北京オリンピックが終わりました。と、同時に暑かった夏も終わりを告げたように、涼しい日が続きました。
総括や論評はメディアで盛んに扱われていますが、今回のオリンピックを私なりに振り返ってみました。
見ていて感動を誘う世界のスポーツの祭典は、やはり見応えがあります。日本のメダル数は9・6・10の25でしたが、どのメダルというよりは、目指してきた結果への充実感が大切なのだと感じました。メダル争いとひとくくりにしますが、タイプとすると二つに分かれると思います。金メダルねらい型のメダルと、メダル圏内を悲願として勝ち取ったメダルです。
金メダル型は、実力を持ちながら期待され、さらに成し遂げることは至難の業です。マラソンはスタートラインに立つことだけで難しいと言われましたが、マラソンだけではないと思います。平然と強さをまざまざと見せつけてくれた北島選手は、今までの日本選手のぜい弱さと違う強さを見せてくれて勇気と自信をいただきました。
感動に湧いたソフトボールの優勝は、全員の信念が通じた悲願だったのだと思います。遠い東京オリンピックの女子バレーにも似て、今後、同様にブームが起きて広まっていくといいですね。
さて、メダル圏内の争いということでは、銅メダルが金の重みに匹敵します。水泳の松田選手、陸上400リレー、女子レスリングの浜口選手・・・。成し遂げた充実感が手に取るように伝わり、感動を与えます。卓球、バトミントン、女子バレーなど、あと一歩のところでした。挑戦した努力の結果として見れば、どれもが「自分色のメダル」かも知れません。
浜口選手の銅メダルの試合を見ていましたが、終始リードし、完璧なレスリングができたのではないかと思います。試合後のさわやかさは、勝った喜びより内容に納得したものだったのではないでしょうか。
残念だと思うことをtera日記の社説風に述べて総括してみると・・・、
今回のオリンピックでは、新たな課題が強まった気がいたします。それは、「プロとアマの狭間で・・・」というジレンマです。クーベルタンが掲げたオリンピア精神は、今日的課題を見抜いていたかのように思えます。ソフトの感動はまさにアマチュアイズムの成した業に思えますし、もし、上野投手がプロのペナントレース中の選手だとしたら、三連投はありえません。日本水連がプロ契約に固執してスピード社の水着を拒んで北島が負けたら後味が悪いものになっていたかも知れません。プロ・アマを越えたフェアプレーの精神が感動を呼ぶものと再認識をすれば、選手の起用、強化、管理の点で、考え直す必要があると思います。それは、利潤を越えた「自分色のメダル」を目指す特色をオリンピックは持っているからと言えます。
その点に立てば、マラソン選手の直前での棄権や、野球の岩瀬やGG佐藤選手のように自分の力が出し切れなかったことは気の毒に思えて仕方ありません(当人にとっても、出られなかった選手にとっても)。もともとアマとたいした差がない実力の上、昨日までペナントレースで職業としての野球に向かっていた選手が、いきなりアマ精神の結束と集中を求められても、チームプレーなだけに期待する方に無理があるのかも知れません。
国費を強化費にという論議もあるようですが、上げ膳据え膳の箱入り選手を増やすだけでは、真の逞しさやフェアプレイの精神まで強化できるか疑問です。
ソフトは次回のオリンピックから消えてしまいますが、企業がバックアップして強化してきた種目だけに残念です。今回のフェンシングやコン・カマのヨット競技が注目された陰には、スポーツ好きの経営者の採算を越えた支援が大きな力になっていたとも言われます。そして、その種目の選手達は、「支えてくれたみんなのお陰」ということを強調していました。今後の方向としては大切なことかも知れません。
ところで、今年のオリンピックのフェアプレー賞は誰にあたえられたのでしょう?かつては、メキシコ五輪で、日本チームが最小のファウルで銀メダルを取って受賞したり、最近では、メダル圏内のマラソン競技中に観衆が飛び出して妨害されたにもかかわらずに懸命な走りを続けたことに与えられたりしました。
調べてみましたところ、ファウルの少なかったスゥエーデンとなでしこJapan女子サッカーチームに贈られたそうです。個人的には、決勝トーナメントのタイブレークを共に戦い、五輪復活を共有して挑んだ日本・アメリカ・オーストラリアのソフトボールチームにもあげたいと思います。
オリンピックは終わりましたが、今後、当面心配なのはサッカーのワールドカップです。予選敗退の危機を迎えています。日本代表候補選手に覇気を感じません。いっそ「なでしこ」と入れ替えてほしいくらい・・・。来年のWBCも星野ジャパンでは無理でしょう。ソフトの上野や山田を入れたいところです。スポーツの持つ、本来のハングリーで自分の気持ちに対してフェアな精神の結束を復活させてほしいものです。
それにしても、今回のオリンピック、前回に引き続き、女子の活躍ばかりが目立ちました。残念・・・・・・・・。原因はいずこに?・・・。
総括になっていませんね・・・・。