「太宰超え」 2020-11-02 00:00:00 | 日記 2020年11月2日、第153回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が2015年7月16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に人気お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(当時35)の小説「火花」(文学界2月号)が輝いた。お笑い芸人の同賞受賞は初の快挙。又吉が敬愛してやまない作家・太宰治は1935年の同賞候補だったが落選しており、芥川賞レース上では「太宰超え」を果たした。羽田圭介さん(当時29)の「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)が同時受賞。直木賞は、東山彰良さん(当時46)の「流(りゅう)」に決まったのだ。第146回以来、3年半ぶりのダブル受賞となったが、又吉は「トップ当選」だったのだ。選考会後に会見した選考委員の山田詠美さん(当時56)によると、委員9人による1回目投票の結果、又吉が最も多い支持を集めた。内村さんと島本さんの2人が最初に選に漏れ、高橋さんも落ちた。滝口さん、羽田さん、又吉で2回目の投票が行われ、羽田さんと又吉が同票。同時受賞が決定したのだ。又吉が芸人であることには全く触れられず、小説として評価された。自身も推したという山田さんは「欠点も多々あるが、作品から強さを感じた。彼が言葉を大切にしてきたことが文学と出会ったことでスパークした」と評価。芸人をテーマにした作品だけに「知らなかったことを教えてくれた」。自身は受賞を逃しており「又吉君がうらやましい」とも語っていたのだ。2020年の活躍は・・・(井森隆)