Tony's One Phrase

観察日記

When a House is Not a Home

2016-02-15 02:56:18 | GO! GO! NIAGARA
先日の大滝詠一『Debut Again』の「Tall Tall Trees 〜Nothing Can Stop Me」は誰を念頭にカヴァーしたのか問題の続きです(オリジナルが誰かを追う、ではなく、誰のバージョンを念頭にセッションしたのかを追う!です)

ジョージ・ジョーンズか、ロジャー・ミラーか、ですが、少し調べればすぐ解決でした。前回、時間かけずにだらだら書いただけでしたが、今回も時間取れず要点のみ。

(1)直接証拠
2013年1月8日@each_bot
「いいんでしょお? 自分のお金使ってサ、なけなしの金はたいて、スタジオで遊んでんだよ、退屈だから。プレスリー歌ったりとかさ、ロジャー・ミラーをカバーしたりとか好きにやってんですよ」 (1999/FM)…細野=大瀧対談

(2)間接証拠
エルヴィスの解説『エルヴィス 1968 ベスト』でも、「ギター・マン (Guitar Man)」
<ナッシュビルの希望の星>の若者が登場します。若者と言っても、キャリアはそれ相当に積んで来た人で、特にそのギタリストとしての腕は相当な評判でした。その人物とは<ジェリー・リード>で、その<登場の仕方>は「解説」に詳しく書いてあります。彼のキャリアを見ますと、60年代初期に2枚のシングルをリリースしています。色々なナッシュビル・セッションに顔を出していたようですが、私が目にしたのはロジャー・ミラーの62年のセッションで、「トラブル・オン・ザ・ターンパイク (Trouble On The Turnpike)」という曲で、リードのギターがフィーチャーされています。(因みに、R・ミラーも殆どが例のバック・メンの作ったサウンドです) エルヴィスがJ・リードをピック・アップした事が《原点回帰》の象徴となりました。
(略)
 ここでエルヴィスが思いだしたのは、自分にはブルース・ベイシックなシンプルなロックが似合っている、ということ。ギタリストを初め、ミュージシャンと<直接>語り合うことの楽しさ、だったでしょう。50年代はモチロンのこと、60年代初期も殆どが<一発録り>でした。マルチ録音の多用から演奏と歌との分業制が確立され、エルヴィスの歌から本来のパッションが消えて行きました。まさにこの日は、その60年当初、それよりももっと前のサン時代をも思い起こさせる<素朴>なセッションとなり《原点回帰》に成功したのです。

ということで、再度、ロジャー・ミラーのバージョンでファイナルアンサー。

Tall, Tall Trees-Roger Miller


Nothing Can Stop Me


スタッフがバディ・ハーマンのドラムほか、エルヴィスのセッションメンバーとしてもおなじみの「例のバック・メン」なのは前回も書いた通り。

Harold Bradley, Ray Edenton, Chip Young - guitar
Charlie McCoy - guitar/bass/vibes
Buddy Emmons - steel
Bob Moore - bass
Buddy Harman - drums
Buddy Spicher, Tommy Jackson - fiddle
Hargus Pig Robbins - piano
Recorded:Jun/1970, Nashville

やはり、大滝詠一リハビリセッションは、原点回帰でエルヴィスとその周辺を気のおけない仲間と録音したのでしょう。
で、ここからは、予想(妄想)コーナー。

ほかにどんな曲が録音されたのか?
Roger Miller... "Husbands and Wives" 1966

ピアノがきれいな、エヴァリーも『Pass the Chicken & Listen』で取り上げた曲。Brooks & Dunnで1998年にNo.1ヒットとのことでリハビリセッションが1年遅かったらやったかも。


AREA CODE 615 - TRIP IN THE COUNTRY (1970)

ロジャー・ミラーのアルバムとタイトルが同名なので、ついでに取り上げる。「Katy Hill」は、多羅尾伴内楽團「337秒間世界一周」でもおなじみ。でも、インストなので、声のリハビリならず?

Std-Spider/Tony Joe (1970) Tony Joe White

負荷をかけたリハビリ、一番つらいところに挑戦するとしたら、こんな曲では?雨はてんのー、雨はテンのをぉ~。

DEBUT AGAINの謎を追え

2016-02-07 21:47:49 | GO! GO! NIAGARA
初回限定盤のボーナストラックの概要が出そろったよう。
<以下、引用>
1997年、大滝詠一が約1か月にわたり極秘裏に行なった通称《ナイアガラ・リハビリ・セッション》より、ジーン・オースティンの歌でヒットしたポップスのスタンダードナンバー「私の天竺」とエルヴィス・プレスリー作品のカバー音源「陽気に行こうぜ~恋にしびれて(2015 村松2世登場!version)」、また植木等の歌唱が懐かしい「針切じいさんのロケン・ロール」(オリジナルは58年の全米No1ヒット「The Purple People Eater(ロックを踊る宇宙人)」を収録するなど大滝ならではのロックンロール、カントリーの世界に浸れる内容となっています。
<引用終わり>

1日でなく1か月!のリハビリセッションからの曲とのこと。

僕が、聴きたかったベスト3はいずれも入らず。
3位 1976年3月吉田美奈子コンサート at紀伊国屋ホール「ディープ・パープル」
2位 1976年10月Go! Go! Niagaraコンサート at渋谷公会堂「DREAM LOVER~TRAVELIN' MAN」

1位 1980年12月16日「LET'S DEBUT AGAINコンサート」の「I Call Your Name」
これは、発売アルバムの名称から当然のように入るものと思っていましたが、落選でした。Again店主が店主になるずっと前に、大滝さんが歌ったと教えてもらった曲。アルバム『「LET'S DEBUT AGAIN」Again』発売まで待つしかないかな。





でも、「Tall Tall Trees 〜Nothing Can Stop Me」は、おもいがけない選曲で嬉しいです。



ということで、なぜこの曲を取り上げたのか。ナイアガラ・リハビリ・セッションとはどんなセッションだったのか、少し考えてみました。

(1)陽気に行こうぜ〜恋にしびれて
やはり、リハビリということでは。イメージしたのは、エルヴィスでしょう。カムバックスペシャルのような、リラックスをして好きな曲を。
ということで、ここは屋台骨。骨太サウンドで。

(2)私の天竺
ニューオリンズ。音楽的に意識したのは、ファッツ・ドミノの「My Blue Heaven」かな。日本ポップス伝で紹介した二村定一の流れもあり、アメリカンポップスと自分との関係、たどった道筋を「天竺」とし、黒人音楽も参考にしたドヴォルザークの「ユーモレスク」やフォスターの「峠の我が家」もおりこんだところ。自分にとっても天竺的作品。
公式HPの、『ジーン・オースティンの歌でヒットしたポップスのスタンダードナンバー「私の天竺」』は、ジーン・オースティンを引き合いに出したところと「天竺」としてナンバーを紹介しているところなど、少し疑問符です。

というようなことを思っていましたが、ボビー・ヴィントンの「私の青空」を聴いて、カヴァーのもとはこれかなとも。
ナッシュビル録音1963年とのこと。
『Blue on Blue』から“日本独自”のシングルカットと思われます。後ろのブイブイならすギターなど。まだまだ天竺は遠い。



(3)Tall Tall Trees 〜Nothing Can Stop Me、針切じいさんのロケン・ロール
今回、リハビリで音楽変遷を当たる場合、注目すべきカントリー。ナッシュビルの流れ。

リハビリは1997年ということなので、1995年のアラン・ジャクソンのリヴァイバルヒットの流れもあるのでしょう。大滝さんは、本筋しっかりしながらもわりと外の動きにも敏感なので。

「Nothing Can Stop Me」とつなげてメドレーにしたのは、2曲ともはいっているロジャー・ミラーの『A Trip in the Country』からジョージ・ジョーンズとの共作2曲を、ということでしょうか。

このアルバムはバディ・ハーマンがドラムの、ボブ・ムーアのベースなどエルヴィスの布陣。チャーリー・マッコイなどがギターに控え(残念ながら、ピアノは一押しフロイド・クレイマーではなくって、ハーガス・ロビンス)『BLONDE ON BLONDE』の布陣でもあり。

ジョージ・ジョーンズに焦点を当てるなら、
ゴーゴーナイアガラ第45回 Riche Furay特集 5分ぐらいのところ。https://youtu.be/dAu83kUPA7c
「やっぱり、リッチー・フューレイはカントリーが好きだったようでしてね~。
 前に、会ったことがあるんですけれども。 その時にどういうカントリーの歌手に影響されたかって、聴いたんですけれどもねー。
 ジョージ・ジョーンズとかねー、ウェブ・ピアスとか、あの辺の名前が出てきてましたんでねー。
 やっぱりカントリーが好きなんだなって感じですけれどもねー。
 スティーブン・スティルス、ニール・ヤングと比較するとこの人一番歌がうまいって感じがしますね。
 まぁ、好き嫌いがあると思いますけれども、みなさんの中にもね。一番、何と言うか、艶っぽいという感じがしますね、この人。」
ということで、原点に返って、リッチー・フューレイの歌声を、という流れもあるかもしれない。


https://www.youtube.com/watch?v=m4nxzcnRuI0の解説を読むと。
ジョニー・リヴァース、ジェイムス・バートンなどもつながるよう。



また話がどんどん拡散するけれど、ロジャー・ミラーといえば、まずはキング…だけれど。「Do-Wacka-Do」は歌い方もオモシロイけれど”Good Luck Charm”の歌詞が出てくる、お守りソング。
今年初めに、metalsideさんがつぶやいたElvis Presley「Good Luck Charm」⇒Cliff Richard「Lucky Lips」⇒「福生ストラット」の流れに納得。
と取り留めもないことを忘備録。

しかし、ラボックあたりのサウンドは北海道によく合うなぁ。
この流れで、クリケッツの「デボラ」とかもやってたらよいのに、と思いました。
「ナックルボール」でも聞くか。

開拓の地

2016-02-07 21:12:55 | 日本のオールディーズ
冬に聴く曲、何にスノウ?
ユーチューブ自動演奏から流れてきた
Hank Snow「I Don't Hurt Anymore」


https://www.youtube.com/watch?v=8ht9Az3v0tg

三橋美智也「I'm A 北海道 Man」の歌い出しイントロ思い出しました。


https://www.youtube.com/watch?v=xhXHWewwT0U


作曲:かまやつひろしなので、むべなるかな。
北海道はやはりカラカラと乾燥しているので、こういうサウンド合うのだろうなぁと。
先日、亀淵さんのラジオを聴いていて、カントリーのラジオ番組を長年やっているパーソナリティーの方が、つらい心情だとか日常が詰まっている、演歌とは違ったやりかた、という話をしていて、なるほどなぁと思った次第。