■「ABC療法」 ビフィズス菌は 食べ物から増やそう! 自前のビフィズス菌を 腸内で増やす
リンゴ・バナナ・ニンジン
吉岡 太田先生は食物からビフィズス因子を探す過程でいろいろな植物を調べ、
リンゴ(アップル)、バナナ、ニンジン(キャロット)の三つに非常に多くあることを見出されました。
ただ、研究対象としては当時一番安く手に入ったニンジンを選んだというわけです。
この三つは、ちょっとでも食べると、腸管内でビフィズス菌が増える。
外からビフィズス菌を摂取するよりも増えるんです。
ビフィズス菌自体は8種類くらいあり、人それぞれ菌種も違う。
だから、外から摂取したものは摂取している時は増えるけれど、なかなか定着はしない。
摂取をやめるともういなくなります。
それよりも、腸内にいる自前のビフィズス菌を増やす方がいいのです。
毎日、リンゴ、バナナ、ニンジンを少量とるだけで増えます。
そこで私は、Apple, Banana, Carrotの頭文字から、「ABC療法」と名づけたのです。
──1種類でもいいのですか。
吉岡 組み合わせてもいいし、1種類でもいいです。
毎日とることが大事です。ジュースにして飲んでもいいし、
何でもいい。刻んでそのまま食べてもいい。中でもニンジンは安いので最もいいんです。
──少量で十分なのですか。
吉岡 もう一切れでもいい。
ただし、ビフィズス因子はビタミンとして少量でよいので簡単に満たすことができますが、
ビフィズス菌の餌となる糖源が不足するとビフィズス菌には十分でないことがあります。
その点、リンゴ、バナナ、ニンジンは糖源としても十分なわけです。
──私はニンジンを山ほどスライサーで千切りして、
少量の塩と酢をまぶして冷蔵庫につくりおいて、
そのまま食べたり加熱調理にも使って重宝しているんですが、
夏は時間が経つと粘ついてくるので塩と酢を多めにしているんです。
吉岡 ニンジンは蔗糖(ブドウ糖と果糖が結合した糖)が多いからですね。
だから雑菌も繁殖しやすい。それで粘ってくるんですね。
──糖源としてはオリゴ糖がよいということでしたね。
吉岡 ビフィズス菌に取り込まれる糖源としては乳糖が一番なのですが、
離乳期以降は乳糖は不足してきます。
オリゴ糖は消化性と難消化性を含む多糖類で、植物の貯蔵物質として広く分布しています。
当然、リンゴ、バナナ、ニンジンにも含まれています。
動物の腸内では、特に難消化性の多糖類、例えばガラクトオリゴ糖、
フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノースなどがビフィズス菌の
格好の餌となっているんです。ですから、オリゴ糖入りのビフィズス菌製品が
つくられているわけです。
だそうです。