ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

会田誠展 天才でごめんなさい

2013年02月16日 | 美術

 今日は冷たくて強い北風が首都圏を吹き荒れていましたね。
 外を歩くのは困難なこの日こそ、かねて行きたいと思っていた展覧会に出かけました。

 六本木ヒルズの53階にある森美術館に会田誠展・天才でごめんなさいを観に行きました。



 会田誠といえば、村上隆と並ぶ現代アートの先端を行く美術家ですね。
 絵画、彫刻、映像、様ざまなジャンルを超えて活躍するスーパースターです。

 極めて写実的な作品もあれば、悪ふざけのような作品もあります。

 唯一写真撮影が許されていた作品、考えない人を撮ってきました。



 美術館に入ると、代表作、あぜ道が迎えてくれました。



 写実的でありながら、あぜ道と少女の髪の分け目が繋がっているという不思議な構図で、私はこの作品を好んでいます。

 というのも、あまりに過激な作品や政治的メッセージ性を持った作品が多いなか、この作品には不思議な郷愁みたいなものを感じるからです。

 過激と言えば下の作品。
 というタイトルの連作の一部です。





 幻想的とも残酷とも言える独特の美学に貫かれているとは思いますが、人を不快にさせる要素も併せ持っています。
 ただこの構図、会田誠のオリジナルではありませんね。
 30年以上も前に永井豪「バイオレンス・ジャック」人犬として描いています。



 これはバイオレンス・ジャックの宿敵で独裁者のスラムキングが経営するレストランで働いていた若い男女が駆け落ちし、スラムキングに捉えられて手足を切られ、舌を抜かれてペットにされ、最後は闘犬として死んでいく、という残酷なもので、小学校の頃読んでひどくショックを受けたことを覚えています。

 これに比べれば会田誠はだいぶ美的ではありますねぇ。

 戦争リターンズというシリーズも目を引きました。



 また、会田誠ビン・ラーディンに扮し、なぜかコタツで日本酒を飲みながら愚痴をこぼす、というふざけた映像作品もありました。

 

 いずれも新鮮な驚きに満ちた作品群でした。
 好悪は分かれると思いますが、何でも出来ちゃう美術家なんでしょうね。
 きっと葛飾北斎なんかもそうだったんじゃないかと思います。

 あんまり熱心に観すぎて疲れてしまいました。

会田誠作品集 天才でごめんなさい
会田誠
青幻舎
三十路―会田誠第二作品集
会田 誠
ABC出版
カリコリせんとや生まれけむ
会田 誠
幻冬舎



孤独な惑星―会田誠作品集
会田 誠
DANぼ



バイオレンスジャック [少年向け:コミックセット]
永井 豪
日本文芸社

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