斎藤元彦氏失職に伴う再選挙を明日に控え、何か不穏な雰囲気が漂っている。以前のブログでは斎藤氏の尊大な態度を問題視したが、実は隠された背景があるようだ。自分に有利な事実を隠したまま辞職させられた知事は、その爆弾を相手に投げ返すという高等戦術を描いていたのかもしれない。
問題を整理する。本年3月に西播磨県民局長(A氏)が斎藤氏に関する告発文(パワハラ、オネダリ、補助金にからむ不正など)を匿名で配布した。斎藤氏はA氏を特定し懲戒処分した。これが公益通報者保護法の逸脱と疑われ、告発文の内容も含めて百条委員会で調査が進む中、A氏が7月に自死した。
主要メディアは、斎藤氏の問題行動や百条委員会について連日取り上げた。県議会は県政の混乱や道義的責任を問題視し、全会一致で知事の不信任を決議した。かくて斎藤氏は委員会の結論を待たず9月に解職となった。しかし、普通はここで終わるところ、斎藤氏は再選を目指し選挙運動を始めたのだ。
この奇妙な経緯に、斎藤氏は間違っていないのではと世間は思い始めた。自らも知事選挙に出馬したNHKから国民を守る党の立花孝志氏(兵庫県出身)によると、A氏のPCには十名の女性職員との性的関係が画像も含めて残されているという。疑惑が生まれ、斎藤氏に追い風が吹きつつある。
これが本当なら、A氏の行為こそ職権を濫用したパワハラとセクハラだ。この疑惑については、真実を知るはずの百条委員会は無視し、メディアも追求しようとしない。女性職員の誰も告発しようとない。A氏の自死も奇妙だ。委員会での公開告発を前にして告発者が死を選ぶのは理解できない。
以下は邪推だ。斎藤氏の前任者(井戸敏三氏)は20年間も知事にあり、県職員・県議会・企業体は共同権益化していた。ここに新風を入れた(県庁改築や財政の見直しなど)のが斎藤氏だ。その斎藤氏をパワハラ、オネダリ疑惑で葬り、不都合な真実を抱えるA氏を自死に追い込んだのか。
既存の利権構造とメディアが一体となり、利権を冒す人物を悪魔化し、利権側に不都合な事実を隠匿する情報操作といえば、それは米国大統領選挙の様相(トランプ氏が斎藤氏に当たる)を想起させる。世の人が知りたいのは、誰が悪者かではなく何が本当かだ。早くPCの内容を公開せよ。