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秋田県北部訪問②なまはげ

男鹿半島に伝わる伝統行事「なまはげ」を伝承館で体験してきました。

正月前の暮れに、生活態度を粛清するために、神の使者として家々を回り、「怠け心をはがす」ことから『なまはげ』と呼ばれる行事です。

テレビでもニュースで流れ、全国的に知れ渡っているものですが、実際のことは訪ねてみて「なるほど」と思うことばかり。かなり、ねらいの意味は奥深く、現在なお時代に即応した形で行われていることに感動します。

 一般の民家を伝承館として保存し、この中で生『なまはげ』を体験できる。

「なまけている者はいねっか?」「泣いてる子はおらんか?」「朝起きねぇ、嫁っごはいねっぺか?」…と荒々しく家中を探す。
 
子供は、泣き出し、親が守ってあげる。それでも「なまはげ」は引き離しにかかる。そこを主人は懸命になだめて、改善策を約束してとりなすというシナリオ。子は親の愛情を実感する仕組み。
 
御馳走をふるまい、お酒を飲ませて手厚くもてなすが、「なまはげ」の追及は厳しい。「嘘をつこうとしても、この台帳に書いてある」として、『なまはげ台帳』を読み上げる。ここには神の目につつぬけの実態が記されている。

「ここんとこの子は、昨年、ゲームばっかしておって宿題しねぇってんで注意したけんど、一向に直らんではねえけ」「いや、少しはやる気が出たみてぇなんで、もう一年見守ってけれ」「だがのう、これが最後だぞよ」「へへぇー」・・・・といったもの。この会話が「なまはげ」の真骨頂なのです。

「なまはげ」に扮するのも村の若者、お互い知るもの同士。あらかじめ、直接言いにくいことを頼んでおくそうで、現代版「なまはげ」問答は面白いらしい。

この地方でのこの「怠け心はがし」のターゲットは、古くから子供と新嫁に向けられていたようだ。
「ここんちの嫁は、何でも、夜、近所の仲間とカラオケさ行って夜更かしして、朝おきねぇってか」など、辛辣だ。



                 
雪に覆われ、寒さと戦い、逞しさを身に着けさせ、一致団結して村を守る生活の知恵だったのかも知れませんね。畏敬の念が欠如し、怒る人がいない現代社会において、この文化は大切なことを教えてくれています。

男鹿半島全域で、いろいろな形態で特色を持ちながら、村々で受け継がれているようです。

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
うわぁ!!! (ayumi)
2011-06-20 12:39:25
秋田、それも男鹿に行っていらしたのですね!

母の郷ですので、まるで自分の家や自分の事を紹介していただいているみたいで、こそばゆく嬉しいです。

大晦日に訪ねてくる「なまはげ」には、
幼い頃は本当に怖くて怖くて…

美味しいものを召し上がることは出来ましたか?

秋田は美味しいものがたくさんあって、
秋田美人の次に自慢です!
 
 
 
→ayumiさん (tera)
2011-06-21 21:43:37
御無沙汰しています。そうでしたね。秋田でしたね。
そうです、男鹿が初日でした。いいところですね。すっかり俄か秋田ファンです。

食べ物も美味しかったです。山菜が豊富でした。はたはたの卵でしょうか「ぶっりっこ」というのは美味でした。それから言葉が温かみのある訛りですね。「おばこ」って秋田美人のことだったんですね。
 
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