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大阪の彼岸会

3月から連続でつながっていた仕事が一段落しました。そこで、少し過去のものを振り返ってご紹介します。はじめに大阪の彼岸会模様です。

3月の17日から23日までの彼岸中、私は大阪を巡回していました。
大阪は、以前にも書きましたが、活気ある街です。東京や横浜に比べますと、市街地がコンパクトにまとまっていて、拠点の繁華街がそれぞれ隣接しているのです。川や道路、地下鉄・鉄道も碁盤の目のように配置されていて、わかりやすい。

宗教事情も独特です。全体的には、石山本願寺の歴史からか、浄土真宗の文化圏といった感じです。メインストリートの御堂筋も、本願寺の「御堂」のある道から名付けられているわけです。ところが、大坂城が出来ると、勢力の結集を恐れたためか、中心部には真宗寺院は意外にも少なくて、他宗派の寺院が宗派ごとにまとまって寺町を形成していたりします。
神社信仰も盛んで、現世利益的な大阪人の信仰の拠り所となっているようです。夫婦善哉で有名な水掛不動さんは難波の繁華街の中にありますし、曽根崎心中で有名な神社の境内は居酒屋群に囲まれています。まさに庶民と密着しています。
えべっさん、てんのうさん・・・、と親しまれているように、社寺は大阪人の日常に根付いた共通の信仰の土壌なのです。

さて、仏事信仰は真宗の影響からでしょうか、自墓とは別に本山などに分骨納骨供養をする風習が強く、各寺院でもその種の供養を行っているところがあります。浄土宗の一心寺は全国的にも有名です。
彼岸には先祖供養をねんごろに行います。多くの寺院は、近隣の教区寺院を集めて彼岸会中に、法要日を設けます。彼岸施食会が多いですが、単に彼岸会法要のこともありますし、大般若法要のところもあります。
卒塔婆供養は、経木塔婆で、お墓に建てるのではなくて、供養場所に置いて水をかけたり、川に流したり、井戸に入れたりするのです。

また、先に述べたように菩提寺だけではなくて、一心寺とか四天王寺に出かけて供養をするのです。
20日の中日に、訪れた寺が近くでしたので、四天王寺に寄ってみました。すごい人で、周辺は大渋滞。広い境内は参詣の人々でいっぱい。境内、周辺は露天商がぎっしり。まさにお祭りのにぎわいですね。
 
経木塔婆供養の申し込み風景。経木は一枚20円。供養料は一世帯5000円だそうです。
                
ある街で耳にした会話。
「てんのうさん行ってきた?」「ああ、行ったよ」「塔婆は1枚でも20枚でも5000円だから、ほとけさんえろうあった方が徳やね」「そうやねぇ」・・・
よく意味がわからなかったのですが、現地天王寺に行ってわかりました。たくさんのほとけ様がいた方が供養単価は安くなると・・・。流石大阪、大阪人気質の会話だったのでしょうか。(笑)
    境内の井戸に経木塔婆を入れて水で洗っている(流している)ところ。

彼岸施食会は、基本的には各家別の法要なのです。施食会希望の檀信徒の数が多い場合は、20~30軒をまとめて行ったりしています。全体で一斉に供養する関東の形とは、かなり違いますね。施食供養料の五千円、一万円は関東ではお高く感じるかも知れませんが、単独個別の先祖供養一座を依頼する金額としてはお値打ちなのかも知れません。ただし、随喜(参加)する住職方は、2~3時間を続けての法要ですのでハードです。しかも、ダブル、トリプルと寺院を渡り歩くのですから大変です。タフでなければできません、なにせ彼岸は一週間と限定されていますので。

          

もう一つ、ご寺院方の大変さは月参り行が徹底されているということです。都会寺院での月行の敢行は大変なことと思います。その経済的負担を支える大阪の信仰深い土台も尊いことです。

愛すべき大阪、勉強になりました。

ほんの一部を垣間見た主観的感想ですので、違っていましたらご容赦ください。

 

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