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インド仏蹟巡礼⑤インドの仏蹟について

仏蹟については①で八大聖地について説明いたしました が、現実には、各聖地の周辺には数多くの釈尊や仏教に関わる遺跡が残されています。

ナーランダ大学

今回訪れたところでは、最初の訪問地ラジギールの近くの「ナーランダ大学」跡地があります。

   

ナーランダの歴史は次の通りです。

お釈迦様時代(紀元前400年~500年ころ)
    当地の商人500人がまとまって、お釈迦様のためにこの土地を購入し、ここに説法の地(精舎)とした。

仏教研究が盛んな時代(紀元400年~500年ころ)
  世界最古の研究の場として、427年に総合大学(ナーランダ大学)が建てられた。・・・・グプタ王朝の仏教保護
  
  学部は仏教学、ヴェダー学、医学、冶金学、数学、音楽学など合計12
  教授は2千人、1万人余りの学生が学び、蔵書900万巻に及んだといわれる。
 

紀元636年
  玄奘が訪問し5年間滞在、副学長となる。玄奘が長安に戻ったのは645年 
       
紀元1193年
  イスラムの勢力により破壊、蔵書を焼かれる。以後、インドから仏教が衰退した。

1915年(大正4年)・・・・今から100年前にこの存在が判る
    ドイツの学者が、玄奘の『大唐西域記』の記述に基づき発掘し、現在まで10分の1ほどが発掘され、さらに衛星画像などを駆使してなお続いている。

ただ、チベットの文献などの記録によると、竜樹、無着、世親などの2~3世紀頃の人たちがここで講義や研究したとされ、また般若経などの大乗仏典もこの地で成立したとの記述もあるらしく、真偽については不透明です。総合大学となる前に、すでに2~3世紀の頃に、僧院らしきものがあり、仏典研究がなされていたとも考えられます。

それにしても、インドの文化の奥ゆきの深さには驚きます。刻まれた彫刻も鮮やかに残っています。ギリシア文化の影響も感じられる気がします。

   


サルナート考古学博物館

ここには、世界的にも有名な文化遺跡が展示されています。インドにおける仏教聖地で目に付くのは大きな仏塔です。いわゆるステューパ仏舎利塔です。これは、お釈迦様がここに居ることを顕し、偉大さを讃え、教えを受け継ぐ殿堂でありました。ですから、この仏塔があればあえて仏像を作る必要がなかった訳です。
  
しかし、数百年後には、身近にお徳を感じる仏像が盛んに作られ、仏教美術が開花し、古来の文化と外国の文化が融合して優れた作品が多く作られてきました。これらの仏像も、他の宗教勢力による排斥破壊活動の繰り返しにより、損傷しているものも数多くあり、歴史の変遷を感じさせてくれます。

デリー国立博物館

ここには、インドの各時代、各方面の文化財が整理して展示されています。特に貴重な展示は、お釈迦様の御遺骨、仏舎利です。二つの壷に入っていた十数片の御遺骨が、ガラスケースに納められ、お参りすることが出来ました。
ここで私たち一行は、『舎利礼文』を読みながら巡道し、『聖号』の御詠歌をお唱えしました。感銘のあまり、身体が震える思いでした。
 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
こんにちは! (じげん)
2015-03-20 09:14:16
寺族の目線と違って、やはりお寺様の説明はさすが専門家‼とてもお勉強になりますね

 
 
 
おはようございます。 (tera日記)
2015-03-21 08:05:32
→慈眼様

インドでの感慨が蘇って来ています。疑問な点などを調べながらまとめていますが、奥が深いですね。
 
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