とある寺院の日記。苦労もあれば夢もあります。ごくごくフツウの毎日ですが・・・。
tera日記
写経会
本日は、彼岸の入り日。当寺では、この日に写経会が行われます。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、どっこい、ここに来て寒さが厳しく感じられます。今日は日曜日ということもあって、彼岸初日にしては大忙し。まず、坐禅会。そして、お彼岸の墓参参詣の方の対応が朝から続きます。
10時から写経会。NHK趣味悠々でも取り上げられているせいか、ちょっとしたブームのようです。いつになく、参加者が多かったです。初めての方も何人もいられました。
静かに姿勢を正して、自分に向き合い、何よりも尊いほとけのみおしえである仏典を書写する崇高さが、安らぎの世界に引き込んでくれます。心電図は心拍の足跡となって出てきますが、写経の文字は心の心電図とでもいいましょうか、微妙な心境の変化を反映してしまいます。はじめから終わりまで、同じタッチで書き続けることは、難しいものです。
写経でポピュラーなのが般若心経です。手慣れた人で60分、少し丁寧に書き綴って70分というところが標準でしょうか。
実はこの般若心経は彼岸と関係が深いことは、意外と忘れられています。もともと波羅蜜多の原語はパーラミター、到彼岸と訳されていました。般若は「仏智慧」ですから、「智慧の完成」とか、「仏に到る智慧」と訳されて、彼岸への道のメカニズム=空の論理と、仏智慧の境地を讃えたお経でもあるわけです。
ですので、この彼岸中、先祖の墓参りに出かけることと同時に、日常の生活態度の点検をして、仏の生き方に学ぶ期間であることが望ましい訳でもあるのです。
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私も今写経教室のお手伝いをしていますので参考になりました。「写経の文字は心の心電図」とはなるほどと思いました。明日丁度ありますのでこの言葉を紹介させていただきます。
さて、いよいよ迫ってきましたが、準備に追われていることと思います。お世話になります。
今年はまだ、雪を見ていない気がするので、雪景色、楽しみにしています。
写経教室、お疲れ様です。ブームに押されて関われば関わるほど、奥が深いように感じてきました。作業する、行動すること、そして確かな何かを実感したいという願いの表れなのかとも思います。
いざ、写経をやり始めたら、なんだか、楽しい気分になり般若心経を書き上げました。終わるころには、不思議な気分になっていました。3枚くらい書いて、一番気に入ったものを学校に提出した記憶があります。般若心経の中身がなにもわからないのに(読み方も知りません)、なんだか、とても楽しかった思い出があります。