白洲次郎をご存じでしょうか?
吉田茂の側近としてGHQと渡り合い、新憲法制定、経済の立て直し、独立と戦後日本の復興に尽力した人物です。(彼の功績については賛否両論ありますのでここでは控えさせていただきます)
そしてもうひとつ、白洲次郎の名を有名にしているのは、その格好良さです。英国仕込みの紳士であり、自己の立てた原理原則”プリンシプル”に厳格で、どんな時にも毅然とした態度を貫く生き方。80歳までポルシェ911のハンドルを握るオイリーボーイ、お洒落でダンディ。何をしても何を言っても様になる、日本一かっこいい男。「風の男」とも称される白洲次郎の生き方やダンディズムに惹かれる人は多いのではないでしょうか。
先日、時計の本を読んでいたら白洲次郎愛用の金無垢のロレックス(香港で英国人実業家とポーカーをした時の戦利品らしい。ノンデイトのシンプルなロレックス。)が紹介されていました。そんな本を読んでいたら、どこか白洲次郎ゆかりの地を訪ねたくなってしまいました。
そういえば白洲次郎は現在の芦屋市出身だから近くに何かあるかもしれない、と色々調べてみると墓所が意外に近い場所にあることが分かり、さっそく行ってみることにしました。
白洲次郎の墓所があるのは兵庫県三田市の心月院。最寄り駅のJR三田駅までは大阪駅から約40分です。
最寄りのJR三田駅から徒歩約15分。静かな山裾に心月院はあります。
門前の掲示板でいきなり白洲家三代を紹介するポスターが掲示されています。
静かで雰囲気の良い心月院は三田藩主・九鬼家代々の菩提寺でもあります。
本堂前には立派な庭があります。本堂への立ち入りは自由です。
本堂内の右側には白洲次郎コーナーが設置されていました。
2009年にNHKでドラマ化された時の主演、伊勢谷友介さんのサイン色紙も展示。
なぜここにあるのか分からない本堂前の大釜。中には金魚が泳いでいました。
墓所への入り口には白洲次郎・正子夫妻の案内版が設置されています。
白洲家墓所前にも案内の石碑が設置されており迷うことはありません。
白洲次郎(右)、正子(左)夫妻の墓。
「葬式無用 戒名不要」の遺言通り(この遺言は父・白洲文平と同じ)、墓石に戒名は無く、不動明王の梵字だけが刻まれています。隣の正子夫人の墓石には十一面観音の梵字が刻まれています。墓石は正子夫人が五輪の塔に見立ててデザインしたもので、石屋さんが気を利かせて正子夫人の方を少し小さめに作ったそうです。
墓石に使用されている石は東北電力会長の時に心血を注いだ只見川のダム工事現場で白洲次郎自身が亡くなる2~3年前に見つけてきた石で、「この石に『俺の墓』と彫るんだ」と言っていたそうですが、さすがにそうは彫られていません。
墓石の裏面には白洲次郎の名前が刻まれています。
同様に正子夫人の墓石裏にも名前が刻まれています。
広大な白洲家墓所の入り口付近に白洲次郎・正子夫妻の墓があります。
私も40を過ぎ、人生の折り返し地点にやって来ました。色々と考え迷うことのある年齢ですが、これからは白洲次郎の実践した”カントリージェントルマン”のように時流に流されず、自分の考えを持って、重厚で自由気ままな人生を歩んでいきたいと思っています。彼のように格好いい男になるのは非常に難しいですが…