ウクライナ情勢も予断を許さない中、今日は参議院選挙投票日である。私もこれから投票に行こうと思う。
その前に、是非書いておきたい。
7日に起こった奈良での安部元首相遭難。政治的動機ではないという犯人の主張に沿えば、暗殺とは言えないが、果たして本当にそうだろうか。
疑問などを列記する。
1.状況
(1) 今回の選挙は憲法改正の発議に大きく関わる参議院の勢力図がどうなるか、世間の関心事の高低に関わらず、大きな節目になる選挙である。
(2) 憲法改正に熱心であった安部元首相の政治的影響力は、首相退任後も大きなものがあるが、退任から3年、その影響力は今後従来以上に増すとは考えづらい。
(3) ウクライナ侵攻に端を発した対ロシア制裁のため、すでに物価上昇は市民生活にとって現実的な脅威になってきている。政権への批判は、政権与党批判に向かうか、日本の政治体制批判に向かうか、いずれにしろ、現状を変えれば何とかなるのでは、と根拠のない期待に身を委ねる有権者が増えても不思議ではない。そんな中、現在の非改憲勢力である野党の党勢に勢いはない。
(4) 事件は参議院選挙投票日の2日前。
まさに絶好のタイミングではないか。しかも、犯人は前日岡山まで安部元首相を追って出かけていたという。
2.ヒットマンに非政治色でかつ社会不適応の者を選ぶのは、最も賢明な選択。
今回の犯人が、あまりに見事に「個人的恨み」を動機としているのは、犯人本人にしてみれば、嘘を言っているわけではなさそうだが、背後関係は未だ不明。社会不適応の人間の心の隙に入り込もうとする「ある意図を持った人間」がいても不思議でない。
これからの政治状況は、物価上昇、円高、景気後退、ロシア、中国の軍事的ゆさぶりが多発、という状況である。憲法改正に向け、これほど条件が整ったいる時期はこの数十年なかったことだ。ただ、一つ足りないのは国会での改憲発議に向けた政治勢力の数と結集度。
その突破口に、これまで営々と仕込んできたヒットマンを動かそうとする「改憲勢力」が存在しても何ら不思議ではない。
かつて、大平首相が衆議院選挙直前に死去した際、自民党は選挙に圧勝した。日本人は、「宰相」の突然の死に、心情的に弱いのだ。
今回の選挙結果は明日判明する。
2022年(令和4年)7月9日 午前8時35分
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