同居人は化け猫!
第6章 ケンカ大騒動
4. 家出
何で、冬夜はあんなに不機嫌になったのだろうか。
鈴蘭は、猫の姿になってふらふらと彷徨っていた。
行く当てもない。
出てきて、何をしようと思ったのだろう。
「あ、猫ちゃんだー。」
小さな女の子が寄ってくる。
内心ため息をつきながら、鈴蘭は走って逃げた。
触られると、2本目のしっぽが見つかるかもしれないし。
そんなことは、今日でもう7回目である。
「…やっぱり、人型の方が楽なのかもな。」
小さく呟いて物陰に隠れる。
そこで人間体になった。
今日の服はいつもと違う。
おとといに有名ブランドの店で見立てた服だ。
白とうすピンクのすらっとしたワンピース。
それにうすい黄色のカーディガンで、完全に春の色だ。
夏になりかけている今、3割引になっていた。
化け猫は、イメージするとその姿になれる。
なぜこの姿をしているかには、理由があった。
今日は、特別なのだ。
「せっかく、喜んでもらえると思ったのに…。」
鈴蘭は、ふぁっしょんとやらに疎い。
でもやっぱり、祝ったりするならそういう服がいいと思って、見立てたのだ。
ぷれぜんと、とかいう物も必要なようで、綺麗だなぁと思う物を手に入れた。
冬夜からのお小遣い(?)をためていて良かった、と思う。
それが、こんな風になってしまった。
失敗だ。
何でだろう。
ちゃんと、準備もしたのに。
鈴蘭は生まれて初めて泣きたくなった。
「冬夜の、バカ…、私の、バカ…。」
小さく呟きながら、物陰で泣き続ける。
「鈴、蘭…?」
知ってる声がかかった。
ぼやける視界の中、声をかけてくれた彼女は、鈴蘭を心配そうに覗き込んでいる。
「春海…!?」
前のライバル心などすっかり忘れ、春海に相談することにした。
written by ふーちん
第6章 ケンカ大騒動
4. 家出
何で、冬夜はあんなに不機嫌になったのだろうか。
鈴蘭は、猫の姿になってふらふらと彷徨っていた。
行く当てもない。
出てきて、何をしようと思ったのだろう。
「あ、猫ちゃんだー。」
小さな女の子が寄ってくる。
内心ため息をつきながら、鈴蘭は走って逃げた。
触られると、2本目のしっぽが見つかるかもしれないし。
そんなことは、今日でもう7回目である。
「…やっぱり、人型の方が楽なのかもな。」
小さく呟いて物陰に隠れる。
そこで人間体になった。
今日の服はいつもと違う。
おとといに有名ブランドの店で見立てた服だ。
白とうすピンクのすらっとしたワンピース。
それにうすい黄色のカーディガンで、完全に春の色だ。
夏になりかけている今、3割引になっていた。
化け猫は、イメージするとその姿になれる。
なぜこの姿をしているかには、理由があった。
今日は、特別なのだ。
「せっかく、喜んでもらえると思ったのに…。」
鈴蘭は、ふぁっしょんとやらに疎い。
でもやっぱり、祝ったりするならそういう服がいいと思って、見立てたのだ。
ぷれぜんと、とかいう物も必要なようで、綺麗だなぁと思う物を手に入れた。
冬夜からのお小遣い(?)をためていて良かった、と思う。
それが、こんな風になってしまった。
失敗だ。
何でだろう。
ちゃんと、準備もしたのに。
鈴蘭は生まれて初めて泣きたくなった。
「冬夜の、バカ…、私の、バカ…。」
小さく呟きながら、物陰で泣き続ける。
「鈴、蘭…?」
知ってる声がかかった。
ぼやける視界の中、声をかけてくれた彼女は、鈴蘭を心配そうに覗き込んでいる。
「春海…!?」
前のライバル心などすっかり忘れ、春海に相談することにした。
written by ふーちん