ハッピー・メリークリスマス!
9.いつか、きっと
その合図は、イスフィールの頭で、何回もなった。
帰れ、というように。
絆の玉も出来たのだから、もっとここにいたかったのに、それはかなうことのない願いだ。
その場にいた9人の顔から笑みが消える。
イスフィールだけが、寂しそうに微笑した。
「レイアース、セイレーン。帰ろう。」
約束は絶対に破らないことを決めているイスフィールは、悲しい心を抑えながら言った。
呼ばれた2人は顔を上げた。
それでいいのか、と目が問いかけている。
「約束したことだもの。守らなきゃ。」
それを言うのが精一杯だった。
それ以上心に背くと、涙が溢れることは目に見えている。
そこでフラットが顔を上げた。
大きい声で言う。
「イスフィール!」
「はいっ!?」
つられて返事の声も大きくなった。
「また来てよ。…友達だから!待ってるから!」
泣き出してしまったフラットをなだめながら、シャープが付け加えた。
「私達の力じゃ、そっちには行けないの。だから…」
言いたいことが、イスフィールによく分かった。
だから何度も何度も頷いて、友達の顔を確かめた。
涙がたまっている目を見せまいとするラート、いたずらっぽくピースするロアとナチュラルは双子のセイレーン達のように仲が良かった。
無表情で見返すレストには不思議な空気を感じる。
みんな、自分のとても大切な友達だ。
「絶対に来るから!」
イスフィールがそう言うと、泣きっぱなしのフラットが小指を出した。
意味が分からなくて、?が浮かぶ。
「約束!でしょ?」
「え?ああ、…うん!」
今度こそ涙が溢れた。
今日は災難が起きまくった一日。
不幸と感じた一日。
でも、こんなにも大切な友達が出来た、幸せな一日。
「…もう、帰らなきゃ。」
イスフィールは6人に背を向けた。
それでも、約束は破れないイスフィールだから、またここに来ることが分かっていた。
だから、みんな涙をぬぐう。
そして笑った。
イスフィールは薔薇の扉を開ける。
入るのに、少しだけ、とまどった。
でも―――友達が背中を押した。
「またねぇー!!!」
イスフィールの絆の玉が、キラリと光り。
つばさ学園にはパーティーのにぎわう声が響いていた。
written by ふーちん
9.いつか、きっと
その合図は、イスフィールの頭で、何回もなった。
帰れ、というように。
絆の玉も出来たのだから、もっとここにいたかったのに、それはかなうことのない願いだ。
その場にいた9人の顔から笑みが消える。
イスフィールだけが、寂しそうに微笑した。
「レイアース、セイレーン。帰ろう。」
約束は絶対に破らないことを決めているイスフィールは、悲しい心を抑えながら言った。
呼ばれた2人は顔を上げた。
それでいいのか、と目が問いかけている。
「約束したことだもの。守らなきゃ。」
それを言うのが精一杯だった。
それ以上心に背くと、涙が溢れることは目に見えている。
そこでフラットが顔を上げた。
大きい声で言う。
「イスフィール!」
「はいっ!?」
つられて返事の声も大きくなった。
「また来てよ。…友達だから!待ってるから!」
泣き出してしまったフラットをなだめながら、シャープが付け加えた。
「私達の力じゃ、そっちには行けないの。だから…」
言いたいことが、イスフィールによく分かった。
だから何度も何度も頷いて、友達の顔を確かめた。
涙がたまっている目を見せまいとするラート、いたずらっぽくピースするロアとナチュラルは双子のセイレーン達のように仲が良かった。
無表情で見返すレストには不思議な空気を感じる。
みんな、自分のとても大切な友達だ。
「絶対に来るから!」
イスフィールがそう言うと、泣きっぱなしのフラットが小指を出した。
意味が分からなくて、?が浮かぶ。
「約束!でしょ?」
「え?ああ、…うん!」
今度こそ涙が溢れた。
今日は災難が起きまくった一日。
不幸と感じた一日。
でも、こんなにも大切な友達が出来た、幸せな一日。
「…もう、帰らなきゃ。」
イスフィールは6人に背を向けた。
それでも、約束は破れないイスフィールだから、またここに来ることが分かっていた。
だから、みんな涙をぬぐう。
そして笑った。
イスフィールは薔薇の扉を開ける。
入るのに、少しだけ、とまどった。
でも―――友達が背中を押した。
「またねぇー!!!」
イスフィールの絆の玉が、キラリと光り。
つばさ学園にはパーティーのにぎわう声が響いていた。
written by ふーちん