何といっても声優の演技が良くなかった。主な役どころは、みな名のある“俳優”さんたちが演じています。でも残念ながら“声優”としては今ひとつだったように思えます。特にロイド。セリフの大半がまともに聞き取れませんでした。採用した側、この声の演技にOKを出した側の責任でしょう。
ストーリーも何だかよく判らなかった。見終わった直後、「この映画は“蒸気”と“破壊”を見せたかったのだろうなぁ」と思いました。正義というものの曖昧さを描こうとしたのは悪くないのですが、それが災いしたのか、僕は登場人物の誰にも感情移入することができなかった。主人公・レイにも、その父・エディにも、祖父・ロイドにも、ヒロイン・スカーレットにも。
結局、度を超した親子喧嘩だったんじゃないの? と割り切れば、コメディ映画として見られなくもないのですが、そう思うにはギャグの切れ味が悪すぎた。
すでに続編制作がアナウンスされているようですが、あの終わり方を見る限り、制作途中で決定されていたのでしょうね。「あぁ、続くわけね」という感じで、割り切れないものが残りました。
蒸気や機械、そして終盤に延々と続く破壊の描写は素晴らしかったです。それでも、映像美という観点では『イノセンス』のほうが驚かされました。アクション描写で言うならば、割り切って作られていた『アップルシード』のほうが迫力ありました。
今年はアニメーションの当たり年と言われているようですが、残念ながら僕にとって『スチームボーイ』は退屈な映画でした。
アニメーションの声はまっとうな声優にやらせるべきではないでしょうか。知名度の差はあれども、名俳優=名声優ではなかったということを、本作は明確に証明したわけですから。
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