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宗教教育考

こどもの指導要領、「生きる力」や「心のノート」について関心を深めていますが、宗教教育について考えてみたいと思います。

先日、ある研修会で、「カルト教団の手口と脱会者のケアー」という講演を聴きました。
目からウロコというか、根深く、深刻な事態が身近にあることを痛感しました。特に、カルトにはまる青年たちは、真面目、真剣、誠実、優しい、純粋・・・といったような優れた人間の素質を沢山備えた人たちばかりということにも衝撃的でした。

特にカルトに入信してしまう10項目の若者の傾向を聞いてショックでした。

入信につながる10の傾向

1.仲間がほしい・・・・・学校・家庭・職場などでの孤立感。

2.居場所が無い・・・・・自分の存在を受け止めてくれる場所がない。

3.親からの自立・・・・・オトナになりきれない社会・家庭がある。

4.世への不満・・・・・・・社会・政治への不審。

5.幸福願望・・・・・・・・・病気・災害・社会への不安からの脱却。

6.生きる意味願望・・・・価値観の多様化。宗教・哲学の不在。

7.熱中したい・・・・・・・・充実願望の成就。心の空虚を埋めるものは?

8.ヒーロー願望・・・・・・このままで終わりたくない。

9.真理の獲得・・・・・・・神秘的な隠れていた真理を知りたい。

10.死後の世界・・・・・・死とは何かを知りたい。

これらをすべてかなえてくれると誘うのがカルトです。かなえられる・・・・(実際は虚実であっても)・・・としたら、若者のあなたはどうしますか?

この項目を見ると、確かにこのようなことに飢えているかも知れません。手を差し伸べれば、ついて行きたくなるかも知れません。

ただし、この先のリスクがあることを知らせてあげなければいけません。

リスク 

×1.家庭の崩壊・・・・・・・・反発・無視・孤立・離婚
×2.親族友人を失う・・・・・勧誘のノルマを課す相手。
×3.学業放棄・・・・・・・・・・不登校・怠学・退学
×4.非就職・・・・・・・・・・・・フリーター・ニートへの移行
×5.反社会的行動・・・・・・違法行為の荷担・犯罪者となる
×6.偏った人格形成・・・・・マインドコントロールによる偏りの人格形成
×7.組織依存性・・・・・・・・指示待ち化・自立心の剥奪
×8.青春の喪失・・・・・・・・二度と戻らない貴重な日々
×9.財産の喪失・・・・・・・・金銭、健康、生命までもが損なわれる
×10.PMSDの恐怖・・・・・・ポスト・マインド・コントロール・シンドローム、脱会後の後遺症。悔恨・自責・社会不適応・再入信・フラッシュバック。

これらのリスクを承知した上で、若者のあなたは、もう一度考え直してください。

と、いうような防波堤が必要なのかも知れません。特に入信につながる10項目のうちでは、5・6・7・9・10といった内容は、寺、僧侶、仏教、健全な宗教が、かなり関われることだと思いますし、放任してきた罪は重いかも知れません。

とにかく考えさせられる研修でした。健全な意味の宗教教育が必要なのかも知れません。





 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
失礼いたします。 (tenjin95)
2008-05-31 08:22:26
> 管理人様

このような対カルト教育は、我々自身ももっと大切にしないとダメですね。昨日も、「無宗教が7割」というような報道が、読売新聞から出されていましたが、このような報道が、かえって、宗教への無知を肯定し、カルトを助長させることは明らかです。

非常に問題ですね。
 
 
 
→tenjin95さん (tera)
2008-05-31 15:51:41
ほんとうに心配ですね。先日の講師は楠山泰道先生です。大学での勧誘、深刻のようですね。K大学においても他人事では済まないかも知れません。

日本人の一応、葬儀は仏式。位牌・仏壇はあるけど無信心、無宗教と豪語する風潮が、真摯に真理を追及しようとする若者の受け皿として、カルトをはびこらせる要因になっていることは事実ですね。
 
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