2015.04.04 富良野岳BC
昨日、やっと富良野岳に行ってきた。
かなり遅い時期になってしまったが、シャバ雪をそこそこ
滑れたらいいし、いい天気で景色も見れたらいいやぐらいだった。
富良野岳には何回も来ている。
復帰後は2回目であるが、この時期に来たのは初めてである。
登り始めは、天気は微妙・・・
時おり明るくはなるが、天気予報の「昼から晴れ」に期待・・・
この日は北尾根を行く。
下からずっとガリガリだ。
先行者は2人、スキーだ。
急登ではシールがスリップしているようだ。
このまま天気が悪く、太陽さんも出ないと帰り道は「カリカリ地獄」
だなと思いながら上を目指す。
この時点ではあまり深刻ではなかった。
森林限界まで来ると陽がさしてきた。
このまま太陽さんが出たら、ホコ岩すぎたら少しは
雪も緩んでくるかな?
高度をあげていくと、だんだん風が強くなり
雲がどんどん流れていく。
G尾根には後から来た6人ほどのパーティーが見える。
とうとう周りが真っ白になってしまった。
この時点では、ホコ岩の下である。
しばらく天候回復を待ったが、一向に良くならず、
もちろん、この先には進まず降りたいんだが、
ベベルイ側もホコ裏側も雪がない!
ハイマツがびっしり顔を出している。
もう少し天候回復を待ちたいが、寒さで手がかじかんできた。
いくらか視界のきく、ホコ裏をハイマツを踏みつけながら、
滑ってるのか、横滑りしているのか、尻滑りしているのか?
とにかくガリガリである!
とにかくわやである。
それでも少しでも良さそうなところを選んで降りていく。
何番目かのシュートを下りてきたとき、
「これはやばいな!安全に迂回しよう」と横に見える
林間までトラバースしたいが、下に下に流されていく・・・
「このまま、横滑りで狭いシュートを行くか?」
「いやいや、林間まで行ってスノーシューに変えて、
安全なところまで行こう!」
これがウッチャンの決断であった。
足場を作り、慎重に板をはずし、この場ではスノーシューは
装着できないので、一歩一歩慎重にトラバースして行って
もう少しというところで、先日降ったであろう少しの新雪で
固い雪面をとらえきれない。
木のまわりには新雪が残っているのだ。
反対にこれが邪魔でなかなか進めない。ほんとにあと2~3歩で
木に手が届くというところで片足が滑った。
踏ん張ったがダメだ!!
滑落だ!
体が落ちていく!
すぐさま抱えていた板を放した。
板が物凄いスピードでシュートを落ちていく。
滑り始めはまわりが見えた。
岩場が迫ってくる。
板が跳ね上がって、雪面に刺さったのが見えた。
必死の思いで1つめの岩場を通過した。
そのあとに体が宙に舞った。
その後は何もわからず、さらっとある新雪とともに
落ちて行ったのであろう。
必死に止まろうともがくが止まらない。
もうだめか?
このまま死ぬのか?
奥さんと愛猫の顔が脳裏を横切る・・・
このシュートには木はない。
このシュートの下にはもう崖はない。
シュートの中の岩にさえ激突しなければなんとかなる。
やっと止まった!
無事だった!
手は大丈夫か?
足は動くか?
どこか血が出てないか?
とりあえず大きなけがはないようだ。
ウッチャン、普段ヘルメットというものをかぶっていない。
少し前に、JIROのヘルメットが安くなって買っていたのである。
そろそろ、安全のためにヘルメットもかぶるようにしようかと
考えていたのだ。
そして今回ヘルメット着用でBCしてた。
落ちついてから、ヘルメットをはずした。
そのヘルメットの上部に大きな傷があった。
たぶん頭を強打したようだ。
コンツァーがマウントから折れて紛失してしまった・・・
こんなことを予期していたようなヘルメット着用。
とにかく無事で良かった!
推定で5~60mは落ちていた・・・
しかし、板はシュウトの途中に刺さっているはず。
下からは見えない!
「どうする?」
「板を回収にまたガリガリ斜面を登るのか?」
「板は捨てるのか?」
苦渋の選択の末、スノーシューを履いて斜面を上がった。
ウッチャンのこのカスタムにはいろいろな思いが詰まっているのだ。
見捨てるわけにはいかないのである。
下から1つ目の岩場をすぎると、板が見えた。
ガリガリ斜面からはずれて、柔らかそうな雪に
本当に刺さっていた!
板を回収してさ~下りだ。
下りの方が大変だ。登ってきた体勢のままバックで
降りていく。
足首を大きく曲げ、太ももも、ふくらはぎもパンパンだ。
無事に降りてきた。
安堵の溜息が出る。
今回のBC日記を公開するか、しないか、自分なりに
考えてみた。
黙っていたいような、恥ずかしくもある記事だからである。
反省することはたくさんある。
この時期だからこその危険も存在する。
なにもかもということになると、BC自体を否定しなければ
ならない。
自分はどんなところでも、降りていけるという自分勝手な自信。
この時期には、さほど危険などないという錯覚。
どんな時にでも、自分を守る道具・保護具の大切さ。
いろいろなことを考えさせられる日になった。
皮肉なことに、降りてきたときにはすっかりいい天気になっていた。
それでは
動画です
昨日、やっと富良野岳に行ってきた。
かなり遅い時期になってしまったが、シャバ雪をそこそこ
滑れたらいいし、いい天気で景色も見れたらいいやぐらいだった。
富良野岳には何回も来ている。
復帰後は2回目であるが、この時期に来たのは初めてである。
登り始めは、天気は微妙・・・
時おり明るくはなるが、天気予報の「昼から晴れ」に期待・・・
この日は北尾根を行く。
下からずっとガリガリだ。
先行者は2人、スキーだ。
急登ではシールがスリップしているようだ。
このまま天気が悪く、太陽さんも出ないと帰り道は「カリカリ地獄」
だなと思いながら上を目指す。
この時点ではあまり深刻ではなかった。
森林限界まで来ると陽がさしてきた。
このまま太陽さんが出たら、ホコ岩すぎたら少しは
雪も緩んでくるかな?
高度をあげていくと、だんだん風が強くなり
雲がどんどん流れていく。
G尾根には後から来た6人ほどのパーティーが見える。
とうとう周りが真っ白になってしまった。
この時点では、ホコ岩の下である。
しばらく天候回復を待ったが、一向に良くならず、
もちろん、この先には進まず降りたいんだが、
ベベルイ側もホコ裏側も雪がない!
ハイマツがびっしり顔を出している。
もう少し天候回復を待ちたいが、寒さで手がかじかんできた。
いくらか視界のきく、ホコ裏をハイマツを踏みつけながら、
滑ってるのか、横滑りしているのか、尻滑りしているのか?
とにかくガリガリである!
とにかくわやである。
それでも少しでも良さそうなところを選んで降りていく。
何番目かのシュートを下りてきたとき、
「これはやばいな!安全に迂回しよう」と横に見える
林間までトラバースしたいが、下に下に流されていく・・・
「このまま、横滑りで狭いシュートを行くか?」
「いやいや、林間まで行ってスノーシューに変えて、
安全なところまで行こう!」
これがウッチャンの決断であった。
足場を作り、慎重に板をはずし、この場ではスノーシューは
装着できないので、一歩一歩慎重にトラバースして行って
もう少しというところで、先日降ったであろう少しの新雪で
固い雪面をとらえきれない。
木のまわりには新雪が残っているのだ。
反対にこれが邪魔でなかなか進めない。ほんとにあと2~3歩で
木に手が届くというところで片足が滑った。
踏ん張ったがダメだ!!
滑落だ!
体が落ちていく!
すぐさま抱えていた板を放した。
板が物凄いスピードでシュートを落ちていく。
滑り始めはまわりが見えた。
岩場が迫ってくる。
板が跳ね上がって、雪面に刺さったのが見えた。
必死の思いで1つめの岩場を通過した。
そのあとに体が宙に舞った。
その後は何もわからず、さらっとある新雪とともに
落ちて行ったのであろう。
必死に止まろうともがくが止まらない。
もうだめか?
このまま死ぬのか?
奥さんと愛猫の顔が脳裏を横切る・・・
このシュートには木はない。
このシュートの下にはもう崖はない。
シュートの中の岩にさえ激突しなければなんとかなる。
やっと止まった!
無事だった!
手は大丈夫か?
足は動くか?
どこか血が出てないか?
とりあえず大きなけがはないようだ。
ウッチャン、普段ヘルメットというものをかぶっていない。
少し前に、JIROのヘルメットが安くなって買っていたのである。
そろそろ、安全のためにヘルメットもかぶるようにしようかと
考えていたのだ。
そして今回ヘルメット着用でBCしてた。
落ちついてから、ヘルメットをはずした。
そのヘルメットの上部に大きな傷があった。
たぶん頭を強打したようだ。
コンツァーがマウントから折れて紛失してしまった・・・
こんなことを予期していたようなヘルメット着用。
とにかく無事で良かった!
推定で5~60mは落ちていた・・・
しかし、板はシュウトの途中に刺さっているはず。
下からは見えない!
「どうする?」
「板を回収にまたガリガリ斜面を登るのか?」
「板は捨てるのか?」
苦渋の選択の末、スノーシューを履いて斜面を上がった。
ウッチャンのこのカスタムにはいろいろな思いが詰まっているのだ。
見捨てるわけにはいかないのである。
下から1つ目の岩場をすぎると、板が見えた。
ガリガリ斜面からはずれて、柔らかそうな雪に
本当に刺さっていた!
板を回収してさ~下りだ。
下りの方が大変だ。登ってきた体勢のままバックで
降りていく。
足首を大きく曲げ、太ももも、ふくらはぎもパンパンだ。
無事に降りてきた。
安堵の溜息が出る。
今回のBC日記を公開するか、しないか、自分なりに
考えてみた。
黙っていたいような、恥ずかしくもある記事だからである。
反省することはたくさんある。
この時期だからこその危険も存在する。
なにもかもということになると、BC自体を否定しなければ
ならない。
自分はどんなところでも、降りていけるという自分勝手な自信。
この時期には、さほど危険などないという錯覚。
どんな時にでも、自分を守る道具・保護具の大切さ。
いろいろなことを考えさせられる日になった。
皮肉なことに、降りてきたときにはすっかりいい天気になっていた。
それでは
動画です
それにしてもヘルメットを着用していて,よかった!
BCは自然が相手だから,色々な条件次第で危険な状況に変化してしまうんだな~
ヘルメット着用って重要ですね
ウッチャンの体験を教訓にさせてもらって,自分もヘルメット着用を心がけます
貴重な経験を教えてもらい,ありがとうございました
実は,私もこの日,昼頃から晴れるという予報を信じて,十勝連邦・美瑛富士へと向かったのでした
森林限界を過ぎてからは,ガスの中をガリガリ斜面を登って(途中からはシートラ,アイゼンで)美瑛富士ピークへ到達したものの,なかなかガスが晴れず
風があって天気待ちもできずにガリガリの雪面を何とか滑り降りて来ました
途中から晴れ間が出てきて,視界もよくなり,帰りには山も見えました
BCは何があるかわからない
楽しい反面,危険とも隣り合わせだということを肝に銘じて,これからも山に向かいたいと思います
ではまた
無事に帰って来たので話もできるのですが、正直、BCで命を落とすというのはこういうことなのかと思いました。
滑落中はほとんど雪崩にのまれているような状況でした。おそらく時間にしたら10~15秒だったのでしょうが、ものすごく長い時間に感じられました。十数年のBCの中で一番恐い思いをしました。
奥さんにも言われましたが、「最近、調子に乗ってるんじゃない?」まさにそのとおりだったようです。気を引き締めて、慎重に行動しなくては・・・
今回のヘルメット着用BC、たまたまかぶっていたのですが、助けられることになるとは・・・
運がよかったのでしょうか?
BCはいかなる時も危険がともなうということが改めて実感しました。
たまたまウッチャンは運がよかったのでしょう!
hidekinさんも残り少ないシーズン無事に安全に楽しく過ごしてください。
それでは、お気をつけて!