「そこそこ年収はあるはずなのに、なんとなくお金が貯まらない」
そんなふうに感じたことはないだろうか。
まずは以下の質問に答えて、あなたの「貯まる度」チェックをしてみてほしい。
(すべて「はい・いいえ」で回答)
Q1. 10年後といった将来の自分や家族について想像したことがない
Q2. 贅沢しているつもりはないが、なぜかお金が貯まらない
Q3. 生命保険に営業員に勧められるがまま加入した
Q4. なかなか自分では決断することができないタイプだ
Q5. 家計が苦しくなると、まずは目の前の節約から手をつける
「はい」の数が0個だった人は、貯め上手さんと同じような考え方や習慣が
身についているといえる。
1~2個だった人は、今から気をつければ、10年後、20年後に手にする貯蓄額は
まだまだ増える可能性がある。
3~5個だった人は、手遅れにならないうちに一刻も早くライフプランを立てた方
がいい。
そう分析するのは、フィナンシャルプランナーとして
「家計の見直し相談センター」を運営し、
これまで2万世帯を超える家計診断を行ってきた藤川太氏だ。
藤川氏がこの度上梓した『やっぱりサラリーマンは2度破産する』(朝日新書)は、
サラリーマン家計の問題点と見直しポイントを解き明かし、
貯金を増やせるライフプランを伝授する一冊。
藤川氏は本書の中で、一般的サラリーマン家庭の家計についてこう規定している。
「ほとんどのサラリーマンは、『金持ちスパイラル』と『貧乏スパイラル』の
中間に位置する『中流層』というカテゴリーに入るだろう。
生活が苦しかったり、余裕があったりと、家計状況にある程度の違いはあるものの、
何とか生活をしていける一般的な家計だ」
さらに藤川氏は、中流層の中でも、収入に見合った支出で普通に生活をしている家計を「幸せな中流」と規定。一方、収入は高くても一歩間違えれば「貧乏スパイラル」に陥る可能性もある「不幸せな中流」というカテゴリーに入るサラリーマン家計もあると指摘する。
「年収が700万円を超えてくると、都心にマンションを購入したり、
高級車に乗ったり、派手な生活を好む人が多くなる。
周囲からは『お金持ち』と思われているが、
実際はやりくりに苦労していることが非常に多い。
(中略)『他の人より収入が多いはずなのに、お金がなかなか貯まらない』
という高収入・低貯蓄の家計は要注意だ」(本書より)
また、収入と支出のバランスがよく、上手に貯蓄ができている人でも、
突然のリストラなどで収入が激減することだって珍しくはない。
こうした高収入を得ていた人は、なかなか生活レベルを下げられない傾向があるので、
収入が大きく下がったときは、「貧乏スパイラル」に陥りやすいのだという
さらに、「高収入・低貯蓄」の家計は、老後に苦労する可能性が高いとか。
「現役時代の所得が高い人も低い人も、もらえる公的年金にはさほどの差がないのだ。
(中略)年収1500万円だった人は、月25万円程度の年金だけで生活できるとは
思えない。
生活レベルが高い人ほど、多くの老後資金を用意しておかなければ破産する」
(本書より)
こうした状況に陥らないよう、藤川さんはしっかりとしたライフプランを
立てるべきだと念押ししている。将来、なにが起きるかは誰にもわからないが、
教育費や住宅の購入、退職、年老いた親の世話など、負担が重くなることが
前もって予測できるライフイベントはいくらでもある。
加えて、金利が上がる、物価が上がる、収入が減る……といった想定外のリスクに
襲われることも考えておかなくてはいけない。
さまざまな外的要因を念頭に、自分の家計の未来を予測することが、
この不安定な時代を生き抜くことに重要だということ。
本書はそんな当たり前のことを、改めて教えてくれる。
だそうです。