不登校小学生にも
卒業の日がやってきた
ここ2週間ぐらい、なかなか眠れなかった
緊張感があったのは源次郎だけでなく、ボクや妻もだった
妻は先週、ボクに「式の日まで黙っていて!」と言った
ボクはこの2週間、卒業式のことに触れずに過ごした
式の前日、担任から電話連絡が来た
「式が終了して解散後、昼の12時半頃に校長室で
卒業証書をお渡ししますので来てください」
とのことだった
妻が源次郎に伝えると
「しょうがねぇなぁ、行ってやる。だけどすぐ帰る」
と答えていた
念のため
ワイシャツ、ジャケット、ネクタイ、パンツ(ズボン)を
一度着てみた
源次郎「めんどくせぇ~!行きたくねぇ~!」
当日の朝8:00頃、担任から電話が来た
「12時半だと、まだ他の生徒が残っていそうなので
14時半にして頂けますか」
これはヤバイかも?
待っている間に癇癪起こしそう
でも、ボクは黙っていた
ボクが何か言ったらぶち壊しになると
予想していたから...
普段よりも、ずっと早く起きた源次郎は落ち着かなかった
(通常昼の12:00よりも遅くまで寝ているから)
待ち時間が長くなってしまった
ボクは10時から昼寝(?)をした
源次郎は緊張が強いのか、眠れないようだ
寝ないでスマホをいじって
ゲームやTikTokを観ながら過ごしていたけど
ネコを追いかけまわしたり、抱き上げたりして
不安定な時間が過ぎていった
(ネコの悲鳴が聞こえていたようだが、ボクは眠っていた)
13時過ぎに、ボクはスーツに着替えて
マンションの玄関先にカメラと三脚を立てて記念写真の準備をした
源次郎を着替えさせるのが大変だった
「行きたくねぇ~!」
と言って肌シャツのまま布団にもぐりこんだ
妻が靴下をはかせると、観念(?)したようだ
ワイシャツを渋々着る
パンツ(ズボン)を履く
ボクが源次郎にネクタイを締める
「こんなのいらねぇ~よ!」
「私服でいいでしょ!!」
キレ気味の源次郎
ボクは
「儀式では着なくてはならない、これがマナーっていうものなんだよ」
と言った
玄関先で家族三人で正装した写真を撮った
ふてくされた顔の源次郎、きっといつか思い出になる
これでボクにとって大きな仕事が一つ終了
三人で小学校へ行くと、まだ六年生の4名の男子が残っていた
8ヵ月ぶりの登校だ
「あっ!源次郎だ!!久しぶり!!」
一人の子が大きな声を上げる、4人ともスーツ、ネクタイ姿である
ボク「な、みんなも着ているだろ♪」
残っていた子たちは、個別に先生とのツーショット写真を撮っていた
ボクたち家族は、担任に校長室に案内された
校長先生が卒業証書を読み上げて、源次郎に渡した
担任が拍手をしてくれた
ひとりぼっちの卒業式...
源次郎のためだけの授与式
ある意味、最も贅沢なのかも知れない
校長室で「一人の生徒だけ」のために作って頂いた時間
ボクはその瞬間を写真に収めることが出来た
それに、教室と校門で
担任の先生と源次郎のツーショット写真を撮った
源次郎の小学校生活の終わりが
このような形になるとは
入学式の頃からは想像もつかないものになった
帰宅して
学校へ行って卒業証書を手にしたことを褒めた
何かの終わりは、新しい始まりへの合図
中学校生活は
すぐそこまで来ている
小学校入学前(5歳児)の源次郎、悩殺の瞳(?)
「ねぇ彼女、ボクとラーメン食べない?あ~んしてごらん」
※また、肖像権料(お小遣い)を払わなくちゃ...