最後まで??が続く話だった~


頑張る 新潮100冊

2011-05-09 | 読書

太宰 治

ヴィヨンの妻

駄目な人間を書くのが本当に上手い(笑)

本人もこんな感じの人だったみたい

だけど・・・

昔の作家って、傲慢で自己陶酔の強い人

が多いなぁ~

しかも才能があるけど、堕落していくって

ストーリーが好きだよね(笑)

本の内容にそれを書くのが好きみたいだね

インテリちっくに書いてるけど、所詮ひもの

様な駄目男の話

ロバート・ルイス・スティーヴンソン

ジーキル博士とハイド氏

有名な小説

映画化もされてるのでなんとなく知ってるけど

ちゃんと読んだことがなかった

地位も名誉もある医師ジーキルが己の自己を

解放したくて発明した薬で、悪の心しか

もたないハイド氏に変身する

変身を繰り返すうちに、元の自分に戻れなく

なってしまった

読んだ感想は、どちらも紛れも無く本人

だと思った

言い訳をしたところで、どちらも自己

顕示欲が強く、傲慢

なるべくしての変身合体って感じかな

湯本 香樹実

夏の庭

孤独な独居老人と少年との不思議な

心の交流

人の死に敏感になる年代の少年3人組が

近所に住んでる老人の死を見たくて見張り

始めた

誰とも話すこともなく、誰からも気にかけて

もらってなかった老人が、少年達に

見張られてることで、生活に張りが出た

そして、何時しか老人の家に通う少年達に

老人を慕う気持ちが生まれる・・・

切なく感動のお話だった

アンデルセン

絵のない絵本

貧しい青年の部屋に入ったつ月明かり

月が語ってくれる33夜のお話

外国の、しかもヨーロッパのお伽噺って感じ

決してハッピーエンドだけではないお話です

川端 康成

雪国

これも出だしがあまりにも有名

読む前のイメージでは、駒子は儚くて健気な

イメージだったがまるで違った

自由奔放で男を振り回す感じ

もう一人の葉子も、献身的というよりも

頑なな女性

島村は確かに勝手な男だけど、あまり駒子に

同情できなかった・・・

普通の男女の話

雪国じゃなくてもいいかな(笑)

柳田 国男

日本の昔話

知ってる話も知らなかった話も、知ってるけど

チョッピリ違った展開もあったり

地方色が濃く出てたり

懐かしく、面白いお話が一杯つまった本

フランツ・カフカ

変身

不思議な話だった・・・

主人公はある日朝目が覚めると、大きな

虫になっていた

大きな虫だけど、リンゴが体に当たって

大怪我をする程度

結局、家族からも疎まれ孤独に過ごし

死んでしまうので

家族愛の話ではない感じ

何を伝えたかったのかな??

江國 香織

つめたいよるに

短編集

初っ端の「デューク」は泣けた

愛した生き物の死は受け入れがたい

その子がどんな風に思ってたか聞けたら

少しは気持ちが落ち着く気がする

私の元にも彼(愛猫)に来て

欲しかったなぁ・・・

遠藤 周作

海と毒薬

きつい話だった・・・

やるせない気持ちになった

戦争とは、人をここまで変えてしまう

ものなのか?

イヤ人はもともと残酷なんだ・・・

きっと

複数名

七つの怖い扉

色々な作家の怖い話が7つ

それぞれなかなか怖くて読み応えある

鈴木 英治

平蜘蛛の剣

口入屋用心棒第18弾

やっぱり面白い

直之進の強さに惚れ惚れする

江戸の町も生き生きと描かれ、楽しみにしてる

シリーズ

柴田 よしき

やってられない月曜日

平凡なOLにだって毎日事件は起こるのだ

やってられないのは

月曜だけじゃないのだ(笑)

読むほどに気持ちが入り込む

経費をごまかすな

コネ入社だからって得してると思うな

いちいち人の噂話するな

ほっといてくれぇ~

世の中の中堅(以上)OLはキット

皆思ってる(笑)


新しい作家にハマル

2011-03-30 | 読書

浅田 次郎

王妃の館」上・下

久しぶりのドタバタ喜劇と、悲しい悲劇を

絶妙に織り交ぜたあたしの大好き系

パリの伝統を誇る格式高いホテルも

不景気の波には逆らえない

その波を利用して倒産寸前の旅行会社が

タブーのダブル・ブッキングツアーを販売した

「光(ポジ)」と「影(ネガ)」

個性豊かなこの2つのツアー客の笑いと

涙の人生が紐解かれていく

これに、この館にまつわる話が絡んでくる

笑って泣けて・・・凄く面白かった

月下の恋人

短篇

「情夜」「告白」「あなたに会いたい」は

何だか切なくなる

「回転扉」「月下の恋人」「冬の旅」は

不思議なお話

「黒い森」は謎が残り凄く気になる

他にも多数

東野 圭吾

使命と魂のリミット

父親を手術で亡くした娘が、医者になり

父の死の真相を探る

父の死後、父の手術を担当した医者と

母が付き合った事にわだかまり感じ

父を手術した医者の元で、研修医として

働きながら、納得できる答えを求める

重松 清

ブランケット・キャッツ

ブランケットと共にレンタルされる

二泊三日色んな事情のある家へ

レンタルされていく猫たち

ポロリと涙が出るお話が多かった

動物に癒しを求める人はキット多いと思う

犬じゃなくて猫なのが良い

犬は無償の愛を人間に与えてくれるけど

猫は違う

そっけないし、無償の愛は与えてくれないと

思われてる

でも、猫だって人の心の痛みとかチャンと

わかってると思うんだよね

不器用な猫の愛が、心にグっとくる

ディーン・クーンツ

オッド・トーマスの予知夢

シリーズ第4弾

オッドは相変わらず、大変な事件に

巻き込まれていく

引き寄せられる様にたどり着いた

海辺の町で不思議な女性と出会い

彼女を守るために奮闘する

この町で雇われた家の主人との、心の

交流が凄く良かった

別れのシーンは涙が止まらなかった

道尾 秀介

向日葵の咲かない夏

「シャドウ」に続き2冊目

今回も小学生が主人公だ

チョット不思議なお話

クラスのいじめられっ子S君が自殺

してるのを発見した主人公

すると蜘蛛に生まれ変わったS君が現れ

事件の真相を解明して欲しいと頼まれ

妹と探偵のマネを始めた・・・

話の途中から、見えてきてしまったので

イマイチ・・・かな

新田 次郎

八甲田山死の彷徨

新潮100冊

映画化もされてる有名な実話

当時の軍の内情がよく描かれていて

面白かった

悲劇の原因は人災

今も昔もお偉いさんの考えることは下の

人々の命をも奪う愚考が多い

それでも無能で愚かな上官を守る、兵士達の

行動が涙を誘う

過去の悲劇の教訓が今、生かされてないのが

悲しい

原発、災害時の殆どのトップの愚かな

行動や言動・・・ 

一握りの優秀な人の努力を、無知で無能な

トップが台無しにする

今、読むべくして読んだ感じ

柴田 よしき

ゆび

ゼロ

リアル・ゼロ・アムール

リアル・ゼロ・ベトノワール

男性だとばかり思ってた作者が、女性で

ビックリ(笑)

「ゆび」で悪意のある人差し指が次々と

人々に襲い掛かる

その事件に関わった人達が、終わったと

思った事件が、まだ終わってなかった

ことを知る

超常現象的な話だけど、何となく現実にも

ある気がして背筋が凍る

やばいこの作家にハマッた(笑)

ワーキングガール・ウォーズ

OLの日常を描いた等身大の話

めっちゃ感情移入しちゃう

疲れた心に滲みる~

世のOLが心のどこかで、大なり小なり

思ってることが見事に書いてある

そうそうそうそうーーーーーー

って叫びたくなる(笑)

ムカムカ、イライラする職場の人間関係に

疲れ、やってる仕事と給料の内容に疲れ

心がどんどんトゲトゲしていく自分

わかるわぁ~


久しぶりに若旦那

2011-01-10 | 読書

東野 圭吾

ブルータスの心臓

出世の為にオーナーの娘を狙うエリート

サラリーマン

体だけの恋人は、他の男とも体の関係が

あるが、彼女の狙いは子供を作り

男に寄生する事だった・・・

男達が実行した驚くべき殺害計画

夜明けの街で

不倫を軽蔑してた渡部が、派遣社員の秋葉に

引かれ恋に落ちていく・・・

渡部みたいな男が個人的に嫌いなので

話を読んでも不愉快だった(笑)

サスペンス感もあまりないし・・・

真保 裕一

追伸

ギリシャに赴任した夫に一方的に離婚を

切り出す妻

理由を手紙でのやり取りで明かして

いくのだが・・・

個人的には読後感の悪い作品だった

この妻嫌い(笑)

重松 清

小さき者へ

家族のお話

父親と息子

母親と息子

父親と娘・・・

表題の「小さき者へ」は、家庭内暴力を

振るう息子へ出す宛てのない手紙を書く

・・・何だか嫌いだった・・・

「海まで」は切なくて泣いてしまった

浅田 次郎

月島慕情

どれも泣ける短編集

「シューシャインボーイ」「雪鰻」は

号泣もの切ない

切な過ぎる

浅田さんはうますぎる(笑)

ディーン・クーンツ

オッド・トーマスの救済

オッド・トーマスのシリーズ3作目

修道院に滞在してるオッドにまたしても

危機が・・・

相変わらずオッドの、回りくどく意味が

分かりづらい言い回しがチョット好きじゃ

ないけど(笑)

小野 不由美

黒祠の島

排他的な島のお話は怖い

実際にありそうな気もするから余計怖い

何が怖いって島の人間の間にしか正義がない

法律も常識も通用しない・・・

道夫 秀介

シャドウ

初めて読んだ

面白い

他にももっと読んでみたいと思った

誰が本当にまともなのか?

凄く読み応えがあった~

宮部 みゆき

ICO

ゲームに触発されて書いた作品らしいです

面白かったんだけど・・・

宮部さんぽくて良かったんだけど・・・

なんだけど

少し物足りない気がした

畠中 恵

いっちばん

しゃばけシリーズ第7弾

病弱な若旦那 一太郎は

今日も、もののけ達に心配されながら

様々な問題を解決してる

凄く楽しみにしてるシリーズなので

文庫を待ちわびてる


ノンストップで読み続けたい

2010-11-20 | 読書

佐藤 多佳子

サマータイム

人のいない土砂降りの雨が降るプールで

出会った進と広一

広一は、左腕と父親をなくした大人びた繊細な

雰囲気の少年

進と進の姉佳奈は広一と知り合った夏を

忘れない

それぞれの大人になっていく心の変化

青春の1冊

畠中 恵

こころげそう

畠中さんの江戸物

幼馴染の男女9人

大人になると、それぞれが色々な悩みを背負う

江戸の町を生きる人々の姿が生き生きと

描かれている

江戸川 乱歩

江戸川乱歩傑作選」 新潮100冊

大正から昭和にかけての推理作家

知らない人はいないよね~

その乱歩の初期の傑作短編集

中でも「芋虫」は・・・

記憶に残る恐怖小説だわ

三島 由紀夫

仮面の告白」 新潮100冊

こちらも知らない人はいないのでは?

戦後の日本文学を代表する作家の一人

右翼的な思想の作家としても有名

高い評価を得たこの作品は、当時はなかった

同性愛を扱った作品

自伝的な要素の強いこの作品は、自己愛に

満ちている気がする

相当なナルシストだったのだろうと伺える

中々・・・読み進むのが難しかった

小野 不由美

屍鬼」1~5巻 新潮100冊

本屋さんでずっと気になってた本

何度も手に取りながらも、知らない作家

だったので、いきなり5巻ある作品を読むのに

抵抗があったので躊躇してたが

新潮100冊にあったし、読んでみることに

旦那さんが綾辻行人ってことも買ってから

知ってびっくり 

って云っても、綾辻行人も

読んだことないけどね(笑)

思い切って読んで良かった

面白いっ

閉ざされた寒村

次々と死んでいく村人

排他的で、昔の儀式を重んじる村

あたしの好きな要素満載(笑)

読んでいて背筋が寒くなる

生と死

何をもって生なのか、人とは、正義とは・・・

考えさせられる話だった

所詮人は生きること、自己を保つことが

一番大切で、それには終わりがないのだと思う

一気に5巻読むほど面白かったけど・・・

寺の副住職 若御院の副業の小説が

要所要所に出てくるが、くどい

ラストに向けての伏線なんだと思うけど

チョッと読みづらい

魔性の子

「屍鬼」が面白かったので

直ぐに買ってしまった

これがキッカケで「十二国記シリーズ」を

知ってしまい、すっかりハマって

しまいました

シリーズの番外編だと思うけど、これだけで

独立して読んでも面白かった

月の影 影の海」上・下

風の海 迷宮の岸

東の海神 西の滄海

風の万里 黎明の空」上・下

図南の翼

黄昏の岸 暁の天

華胥の幽夢

この世界は読んだものにしかわからない

基本ロールプレイング好きな人なら絶対

お薦め

そうでない人も、ファンタジーや異世界の

物語が好きなら絶対お薦め

まだシリーズは続くから、早く読みたくて

しょうがない

ちなみにハマり過ぎて夜も寝れなかった

宮部さんの「ブレイブ・ストーリー」

以来のヒット