祈祷の願文

寺には連日祈祷の申込みが相次いでいます。来寺の方、FAX、電話、郵送、メールと様々なツールで申込みがあります。
当寺では、元旦に修正会大般若のご祈祷を行っていますので、その受付です。

荒神様や当山やその他寺院や神社での、御札の祈願ごとを見て行きますと、世相が見えてくるように感じます。

内容をグループに分けてみますと、

1.健康・安全に関すること
家内安全・身体健全・交通安全・当病平癒・運命増長

2.災難除け・自己利益に関すること
厄　　  除・火災消除・諸災消除・諸縁吉祥・心願成就

3.職業に関すること
商売繁昌・社内安全・工事安全・社運隆盛・職業安定

4.子育て・教育に冠すること
良縁成就・子宝天授・安　　　産・学業向上・受験合格

5.グローバルな平安を願うこと
景気安定・世界平和・仏恩報謝・大地平安・国土安穏

のような内容の願い事が寄せられます。最もポピュラーなのは「家内安全」ですが、意味はかなりファジーです。火災や地震災害も含む家屋建物の安全から、家人の健康・安全、ひいては家庭内のトラブル回避も含んだ家庭円満面の安全も含んでの「家内」と解釈されていると思われるからです。それだけ広義にご利益があるとすれば、最もイチオシなのはうなずけますね。
「商売繁昌」がかなり多かったのが、最近は個人経営の店が少なくなった影響もあり、どこでも激減の様相で、代わって多くなっているのが、「身体健全」・「交通安全」のようです。やはり健康志向の風潮なのでしょうか。
若い人に「厄　除」祈願が多いのも意外です。
当山では、毎年その年の傾向として、祈願の必要を感じそうな願文を、祈願例として申込み用紙に記入しています。リストラが深刻だった時は「職業安定」。アフガン・イラクの戦争が始まった時は「世界平和」。因みに今年の配布用紙には「大地平安」を載せていますが、すでにこの願い事での申し込みもいただいています。
最近、５番の項目の申込みが多いのは、個人の現世利益から共生の幸福志向への傾向だとすれば喜ばしいことです。

この祈祷の法要では必ず、念を押すようにしているのですが、本人の努力無しには効き目も無し。ご祈祷は「本人の頑張りの応援歌」と言っております。