タカシが繁忙期に入るため、厳冬期のタカシとのBCは今回が最後。
タカシの希望をできるだけ聞いてやりたい・・・
でっ、希望は「東岳」
天気もまぁまぁのようなので、決行することに。
りょーたろーにも同行依頼があったため、不安そうだったがサポートを約束して同行することに。
折角なのでhidekinさんにも声をかけた。
快く賛同。
ちょい早めに大雪防災ステーションを出発。
真っ暗な中、長い長い林道を行く。
二股まで約8㎞ある。
さほどラッセルもなく快適林道ハイク。
二股まで来ても東岳上部は厚い雲に覆われていた。
二股から右に折れ、赤岳第3雪渓目掛けて登っていく。
いつまでたってもラッセルは無し・・・
雪面は硬くクランポン装着で行く。
「まずいなぁ~ 今日は滑れないかも?」
正直みんなどの程度真剣に受け止めていたか?
自分は何度もここ東岳で悲惨な目に合っている。
だが天候も微妙だが、みんなやる気は満々。
最悪は自分が先導することを決意していた。
第3雪渓を登り切った時点では雲が抜けそうな気配があった。
楽観視してはいけないが、少しの希望はあった。
ここまで来てやはり風は強い、強風の類だ。
東岳を回り込んで、雪面が出るところまで下りて、セットアップ&天気待ち。
太陽が出ることもあるが、ドロップするまで行かない・・・
今日も時間だけが過ぎていく。
今日も
「皆の衆、覚悟は良いか?」
シュカブラで硬い雪面を行く。
早くから今日は滑りは捨ててくれと告げ、安全に帰ろうと確認した。
自分が先導して真っ白な中を少しずつ刻んで下りていく。
視界がなくなると待機して、視界が少し出たらまた刻んでを繰り返して滑って
いく。
先導者がいると、後からがわかりやすくなるためだ。
そして、状況を伝える。
雪面はやっとエッジが効くかどうかのマジでヤバい状況。
真っ白時はほぼホワイトアウト状態。
滑落してルンゼの岩場に衝突でもしたらシャレにならない。
振り返ると上にいるみんなが見える。
上部は時より雲が切れているが下はまるで見えない。
温度上昇のせいなのか?ガスが滞留して一向に好転しない。
このままでは、硬い急斜面にへばりつているみんなの体力が持たない・・・
なるべく木のある方へ来るように誘導。
木が見える方が距離感をつかめるからだ。
最悪木にしがみつくこともできる。
この先、1番の急斜面でルンゼの門辺り。
ここを安全に突破出来れば、斜面はまた広くなり滑落しても安全率は急速に
上がる。
今度は岩場近くに寄り距離感を把握して下りていく。
周りに目標物がないと、平衡感覚がなくなり転倒する可能性が一気に上がり、滑落の危険性も一気に上がるため。
門近くの急斜面に指しかかって、雪が緩みエッジがある程度効くようになったのは不幸中の幸い。
無事に急斜面を通過。
みんなに雪面状況を伝えた。
おまけに視界も回復して門の下でみんなを待つ。
みんな無事に下りてくるのが見えた。
マジで良かったと思った。
自分は何度かこんな状況も経験してるし、滑落も経験している。
みんなは相当ビビったのではないかと推察される。
まだ残りも長い。
「さぁ皆さん、行っちゃってくださ~い」
たいして良くない斜面だが天国のように感じる。
たぶんみんなもそうだろう。
最後は陽も射して、りょーたろーと自分は東岳でカービング大会になったのはご愛嬌。
帰りは来たトレースを、V字で上がったり漕いだりしてノーシールで帰ってきた。
りょーたろーも板を外したり、付けたりして結局担がず漕いで帰ってきた。
かなり疲れただろうが頑張った。
天気も滑りもダメだったが、それ以前に今回のBCは、りょーたろーにとっては初の本格的BCだったろう。
彼のこれからのBC活動のスキルアップに貢献できたのではないかと推察する。
とにかく、悪天候、修行の滑りを共に乗り切ったことで仲間の大切さと絆がぐっーと深まったのでないかと、改めて感じた1日だった。
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