毎日新聞が、2021年12月6日に続いて、2022年3月1日に、民事訴訟法(IT化関係)の改正についての社説を出されました。毎日新聞としての第2弾です。
拙速な審理となる懸念を指摘し、国会での慎重な法案審議を求めています。判決が社会規範になりうるとの指摘は重要です。最高裁判決でなくても、判決が規範の形成面で社会に影響を与えることはしばしばあります。審理の充実こそ大事であるとの指摘に賛成します。
毎日新聞が、2021年12月6日に続いて、2022年3月1日に、民事訴訟法(IT化関係)の改正についての社説を出されました。毎日新聞としての第2弾です。
拙速な審理となる懸念を指摘し、国会での慎重な法案審議を求めています。判決が社会規範になりうるとの指摘は重要です。最高裁判決でなくても、判決が規範の形成面で社会に影響を与えることはしばしばあります。審理の充実こそ大事であるとの指摘に賛成します。
2022年2月21日の信濃毎日新聞の社説は、IT化にかかる民事訴訟法改正について様々な問題点を指摘しております。弱者への配慮や、画面越しの証人尋問などに懸念を示しています。法定審理期間限定訴訟についても、長野県弁護士会が反対意見を出したことを含めて問題点を指摘し、「審理の迅速化には、裁判官の増員や証拠開示の拡充といった環境整備こそ必要との指摘もある」と紹介し、「問題点を洗い直し、IT化と切り離して議論するべきだ。」と結んでいます。短い文章の中で、懸念される問題を端的に示した社説であると思います。
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これをクリックしていただければ信濃毎日新聞の社説を読むことができます。
朝日新聞が社説で
「裁判官は、証人らの話を直接聞き、表情や態度も観察することで、その人が本当の話をしているかどうかを判断する。ウェブ経由の映像と音声でどこまで正しく心証を形成できるか。また、尋問の様子は法廷に映し出されるというが、運用を誤れば憲法が定める「裁判の公開」を揺るがし、公正さが疑われることにもなりかねない。」
「期限ありきで不十分な審理のまま判断するようなことになれば、司法への信頼は大きく傷つく。慎重な姿勢で臨んでほしい。」
と的確に問題点を指摘されています。
(社説)裁判のIT化 着実に課題の解消を
2022年2月15日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15204397.html?iref=pc_rensai_long_16_article
ちなみに新聞社のサイトでは、一部有料会員にしか読めない記事も含まれていますが、社説についてはかなり古いものでも無料で読めるようになっている会社が多いですね。
毎日新聞の2021年12月6日の社説で、新たな訴訟手続の問題点を指摘し、拙速な審理に懸念が示されました。裁判が社会の規範となるのだから、審理不十分になるようなことがあってはならないと結んでおられます。
社説:民事訴訟の期間制限 拙速な審理が懸念される | 毎日新聞
以前にご紹介した2021年9月2日付け、東京新聞・中日新聞の社説と同様、民事訴訟の審理期間を制限することはIT化とは別問題であることを指摘しており、かつ、拙速・不十分な審理を招くおそれを的確に指摘されています。なお、東京新聞・中日新聞の社説は、本年9月13日の本ブログでご紹介しましたが、リンクがうまく貼れていませんでしたので、ここに改めてリンクを張っておきます。毎日新聞の社説とあわせて御覧ください。(なお、東京新聞・中日新聞の社説は9月段階での社説であり、その後法制審の議論の過程で制度案が修正されていったため、東京新聞・中日新聞の社説で論評の対象となっている制度案は、現在検討されている制度案とは若干異なっています。)
<社説>期間限定裁判 権利が妨げられないか:東京新聞 TOKYO Web
9月13日に紹介した国府泰道弁護士の寄稿文が、47ニュース(共同通信社と地方紙のサイト)に掲載されましたので、こちらから御覧ください。
https://www.47news.jp/news/column/47opinion/6796937.html
なお、9月13日にご紹介したとおり、愛媛新聞に県外会員として登録すると月54本まで無料で見ることができるので、上記の寄稿文を読むことができます。登録は約3分でできます。
https://www.ehime-np.co.jp/article/ky2021082701000108
※2021年9月16日 愛媛新聞の無料登録で読むことができるのは月5本まででした。4本と書いたのは間違いでしたので、お詫びして訂正します。なお愛媛新聞ONLINEでアクリートくらぶ(WEB会員)の場合です。他のサービスは有料のものがあります。
他にも西日本新聞や中國新聞でも無料登録することで一定数の記事を読むことができるようです。
※2021年9月16日 上記はそのとおりなのですが、西日本新聞の場合はアプリ無料コースが無料で、中國新聞の場合は中國新聞デジタルの無料会員コースが無料です。その他のコースは有料です。無料コースで上記の国府弁護士の寄稿文が読めるとは確認できなかったので混乱を避けるため削除しました。