タイトル | 順位 | 感想 |
ドリーム | 10 | ほんの数十年前に、アメリカのNASAで本当に起こった出来事。人種差別は残念ながら、いまでも続いている。が、同時に、それをなんとかしようと立ち上がる人々もいる。エンターテインメントとして超一流の面白さ。 |
改めて言いますが、ベスト10に入っている作品は、もう全部「最高!」っていうレベルの作品です。
順位はあくまで便宜的なもの。
で、ドリームですよ。
原題は“Hidden Figures”。直訳すると「隠れた人々」になるのかな。
ただ、figureには他にも「数値」などの意味があるので、このタイトルはおそらく多重的な意味が込められているのだと思います。
1960年代は、おそらく現代以上に人種差別が激しい時代だったと思います。
そんな中で、もっとも合理的思考を好みそうな環境であるNASAですら、いわゆる「有色人種」に対する差別は酷いものだったようです。
トイレに行くのですら、10分以上歩いて別の棟に行かざるをえなかった。
コーヒーメーカーですら、専用の粗末なものをあてがわれているのです。
ちょっと前にSNSで、「派遣社員は使用不可」の貼り紙が職場にあったとかで、ちょっとした話題になっていました。
劇中で、主人公の一人が状況の酷さに感情を爆発させるシーンがありました。ここは本当に泣けた。
そのあとで、職場のボスであるケビン・コスナーが取った行動が、さらに泣けました。
そう、この映画は普通のエンターテイメント映画として、ヒューマンドラマとしての普遍的な構造も備えているのです。
虐げられた人々が、怒りと叡智を武器に、困難に打ち勝つ。誰しもが感動できるドラマ構造です。
すぐにDVDリリースや配信が開始されるでしょうから、構えることなく楽しんでほしいと思います。
人種差別に関する「難しい映画」だと思わず、