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支流からの眺め

パレスチナ・ガザ地区の悲劇(1)

 イスラエル(イ)とパレスチナ(パ)との戦闘が本格化している。かの地には3000年前にイスラエル王国があり、ローマ、トルコの時代があった。20世紀になり、英国の三枚舌外交(バルフォア宣言)やユダヤ国家の再興運動(シオニズム)を経て、1947年に国際連合による分割決議でユダヤ人とアラブ人の居住区が定まり、翌年にはイ国が建国された。

 これにアラブ側は納得せず、近隣諸国を巻き込む4回の中東戦争が起こったが、その結果、イが勝利して領土を拡張した。パ側も現実路線をとり、1993年のオスロ合意では2か国共存(パに自治を認める)が了解された。しかし、双方の過激派は満足せず、特にパ側の過激派ハマスはガザ地区を統治して西岸地区とは別の道を進み、今回の襲撃に至った。

 関係者の思惑は様々であろう。イ国の首相は政権の安定を得た。米大統領も英雄となる機会である。片や、イランやシリアはイ国の主張を認めない。台湾進攻や烏露戦争に絡む中露は、米国の戦線が広がり手薄になることを望んでいる。これら反イ・反米側は、ハマスへの戦闘員や兵器の提供、情報戦などに関与するに違いない。横流しを含めて武器の売買で儲ける連中もいる。

 ハマスがイ国の堅牢な防衛体制を破り、中共国ばりの超限戦を展開したことは、戦術的な関心事であろう。具体的には、ロケット弾の集中攻撃、低空で侵入するグライダー、戦闘員による市民殺害と人質連行などである。ハマスの非人道的・反国際法的行為に対しては国際的に批判が集まっている。同様に、反撃に出るイ国がどれだけ人道と国際法を尊重するかも注目されている。

 次のブログでは、少し支流に上って眺めてみたい。

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